無料で使える求人媒体はこんなにある|地方中小企業の露出の増やし方
求人広告にお金をかけているのに、応募が来ない。掲載料を払って枠を買い、期間が終わればまた更新する。それを何度か繰り返して、費用だけが積み上がっていく……。地方で採用のご相談をいただくとき、いちばん多く聞く話です。
実は、無料で求人を出せる場所は思っているよりずっと多くあります。この記事では、まず押さえたい無料媒体を具体名で並べ、有料枠との使い分けと出し切る順番まで整理していきます。
この記事でわかること
- 無料で求人を掲載できる主な媒体と、それぞれの性格
- 無料媒体と有料の求人広告の役割分担(どちらか一方ではない)
- 有料枠を増やす前に、無料枠を出し切ったほうがよい理由
- 無料媒体を「出しただけ」で終わらせないための運用のコツ
- 無料掲載でよくあるトラブルと、その避け方
無料で使える求人媒体は多いのに、使われていない
ハローワークだけが無料の選択肢ではありません。求人検索エンジンや無料の採用管理サービスまで含めると、費用をかけずに求人を掲載できる場所は複数あり、しかもそれぞれ求職者の入口が違います。ここを押さえておくだけで、同じ予算のまま露出の面積を広げられます。
にもかかわらず、無料枠を埋め切っている会社はほとんど見かけません。理由は2つあります。
理由①:無料の媒体は、営業をかけてこない
有料の求人媒体には営業担当がいて、掲載の提案が向こうからやってきます。一方、無料で出せるサービスは、自分で調べて、自分で登録しない限り出会いません。提案が来ないものは、そもそも検討の土俵に上がらないということです。
理由②:兼務の担当者に、調べる時間がない
弊社が支援してきた地方の中小企業では、採用担当者の約9割が本業との兼務でした。日々の業務の合間に、新しい媒体を調べて登録し、原稿を用意する時間はなかなか取れません。つまり「知らないから使っていない」のではなく、「調べる時間がないから、来た提案の中から選んでいる」というのが実際のところです。
地方の中小企業がまず押さえたい無料の求人媒体
求職者の動きから見ると、どこに出すべきかの答えははっきりしています。地域名と「求人」「採用」を組み合わせて検索したとき、結果の上位に並ぶのは、多くの場合こうした求人検索エンジンやポータルです。個別企業のホームページが直接出てくるケースは、あまり多くありません。求職者が実際に見ている場所に自社の求人を置くことが先で、自社サイトだけで待っていても出会いは生まれにくい、ということです。
ここからは具体名で見ていきます。それぞれ性格が違うので、まとめて出すのではなく、自社の職種と相性のいいものから埋めていくのが現実的です。
無料で求人を出せる主な5つのサービス
- 01. ハローワーク:公共職業安定所の求人。掲載費用はかからず、地域の求職者と接点を持てます。求職者側も生活圏で探すため、通勤圏の候補と出会いやすい入口です
- 02. Indeed:求人に特化した検索エンジン。無料掲載の枠があり、職種別・地域別にページが分かれているため、地域名と職種で探す求職者に届きやすい設計になっています
- 03. 求人ボックス:同じく求人検索エンジン。無料掲載枠があり、Indeedとは利用者層が重なりきらないため、両方に出す価値があります
- 04. engage(エンゲージ):無料で採用ページをつくり、求人を公開できるサービス。作った求人ページが複数の求人検索エンジンに連携される点が特徴です
- 05. Airワーク 採用管理:こちらも無料で採用ページと求人を作成・公開できるサービス。応募者管理まで一つの画面で扱えます
なお、ここに挙げた無料枠の範囲(掲載できる件数・期間、有料オプションとの線引き)は、各サービスの仕様変更で変わることがあります。本記事は2026年7月時点の各社公式情報にもとづいています。Indeedは求人掲載自体が無料で、露出を増やす有料のスポンサー求人はクリック課金型です(※1)。求人ボックスも直接投稿による掲載は無料で、有料オプションはクリック課金型(※2)。Airワーク 採用管理も、採用ページ作成から応募者管理まで無料で使えます(※3)。最新の仕様は、各社公式ページで確認したうえでご判断ください。
