【保存版】内定承諾率を上げるには|オファー面談とクロージングの設計

「内定を出したのに、承諾してもらえない」——応募を集め、面接を重ねてたどり着いた内定が、最後の一歩で断られる。採用のステップの中で、いちばんこたえる落ち方ですよね。

専門家としてお伝えしたいのは、内定辞退の多くは、給与や休日といった条件そのものの負けで起きているわけではないということです。候補者が意思決定に踏み切るための「決め手」を、企業側が渡せていないことで起きています。内定承諾は、求職者にとって人生を左右する大きな意思決定です。そこに企業側から伴走する打ち手が、オファー面談とクロージングです。

この記事では、内定承諾率の計算方法から、内定辞退の理由に共通する構造、内定通知を「対話」に変えるオファー面談のやり方、そして選考中から始めるクロージングの設計と承諾後の辞退防止までを順にお伝えします。

この記事でわかること

  • 内定承諾率の計算方法と、平均との付き合い方
  • 内定辞退の理由に共通する構造
  • 内定通知を「対話」に変えるオファー面談のやり方
  • 選考中から始めるクロージングの設計と、承諾後の辞退防止

内定承諾率の計算と平均の見方

内定承諾率とは、出した内定のうち承諾に至った割合のことで、内定承諾数 ÷ 内定数で計算します。たとえば、10名に内定を出して6名が承諾すれば、承諾率は60%です。これは応募から面接、内定、承諾、入社と続く採用ステップの終盤に位置する数字です。採用活動の改善においては、「最後の関門の通過率」にあたると考えてください。

よく「承諾率の平均はどれくらいですか」と聞かれるのですが、平均値は調査によって幅があり、新卒か中途か、あるいは業種や地域、企業規模でも大きく変わります。参考までに新卒のデータを見ると、学生側から見た「就職内定辞退率」が卒業時点で63.8%にのぼるという調査があります(※1)。つまり、学生が複数の内定から1社を選ぶのが当たり前になっているということです。

一方で、中途採用の承諾率については、条件のそろった公開データがほとんどありません。そのため、他社の平均と比べて一喜一憂するより、自社の承諾率を記録して推移を見るほうが、実務でははるかに役に立ちます。自社の過去の数字と比べることで、改善の成果がはっきりと見えてくるからです。※1 引用:リクルート 就職みらい研究所「就職プロセス調査(2025年卒)2025年3月度(卒業時点)内定状況」(2025年卒の大学生744名・大学院生285名が回答、2025年3月公表)。 https://shushokumirai.recruit.co.jp/research_article/20250325001/

このように承諾率が測れていれば、ファネルのどこで落ちているかが特定でき、打ち手を選べるようになります。全体の流れの中で、どこを改善すべきかが見えてくるはずです。

ファネル全体のどこで数字が落ちているかの見方は、こちらの記事で整理しています。

参考記事:『【目安つき】採用歩留まりの計算と改善|5つの選考段階で詰まりを特定する

内定辞退は「条件で負けた」より「決め手がなかった」

承諾率を上げる方法に入る前に、辞退理由の構造を押さえておきます。辞退の連絡を受けたとき、求職者から語られるのは「他社に決めました」「家族と相談した結果です」といった表向きの言葉です。しかし、その裏側にある本当の構造は、おおむね次の4つに整理できます。

  • 比較の中で決め手がない:いまの求職者は複数社を同時に受けるのが当たり前です。条件が拮抗したとき、最後のひと押しになる「この会社を選ぶ理由」が渡せていない状態です。
  • 志望度が固まる前に内定が出ている:選考が企業側の「見極め」に偏り、求職者の志望度を高める働きかけがないまま、内定だけが先に届いてしまっています。
  • 不安が解消されないまま期限が来る:仕事内容や職場の実像、あるいは家族への説明材料など、求職者の中に迷いの種が残ったまま回答期限を迎えています。
  • 連絡の空白で熱が冷める:選考中や内定後の連絡が間延びし、そのあいだに他社の選考体験が自社を上回っていくケースです。

見てのとおり、どれも「給与をいくら上げるか」の話ではなく、意思決定の支え方の問題です。だからこそ、条件だけで勝ちきれない地方の中小企業でも、選考の設計しだいで承諾率は確実に動かせるというわけです。

