求人タイトルの付け方|一覧でクリックされる一行の作り方とNG表記
「求人を出しているのに、そもそも閲覧数が伸びない」——。これは、求人票の改善に取り組む企業で、よく見られる状況です。原因を掘り下げていくと、本文の書き方よりもずっと手前にあることが多いです。検索結果の一覧に並んだときの、タイトルの一行が原因になっています。
求職者はスマートフォンで求人サイトを開きます。そして、何十件も並ぶ一覧を親指でスクロールしながら、開く求人を一瞬で選別しています。画面に表示されるのは、タイトルと会社名、勤務地、給与くらいしかありません。タイトルの一行で「自分に関係がある」と思ってもらえなければ、本文の中身は存在しないのと同じになってしまいます。
ここで一つ誤解を解いておきます。求人の閲覧数が伸びないのは本文の魅力が足りないからだ、と考える方が多いのですが、それは誤解です。
この記事でわかること
- 求人タイトルの役割と、キャッチコピーとの違い
- クリックされるタイトルに入れる3つの要素
- 職種名を「検索される言葉」に直す考え方
- クリック率を下げるNG表記と、職種別のBefore→After例文
求人タイトルはキャッチコピーとは仕事が違う
最初に、言葉の整理をしておきます。求人タイトルの役割は、検索一覧の中で「これは自分向けの求人だ」と気づいてもらうことです。そして、クリックして開いてもらうところまでがタイトルの仕事になります。心を動かして応募を後押しするのは、本文とキャッチコピーの役割です。タイトルは、情報の一行に徹するのが正解です。
ここを混同して、タイトルに「仲間と共に、未来を創る。」のような情緒的な一言を置いてしまう求人をよく見かけます。詳細ページの中でなら効果的な言葉でも、一覧画面では「何の仕事か分からない一行」になってしまいます。結果として、スクロールの途中で素通りされてしまいます。タイトルは「気づかせる」、キャッチコピーは「動かす」。この役割分担で考えると、それぞれの書き方に迷いがなくなるはずです。
心に響く一言のほう(キャッチコピー)の作り方は、対になるこちらの記事で整理しています。
参考記事:『求人キャッチコピーの作り方|4ステップと、そのまま使える5つの型』
クリックされる求人タイトルの3要素
では、クリックされるタイトルには何を入れればいいのでしょうか。結論はシンプルで、次の3つの要素を入れるだけです。
- 検索される職種名:求職者が実際に検索窓に打ち込む言葉で書く
- 自分ごと化できる条件:勤務地・雇用形態・働き方など、「自分でも応募できるか」が一瞬で分かる情報
- 一目で伝わる具体的な強みを一つ:「残業月10時間以下」「未経験入社8割」など、数字で示せるものを一つだけ
例えば、このような形になります。
⭕ 例文:「ルート配送ドライバー(岐阜市/普通免許でOK・残業月10時間以下)」
ここで大切なポイントは、強みを一つに絞ることです。あれもこれもと情報を詰め込むと、一覧画面で途中で表示が切れてしまいます。さらに、どの情報も印象に残りません。求職者がタイトルを読む時間はほんの一瞬です。その一瞬で「職種・場所・自分に合うか」の3つが判定できる一行を作ります。これが、クリックされるタイルの基本型だというわけです。
職種名は「検索される言葉」で書く
3要素の中でも、閲覧数に一番効くのが職種名です。理由ははっきりしています。Indeedをはじめとする求人検索エンジンは、求職者が入力したキーワードに対して求人情報を表示する仕組みだからです(※1)。求職者が検索しない言葉で書かれたタイトルは、そもそも一覧に並ぶ機会自体を減らしてしまいます。
※1 参考:Indeed「Indeed求人掲載の仕組みを採用担当者向けに徹底解説」。Indeedは求職者が入力したキーワードに対して求人情報を表示する求人検索エンジンで、多くの求職者が検索しているキーワードを盛り込むことで表示回数やクリック率の増加が見込めるとしている。 https://jp.indeed.com/求人広告/c/info/how-indeed-works
やってしまいがちなのが、社内の呼び名や、格好をつけた職種名をそのまま使うことです。
- ❌「セールスコンサルタント」→ ⭕「法人営業」