<small>※1 引用:Indeed「料金プラン」(2026年7月28日確認)。 https://jp.indeed.com/hire/pricing </small>
<small>※2 引用:求人ボックス 法人向けヘルプ「有料オプションの料金体系(採用ボード)」(2026年7月28日確認)。 https://help-b.求人ボックス.com/ </small>
<small>※3 引用:リクルート「Airワーク 採用管理」公式サイト(2026年7月28日確認)。 https://airregi.jp/work/recruitment/ </small>
まずは上の5つを押さえ、業種に合うものがあれば足していく順番で構いません。このほか、地域や業種に特化した無料の求人サービス(Q-JiN・げんきワークなど)もあります。
Googleしごと検索は「拾われる先」
媒体そのものではありませんが、あわせて押さえておきたいのがGoogleしごと検索(Google for Jobs)です。これはGoogleの検索結果に求人情報がまとまって表示される仕組みで、掲載枠を買うものではありません。上記の媒体や自社サイトに出した求人が、条件を満たすとここに拾われます。「掲載する場所」ではなく「拾われる先」と捉えると分かりやすくなります。
やることが増えるわけではありません。先ほどの5つに求人を正しく出しておけば、その多くはここに乗ってきます。新しい取り組みを足すというより、いま出している求人を拾われる形に整える、という順番です。
無料媒体は土台、有料の求人広告は勝負どころで足す
「では有料の求人広告はやめていいのか」と聞かれることがありますが、そういう話ではありません。両者は役割が違います。
無料媒体は、費用をかけずに露出を続けられる
無料媒体の強みは、続けられることです。掲載を止めない限り露出が残り、費用が増えないので、常に求人を出しっぱなしにしておけます。地方の中小企業では、社員がいつ辞めるか分からないという現実があります。常に募集を出し続けられる状態そのものが、機会損失を防ぐ守りになります。
有料の求人広告は、短期間に露出を集められる
明確な締め切りがあるときは、無料媒体の積み上げだけでは間に合いません。そこを一気に埋められるのが有料枠です。
ただし、性質上の弱点もあります。有料枠は掛け捨ての保険に近く、出稿を止めた瞬間に露出はゼロに戻ります。お金をかけ続けないと露出を保てない、つまり資産性がありません。
土台は無料媒体で常時つくり、勝負どころで有料を足す。限られた予算で採用を回す地方企業には、この順番が現実的だと考えています。
有料枠を増やす前に、無料枠を出し切る
有料媒体そのものを否定するつもりはありません。ただ、この順番を逆にしている会社が多い、というのが弊社の立場です。
有料枠は、払っている間だけ効く
有料枠に出稿すると、掲載している間は応募が動きます。だから「効いている」と感じます。ところが掲載が終われば止まる。翌年また同じ費用が必要になります。払っている間だけ動く仕組みに、毎年お金を入れ続けている状態です。
無料枠が埋まらないのは、費用ではなく手間の問題
一方で、無料媒体を出し切る作業には費用がかかりません。かかるのは手間だけです。にもかかわらず着手されないのは、前述のとおり、兼務の担当者にその時間が無いからです。実際、支援を始める時点の掲載状況を調べると、無料で使える媒体をすべて埋められていた会社はありませんでした(※4)。
費用ではなく手間がボトルネックになっている状態で、費用を払って解決しようとしている。 ここがずれています。
<small>※4 弊社(地方採用ワークス)の採用活動の代行(リープ・リクルーティング)における、支援開始時点の掲載状況調査(13社)。無料で使える6媒体(ハローワーク・engage・Airワーク・求人ボックス・Q-JiN・げんきワーク)をすべて活用できていた会社は0社。</small>
有料枠は「足りない分を買い足す道具」