承諾率を上げる方法①はオファー面談を「対話」にする

承諾率にいちばん直接効くのが、オファー面談です。オファー面談とは、内定の連絡を電話やメールの「通知」だけで終わらせず、条件の説明や評価の言語化、不安の解消を行う面談の場として設計することを指します。単に合否を伝える事務連絡と、入社の意思決定を支えるための対話とでは、候補者に残る印象がまるで違います。

オファー面談でやることは、大きく分けて次の4つです。

  1. 労働条件を書面と口頭の両方で丁寧に説明する:給与の内訳、勤務地、働き方などを伝えます。「聞いていた話と違う」というトラブルの芽をここでしっかりと摘んでおきます。
  2. 「なぜあなたを採りたいのか」を評価基準に沿って言語化する:面接のどこを評価し、入社後に何を任せたいのかを伝えます。選ばれた理由が具体的なほど、候補者の中で入社後の姿がはっきりと像を結びます。
  3. 懸念を企業側から聞き出す:「何か質問はありますか」と聞くのではなく、「迷っている点や不安な点を率直に聞かせてください」と、企業側から積極的に水を向けます。
  4. 家族に説明できる材料を渡す:転職や就職の判断に家族が関わることは珍しくありません。事業の安定性や働き方を、候補者が家族に説明できる形で渡しておきます。

進行の型も置いておきます。たとえば60分で組むなら、次のような配分になります(架空の例です)。

0〜10分|評価の言語化。「面接のどこを評価したか」「入社後に何を任せたいか」を、配属先の上長から具体的に伝えます。

10〜30分|労働条件の説明。書面を見ながら、給与の内訳・勤務地・繁忙期の働き方まで口頭で補います。

30〜50分|懸念のヒアリング。「迷っている点を率直に聞かせてください」から始め、出てきた点にはその場で答えるか、いつまでに回答するかを約束します。

50〜60分|今後の流れ。回答期限、期限までに追加で見せられるもの(職場見学や社員との面談など)を提示して終わります。

時間配分よりも大事なのは、話す順番です。条件の説明から入ると、そのまま条件交渉の場になります。そうならないよう、先に評価を伝えてください。同じ条件を提示しても、先に評価を伝えておくことで候補者の受け取り方が大きく変わります。

もう一つ効果的なのが、誰が面談に出るかです。人事担当者だけでなく、配属先の上長や経営層が同席して「あなたに来てほしい」と直接伝えると、言葉の重みが変わります。中小企業は社長との距離の近さが武器になるので、ここは大手に勝てるポイントになります。

承諾率を上げる方法②はクロージングを選考中に始める

オファー面談が「最後の一手」だとすると、クロージングは選考全体の設計の話になります。承諾の意思決定は内定通知の瞬間に下されるわけではありません。応募から内定までの選考体験の積み重ねによって、ほとんど決まっています。ここで押さえるべきは次の3点です。

  • 志望度と他社状況を選考中から把握する:面接を企業側の見極めの場に限定せず、候補者の志望度がいまどの位置にあるか、他にどんな会社を受けているかを把握し続けます。志望度が低いと分かれば、内定を出す前に職場見学や現場社員との面談を挟むなど、志望度を高める工程を足せます。
  • 面接に「見極め」と「口説き」の両方の役割を持たせる:評価基準に沿って見極めると同時に、候補者側の「この会社で働きたいか」という評価にも応えます。面接は相互評価の場だという前提に立つことが大切です。
  • 選考スピードと連絡の設計:応募や面接後の連絡メールは速く返し、日程調整は間延びさせず、内定までの日数を競合より短くします。連絡の速さは、それ自体が「あなたを大事にしている」というメッセージになります。

ちなみに弊社では、支援先の書類選考から一次面談までを代行しているので、辞退がどの段階で、どんな言葉とともに起きるかを応募者側から見てきました。承諾までを設計するクロージングの考え方は、その現場での実感から来ています。

その経験から、承諾率を上げるためにとくに効いていると考えているのは、次の3つです。

内定を出した後の連絡をこまめにする。 内定通知が最後の接点になってしまうと、候補者の中で会社の存在が薄れていきます。定期的に連絡を取り、関係を保ちます。

社内イベントに招く(参加は自由に)。 入社前に社内の雰囲気を知り、メンバーと顔見知りになっておくと、入社後に働き始める心理的なハードルが下がります。ただし、参加を強制にしないことが前提です。

