【中小企業】会社説明会のやり方|中小企業の集客・構成・当日運営の手順
「会社説明会をやってみたいけれど、何から準備すればいいのか分からない」——採用に本腰を入れ始めた中小企業から、よく聞く声です。自社で開くとなると、人が集まるのか、当日何を話せばいいのか、想像がつかない。そんな足踏みをしている会社は多いと思います。
先にお伝えすると、会社説明会そのものは、凝った演出がなくても成立します。本当の難所は当日ではなく、その手前の「集客」です。ここを飛ばして当日の準備から入ると、立派な資料だけが残って参加者がいない、ということになりがちです。
この記事では、会社説明会のやり方を「役割の整理 → 準備の手順 → 集客 → 当日の構成 → 失敗パターン」の順で、運営の実務に絞って解説します。
会社説明会の役割|「見極める場」ではなく「選ばれる場」
会社説明会は、求職者に会社を理解してもらい、志望度を上げてもらうための場です。見極めは選考に任せて、説明会では「伝えて、選んでもらう」ことに徹する。この割り切りが、中小企業の説明会をいちばんシンプルにしてくれます。知名度で大手に届かない会社ほど、直接伝えられるこの機会の価値は大きいのが実情です。
合同説明会と単独説明会の使い分け
説明会には、大きく2つの形があります。
- 合同説明会:主催イベントに出展し、自社を知らない求職者と出会う場。役割は「認知」
- 単独説明会(自社開催):自社に興味を持った人に深く伝える場。役割は「志望度の醸成」
費用の考え方も対照的で、合同説明会は出展料がかかる代わりに集客を主催者が担ってくれます。単独説明会は会場費程度から始められる代わりに、集客を自社で背負うことになります。「出会い」が足りないのか「口説き」が足りないのかで選ぶものです。この記事で扱うのは、後者の単独説明会の運営です。
オンライン説明会という選択肢
もう一つ、形式の選択肢としてオンライン説明会があります。ツールは一般的なウェブ会議ツール(Zoom等)で始められ、会場費もかかりません。
地方の中小企業にとっての利点は、移動の壁を消せることです。遠方の学生やUIターン希望者にとって、説明会のためだけに現地へ行く負担は大きく、対面のみでは最初の接点ごと失われがちです。一方で、職場の空気は画面越しでは伝わりきりません。「一次はオンラインで間口を広げ、二次は対面で職場を見せる」という併用が、現実的な落としどころだと思います。
会社説明会の始め方|開催までの準備手順5つ
準備は、次の5つを順番に決めていけば形になります。思いつきで資料から作り始めないことが、遠回りに見えて近道です。
- 目的とターゲットを決める:誰に、何を持ち帰ってほしいかを先に言葉にする
- 日程と形式を決める:対面かオンラインか併用か。学生向けなら学業と重ならない時間帯に
- プログラムと資料をつくる:後述の「当日の構成」の型に沿って組む
- 集客する:最大の山場。次の章で詳しく扱います
- リハーサルをする:時間配分と機材の確認。オンラインなら接続テストまで
大事なのは1番です。「若手を採りたいのか、経験者を採りたいのか」で、見せる仕事も話す社員も変わってくるというわけです。
会社説明会の集客|「開けば来る」は起きない
集客の結論は単純で、参加者数は告知の露出量でほぼ決まります。複数の経路で告知を重ね、申し込みの受け口を一本化する。これが基本形です。告知経路は、思っているより多くあります。
- 求人媒体・ハローワークの求人票(説明会開催の旨と申込方法を明記する)
- 自社の採用サイト・SNS
- 学校のキャリアセンター・先生への案内(新卒・高卒の場合)
- 社員の紹介・取引先経由の声かけ
なかでも受け皿として整えておきたいのが、採用サイトの説明会情報ページです。どの経路から知った人も、申し込む前に採用サイトを見に来ます。そこに日程・場所・持ち物・申込フォームがまとまっているかどうかで、申し込みの歩留まりが変わります。見せ方はこちらで詳しく整理しています。
参考記事:『【保存版】採用サイトの説明会情報は何を載せる?参加者が増える導線』
もう一つ、申し込みで終わらせないことも集客のうちです。申し込みから当日までに間が空くと無断欠席が一定数出るので、前日にメールで一本リマインドを入れておきます。
この告知の露出づくりは、説明会に限らず採用活動全体の土台(母集団形成)と同じ構造です。「そもそも自社が求職者の目に触れていない」と感じる場合は、説明会の準備より先に露出の設計から手を入れる必要があります。