- ❌「クリエイティブスタッフ」→ ⭕「Webデザイナー」
- ❌「フィールドエンジニア」→ ⭕「機械メンテナンススタッフ(出張修理)」
社内でどう呼んでいるかではなく、その仕事を探している人が何と打ち込むかで選びます。これが職種名を決める唯一の基準です。もし迷ったら、実際に求人サイトで検索してみてください。同業他社の求人がどの職種名で出てくるかを見比べます。求職者と同じ画面を見ることが、いちばん確実な調査になります。
また、呼び名が業界内で割れている職種もあります。その場合は、「施工管理(現場監督)」のように併記しておくのがおすすめです。こうすれば、どちらの言葉で検索した人にも引っかかります。
クリック率を下げるNG表記は、目立たせて逆効果
次に、閲覧数やクリック率をむしろ下げてしまうNG表記についてお伝えします。良かれと思ってやっているケースが多いので、自社の求人一覧を開きながら照らし合わせてみてください。
- 記号・装飾の乱用:「★☆【急募】!!」のような飾りはおすすめしません。目立つどころか、媒体によっては掲載基準に触れ、表示上不利になる場合があります。
- どの会社でも言える言葉だけ:「アットホームな職場」や「やりがいのある仕事」といった言葉だけのタイトルは避けてください。比較される一覧の中では、情報がゼロなのと同じです。
- 実態とずれた職種名:「軽作業」と書いてあるのに実際は営業同行させるなど、いわゆる釣りタイトルは逆効果です。開かれても応募には至りません。仮に応募されても、辞退や不信感だけが残ります。
- 年齢・性別を限定する表記:募集や採用において、年齢制限(※2)や性別を理由とした限定(※3)は原則として禁止されています。「20代限定」はもちろん、「主婦歓迎」も「主婦(夫)歓迎」と書くのが基本です。
※2 事業主は労働者の募集・採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない(労働施策総合推進法第9条)。定年年齢を上限とする場合など限られた例外事由がある。参考:ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/age_limit.html
※3 事業主は労働者の募集・採用について性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない(男女雇用機会均等法第5条)。参考:厚生労働省 都道府県労働局「性別による差別の禁止」 https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/_85811/rodojyoken_ruru/seibetu_sabetu_kinshi.html
これらのNG表記に共通していることがあります。タイトルだけで釣ろうとするほど、その後の歩留まりが悪くなるということです。タイトルはあくまで入口にすぎません。開いた先の本文や労働条件と一致していて、初めて応募につながります。クリック率と応募率は、正直さでしか両立しないと考えてください。
職種別の求人タイトル例文を改善前後で見る
最後に、ここまでの内容をBefore→Afterの形にした見本を置いておきます。テンプレートとしてそのまま使うのではなく、「何が直っているのか」を確認し、自社の言葉に置き換えてみてください。
- ❌「営業スタッフ大募集!やる気のある方歓迎★」
→ ⭕「ルート営業(大垣市/既存顧客中心・飛び込みなし/土日休み)」
- ❌「介護のお仕事!アットホームな施設です」
→ ⭕「介護スタッフ(岐阜市・デイサービス/夜勤なし・無資格OK)」
- ❌「製造オペレーター(当社規定による)」
→ ⭕「食品工場の製造スタッフ(各務原市/未経験入社8割・2交替)」
改善後のタイトルには共通点があります。まず、検索される職種名で始まっています。次に、勤務地と働き方を入れて、求職者が自分ごととして捉えられるようにしています。そして、数字や具体的な条件を一つだけ載せています。派手さはありませんが、一覧の中で「自分に関係がある」と気づいてもらうには、こうした地味な具体性が一番効きます。