順番としてはこうです。まず無料媒体を出し切り、求人票の中身を競合と比べて整える。そのうえで、それでも母数が足りない職種にだけ有料枠を使う。有料枠は「露出をゼロから作るもの」ではなく、「出し切ったうえで足りない分を買い足すもの」だとお考えください。
無料枠だけでも母数は作れます。弊社が支援している岐阜県の運送会社(ドライバー職)では、ハローワーク・engage・Airワーク・求人ボックスなどの無料媒体だけに求人を出し続け、1年あまりで一次選考まで進む応募を積み上げ、内定にも至っています(※5)。
この順番を守ると、有料枠に払う金額も自然に下がります。無料で拾える応募まで有料で買っていた分が消えるからです。
<small>※5 弊社(地方採用ワークス)の採用活動の代行(リープ・リクルーティング)支援先の実績。岐阜県の運送会社で、ハローワーク・Airワーク・engage・求人ボックスを含む無料媒体7つに求人12本を掲載。2025年6月〜2026年6月の13ヶ月間で応募116件、うち一次選考49件・内定6件。</small>
無料媒体を「出しただけ」で終わらせない3つのコツ
無料媒体は登録すれば掲載できますが、出しただけでは効果が出にくいのも事実です。求人票を出すだけなら、極端な話、誰にでもできてしまいます。差がつくのはその先です。
媒体によって、来る応募の質も違います。弊社の支援実績を経路別に見ると、ハローワーク経由は選考対象外の応募が少なく、面接段階への到達率も最も安定していました。一方でengage・Airワーク経由は、応募数こそ多いものの、選考対象外の割合が目立ちます(※6)。数を出しつつ、どこから来た応募がどう進むかを分けて見る必要があります。
<small>※6 弊社(地方採用ワークス)の採用活動の代行(リープ・リクルーティング)における支援先37社・応募1,196件(2024年6月〜2026年7月)の集計。ハローワーク経由は非選考対象8%・面接段階到達47%・入社決定率10.6%。engage経由は約31%、Airワーク経由は約33%が非選考対象。</small>
01. コツ①:原稿を使い回さず、媒体ごとに整える
同じ原稿をそのまま全媒体に貼り付けるのは、もっとも起きやすい取りこぼしです。媒体によって、よく読まれる項目も、検索で引っかかる言葉も違います。職種名の書き方ひとつで、検索結果に出るかどうかが変わることもあります。求職者が使いそうな言葉で職種を書けているか。ここは媒体ごとに見直す価値があります。
02. コツ②:条件が変わったら、全媒体を更新する
複数の媒体に出すと、決まって出てくるのが更新漏れです。給与や勤務時間を変えたのに、片方の媒体だけ古い条件のまま残っている。求職者から見れば、これは「情報が管理されていない会社」に映ります。掲載先を一覧にして、どこに何を出しているかを常に把握しておく。地味ですが、複数媒体を使うなら避けて通れない作業です。
03. コツ③:同じ商圏の競合の出し方を見る
無料媒体に出す利点のひとつは、競合も同じ場所に出していることです。つまり、求職者が見ている画面をそのまま自分でも見られます。近隣の同業他社が、給与・休日・働き方をどう打ち出しているのか。それを知らずに求人を出すのは、相手の手札を見ずに勝負を挑むようなものです。
求職者にとって転職や就職は人生の一大イベントなので、慎重に比較されます。弊社の支援経験では、地方で通勤できる範囲はおおむね片道1時間/25〜30km圏内に限られ、その圏内の企業同士で比べられます。無料媒体は、同じ商圏で自社がどう見えているかを確かめる場としても使えます。
露出を増やすほど、受け皿の中身が問われる
露出を増やすと、求職者はその後で会社を調べに来ます。求人を見つけたら社名で検索し、サイトを見て決める。この流れはほぼ例外がありません。つまり、無料媒体で入口を広げるほど、受け皿の中身が問われるということです。募集要項だけが並んでいる状態では、「どんな仕事で」「どんな人と働き」「入社後にどうなるのか」が伝わりません。人生を左右する決断を、薄い情報だけで下す人はほとんどいません。
参考記事:『【地方企業】採用手法は何から始める?無料で土台を作る3つの枠と選ぶ順番』