当日の構成|90分の型と資料・質疑応答・アンケート
当日の構成は、「会社紹介 → 仕事内容 → 社員の話 → 質疑応答 → 選考案内・アンケート」の並びが基本形です。持ち時間の半分以上を「仕事と人」に使う。ここだけ守れば、大きく外しません。
90分開催なら、たとえばこんな配分です。
- オープニング・会社紹介(15分):事業の全体像と「何のためにやっている会社か」
- 仕事内容の紹介(20分):1日の流れ・現場写真を使って具体的に
- 社員の話(20分):入社数年目の社員が「入る前の不安と入った後の実際」を話す
- 質疑応答(20分)
- 選考の案内・アンケート(15分)
資料づくりのポイントは、会社概要の読み上げにしないことです。沿革や資本金はサイトを見れば分かります。参加者が知りたいのは「自分がここで働く姿」なので、スライドは文字を減らし、現場の写真と具体的な数字を主役にします。
質疑応答は、「質問が出ない」前提で設計しておきます。申込フォームに事前質問欄を設ける、司会が最初の1問を代わりに投げる、といった呼び水を用意しておくと場が動きます。
アンケートは満足度で終わらせず、「どこで説明会を知ったか」(次回の集客改善)、「不安が残った点」(個別フォローの材料)、「選考に進む意向」(後追い連絡の優先順位づけ)の3点を聞いてください。これが揃うと、説明会が一回きりのイベントではなく、改善できる仕組みになります。
説明会でやりがちな失敗3つ
最後に、運営の型よりも結果を左右しやすい、ありがちな失敗を挙げておきます。
- 会社概要の朗読で終わる…パンフレットと同じ内容を聞かされた参加者の志望度は上がりません
- 良い話だけで固める…実態とかけ離れた説明は、入社後のギャップとなって早期離職に跳ね返ります。大変な部分も正直に話すほうが信頼されます
- 開催して満足し、フォローをしない…お礼連絡と次選考の案内が遅れるほど参加者の熱は冷めます。当日夕方〜翌日までの連絡が目安です
補足|呼び水質問は「答えやすさ」で選ぶ
呼び水質問には向き不向きがあります。司会が最初に投げるなら、「入社前と入社後で、いちばんイメージが違ったことは何ですか」「正直、大変なのはどんなときですか」のように、登壇した社員が答えやすく、かつ本音の匂いがする質問が適しています。逆に「会社の強みは何ですか」のような、公式回答しか返らない質問は場を余計に硬くします。
参加者が本当に聞きたいのは、待遇や残業のような「自分からは聞きにくいこと」です。申込フォームの事前質問欄に集まった質問を、司会が匿名で代読する形にすると、質疑応答は一気に動き出します。呼び水は1問で足りることが多く、最初の質問で「この場では何を聞いてもいい」という空気を作れるかどうかが、質疑応答の設計のほぼすべてだと考えています。
会社説明会のやり方でよくある質問
Q1: 1. 参加者が数人でも開催する意味はありますか
あります。少人数の説明会は一人ひとりと対話でき、志望度を上げる効果はむしろ高くなります。少人数でも回を重ねて、運営の型を磨くほうが得策です。
Q2: 2. オンラインと対面はどちらがいいですか
間口を広げたいならオンライン、職場の空気まで伝えたいなら対面です。迷うなら「一次オンライン・二次対面」の併用から始めてみてください。
Q3. 社長が話すべきですか?経営者が直接語れることは、中小企業ならではの武器です。ただし社長の話だけで終えず、参加者と年齢の近い社員の話とセットにすると、「経営の考え」と「働く実感」の両方が伝わります。
Q3: 4. アンケートでは何を聞けばいいですか
「知った経路」「不安が残った点」「選考に進む意向」の3点です。満足度の点数だけでは、次の打ち手につながりません。
説明会は「採用活動の流れ」に置いて初めて効く
説明会は、採用活動という一本の流れの中間にあるイベントです。手前に「知ってもらう露出」がなければ参加者は集まらず、後ろの「選考とフォロー」が遅ければ、せっかく上がった志望度も冷めてしまいます。採用活動の全体像は、こちらの記事で地図として整理しています。
弊社では、説明会の企画・構成だけを切り出すのではなく、その手前の告知・母集団形成から参加後のフォローまでを、採用活動全体として支援しています。全部をお任せいただく必要はありません。「集客だけ手伝ってほしい」という部分的な相談でも大丈夫です。まずは御社の採用フェーズと詰まりどころをうかがったうえで、必要な範囲をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。