私たちが求人票を添削する際、よく直すポイントは大きく3つに分かれます。多い順に、①社内用語のままの職種名 ②装飾ばかりで条件が入っていないタイトル ③逆に情報がなさすぎるタイトルの3つです。
①の例として、弊社の支援先である岐阜市の農業資材・農業ハウス施工会社のケースをお話しします。この会社は、「イチゴプロジェクト専任スタッフ」という社内だけで通じる呼び名で募集していました。これでは検索にまったく乗りません。実際に、累計6〜7件あった応募はすべて対象外や辞退、不採用に終わっていました。そこで、既存の求人は残したまま、「農業ハウス施工&設備技術者」など検索される職種名の求人3本を別枠で追加しました。すると、1本にまとめていたときは応募の動きが偏っていたのに対し、分けて追加した3本それぞれから応募が入るようになりました。
③の例は、岐阜県にある電気工事会社のケースです。タイトルが「中途社員|電気工事士」の一行だけになっていました。しかし、競合他社10社と条件を比べたところ、この会社の未経験向け月給下限は地域でも上位に入っていました。そこで、「電気工事士見習い/未経験スタート月給28万円〜|資格取得費用全額補助/50%が未経験入社」という形に改めました。勝っている条件を数字でタイトルに出す設計へと変えたのです。タイトルを書き直したところ、支援を始めてから初めての応募が入り、面接まで進みました。
求人タイトルに関するよくある質問
Q1. 求人タイトルは何文字くらいが適切ですか
媒体によって一覧での表示幅が違うため、一概には言えません。ただ、スマートフォンでは前半の15〜20文字程度しか目に入らない前提で考えてください。そのため、職種名と核になる条件を前半に寄せるのが基本です。後半が切れても意味が通じるかどうかを、実際にスマートフォンの画面で確かめてみてください。
Q2. タイトルに会社名は入れるべきですか
多くの求人媒体では、会社名が別枠で表示されます。そのため、タイトルの中に重ねて入れる必要はありません。会社名を入れる分の文字数は、職種名や具体的な条件に使ったほうが、クリックにつながりやすくなります。
Q3. 複数職種を1つの求人・同じタイトルでまとめてもいいですか
おすすめしません。検索キーワードとの一致が弱まるため、一覧に表示されにくくなります。さらに、求人を開いた人も「自分の希望する職種の話がどこに書いてあるか」を探さなければならなくなります。職種ごとに求人を分け、それぞれ検索される職種名でタイトルを立てるのが原則です。
Q4. タイトルを変えるだけで応募は増えますか
タイトルを変えて変化するのは、まず閲覧数、つまり入口の数です。応募まで進むかどうかは、開いた先の本文や給与などの労働条件、キャッチコピーとの総合点で決まります。順番としては、まずタイトルで入口を広げ、次に本文で選ばれる理由を伝えます。この両方がそろって初めて応募が集まると考えてください。
タイトルは「読まれる順番」のいちばん手前にある
求人タイトルの付け方について、役割や3つの要素、職種名の選び方、NG表記、そして例文の順にお伝えしてきました。タイトルは求人票の中で最も短い一行ですが、求職者が読む順番としては一番手前にあります。ここが仕事をしていないと、その先に積んだ工夫がすべて空振りになるのです。だからこそ、直す順番としてもタイトルが先になります。
そして、仕事内容や労働条件まで整えて、初めて「開かれて、応募される」求人になります。求人票全体の書き方については、別の記事で一通り整理しています。
参考記事:『【保存版】求人票の書き方は?テンプレ代わりに使える3つの型と具体例を解説』
今日からすぐにできることがあります。それは、自社の今の求人タイトルを、同じ職種で募集している他社のタイトルと10件並べて見比べてみることです。並べたときに、自社だけが持っている魅力的な一言が見つからなければ、そこが直すべきポイントになります。
もし、「タイトルも本文も直してみたけれど、手応えがない」と感じる段階でも大丈夫です。そうした場合は、求人の閲覧から応募に至るまでの流れを、一度根本から棚卸しするところからご一緒します。まずは、御社の現在の求人票を見せていただくところからで構いません。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。