なお、検索から見つけてもらう話にも優先順位があります。先に手を付けたいのは、検索エンジン型の求人ポータルに拾われる形を整えることです。検索エンジン向けのSEOは、難易度のわりに検索されている数が少なく、集客の軸には置きにくい領域です。
参考記事:『【優先度つき】採用サイトのSEO対策は有効?後回しにすべき3つの理由と効く場面』
「無料の求人掲載」に関するよくある質問
Q1. 無料の求人媒体だけで、応募は集まりますか
職種と地域によります。未経験可の職種であれば、無料媒体の積み上げだけで母数が動くケースもあります。一方で、有資格者や専門職は、無料媒体だけでは出会えないこともあります。まずは無料枠を埋め切ってから、足りない分を有料や人材紹介で補う、という順番がおすすめです。
Q2. 掲載したのに、検索しても自社の求人が出てきません
多いのは、掲載直後で反映が済んでいないケースと、職種名が求職者の検索語と噛み合っていないケースです。社内でしか使っていない役職名や独自の職種名で登録していると、探しようがない状態になります。求職者が使う一般的な職種名で書き直してみてください。
Q3. 無料で登録したら、営業の電話が増えませんか
無料の掲載サービスに登録すると、有料プランやオプションの案内が来ることはあります。これ自体は避けにくいところですが、掲載前に「どの範囲まで無料か」を各社の公式情報で確認しておくと、後から想定外の費用が発生する事態は防げます。
Q4. 複数の媒体に出すと、同じ人から重複して応募が来ませんか
起こり得ます。ただ、それ自体は悪いことではありません。問題になるのは、どの媒体から来た応募なのかを記録していない場合です。応募の入口を記録しておけば、どの媒体が効いているかが分かり、次の判断材料になります。応募者管理の仕組みを一つ決めておくと、この混乱はかなり減ります。
Q5. 応募は来るのに、条件の合わない人ばかりです
求人票の書き方で起きているケースが多いです。仕事内容が抽象的だと、応募者側も自分に合うかを判断できません。逆に、要件を盛り込みすぎると応募そのものが減ります。間口を狭めすぎず、ただし仕事の中身は具体的に。このバランスは、媒体ごとの反応を見ながら調整していく領域です。
無料媒体は「使い切る」ことに意味がある
無料で求人を出せる場所は、思っているよりずっと多くあります。ハローワーク、Indeed、求人ボックス、engage、Airワーク。そしてこれらに出した求人が、Googleしごと検索にも拾われていく。費用をかけずに増やせる露出は、まだ手つかずのまま残っていることが多いのです。
ただし、無料媒体は「登録すれば終わり」ではありません。媒体ごとに原稿を整え、条件が変わるたびに全部を更新し、同じ商圏の競合の出し方を見ながら調整していく。この運用まで含めて、初めて露出が効いてきます。媒体を増やすほど更新の手間は掛け算で増えるので、正直なところ本業と兼務では続きにくい部分でもあります。
もう一つ。露出を増やしても、受け皿となる採用サイトが薄いままだと、見つけてもらった後で比較負けしてしまいます。応募を集める「露出」と、良さを伝える「受け皿」は両輪です。
弊社自身、岐阜という地方に拠点を置きながら、採用広告を使わずに年間1,152名のエントリーを自社で獲得してきました。「同じ数が採れます」という話ではなく、無料で出せる露出を戦略的に使い切る進め方が成立しうる、という一つの実証として受け止めていただければと思います。
まずは、自社が今どの媒体に出せているかを書き出してみてください。出しているつもりで更新が止まっているものを除くと、いくつ残るでしょうか。そこが今の露出の実態です。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
まずは御社の課題感をお聞かせください。うかがったうえで、近い業種でうまくいった進め方をご紹介します。「媒体の登録は自社で進めたい」という部分的なご相談で構いません。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。