若年層なら、内定者インターンを検討する。 内定を出した段階で実際に稼働してもらう形です。早い段階で関係ができるので、他社と迷っている状態から抜け出しやすくなります。

承諾後から入社日までの空白を設計して辞退を防ぐ

承諾率を上げても、それで終わりではありません。内定辞退は、承諾の前だけでなく、承諾後から入社日までの期間にも起きます。承諾をもらって企業側が安心し、連絡が途絶えてしまうことがあります。その空白のあいだに、候補者の気持ちが他社や現状維持に傾いていくのです。辞退防止を考えるなら、この期間まで含めてしっかりと設計する必要があります。

考え方はシンプルで、承諾後も定期的な接点を切らさないことです。単なる事務連絡だけで終わらせず、入社前の顔合わせや職場との接点をつくり、「あなたの入社を待っている」という状態を保ちます。

この入社日までのフォローの実務(連絡の頻度、時系列でやること、やりがちな落とし穴)は、対になるこちらの記事で詳しく整理しています。

参考記事:『【辞退を防ぐ】内定者フォローのやり方|入社日までの3区切りと連絡設計

なお、ここまでの選考スピード・面談・フォローの設計を、兼務体制の中で自社だけで回しきるのが難しい場合は、選考の前半を外部と一緒に回す選択肢もあります。何をどこまで任せられるかは、こちらの記事をどうぞ。

参考記事:『【基礎から解説】採用代行(RPO)とは?任せられる業務と、選び方5つの基準

内定承諾率に関するよくある質問

Q1. 承諾の回答期限は、どれくらいに設定すべきですか

1〜2週間を目安にしつつ、一方的に短くしないことが大切です。期限を切り詰めて迫るより、期限内に不安を解消する場(オファー面談や職場見学)を用意するほうが、結果的に承諾率は上がります。「期限で追い込む」のではなく「期限までに決められる状態をつくる」と考えてください。

Q2. オファー面談には誰が出るべきですか

基本は人事担当に加えて、配属先の上長です。候補者が入社後に一緒に働く相手から直接期待を伝えられると、意思決定の材料が具体的になります。決め手を渡したい場面では経営層の同席も効果的です。

Q3. 内定承諾書をもらえば、辞退は防げますか

承諾書を交わしても、承諾後の辞退は起こり得ます。効力の有無は個別の事情によるため一般化できませんが、実務上は「書面を交わしたから安心」とは考えないほうが確実です。判断に迷うケースは、弁護士や社会保険労務士に確認してみてください。だからこそ、書面で縛るのではなく、承諾後から入社日までのフォローで気持ちの側をつなぎ続けることが、実務上の辞退防止策になります。

Q4. 辞退されたとき、理由を聞いてもいいですか

構いません。ただし引き止めの場にせず、「今後の採用活動の参考にしたい」と目的を伝えたうえで、短く率直に聞くのがマナーです。本音が聞けるとは限りませんが、辞退理由の傾向は、選考スピードやオファー面談の改善材料としてそのまま使えます。

承諾率は「最後のお願い」ではなく、設計で上がる

内定承諾率の計算から、辞退理由の構造、オファー面談とクロージングの設計、承諾後の辞退防止までを見てきました。通して言えるのは、承諾率は内定を出した後に慌てて上げるものではなく、選考の入口から入社日までの一本の流れの中で設計するものだということです。

今日できるのは、直近1年の内定者数と承諾数を数えることです。承諾率が数字で出れば、どこを何ポイント上げたいのかが具体になり、どの工程を見直すべきかが見えてきます。

そしてこの流れは、母集団形成で応募を集めるところから始まっています。そもそも応募の母数が少なければ、辞退一件の重みが増し、承諾を「お願い」せざるを得ない構図になります。応募を集める力と、承諾までつなぎ切る設計は両輪です。「内定までは出せるのに、最後で落ちる」という段階でも、現状のファネルを一緒に棚卸しするところからご一緒します。全部をお任せいただく必要はありません。オファー面談の設計だけ、選考スピードの見直しだけ、といった入り方でも大丈夫です。

採用活動の代行(リープ・リクルーティング)はこちら

この記事を書いた人
【保存版】内定承諾率を上げるには|オファー面談とクロージングの設計 | 選考と定着
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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