【事例10選】大企業の採用サイトデザイン|中小企業が真似できる設計は?
「デザインが洗練されていて動きもある大手の採用サイトを見たけれど、自社に当てはめようとすると予算の桁が違って参考にならない」。採用サイトの制作を検討する際、このように手が止まってしまう状況はよくあります。
大手の採用サイトは予算がないと真似できない、というのはよくある誤解です。大手の採用サイトには、制作費をかけないと成立しない部分と、予算とは関係なく効いている部分が混ざっています。後者だけを抜き出せば、中小企業でも十分に持ち帰れます。
この記事でわかること
- 大企業の採用サイトから中小企業が取り入れられる範囲と、そうでない範囲
- 業界別の採用サイト事例10件と、それぞれのデザインの狙い
- 10サイトに共通していた「予算ゼロで真似できる」情報設計
- 自社で取り入れるときの優先順位
地方企業の採用サイトのデザイン事例をまとめて見たい場合は、弊社デザイナーが厳選した事例をこちらに集めています。
【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に
「採用サイトのデザインを探しはじめると、たいてい途中で手が止まります。ギャラリーサイトを開けば都心の大企業や有名ブランドの事例ばかりが並び、『うちの規模でこれは無理だ』と閉じてしまう」——地方の中小企業で採用を担当している方から、よくお聞きする状況です。 ここで必要なのは、かっこいい採用サイト
大企業の採用サイトは、予算ではなく設計を見る
大手のサイトは参考になります。ただし、参考にする場所を選ぶ必要があります。
大企業の採用サイトの特徴は、洗練されたデザインと使いやすい画面まわりを備えていて、求職者がスムーズに情報を得られるようになっている点です。求職者は迷わず知りたいことにたどり着け、その結果として応募意欲が高まります。中小企業がこの点を参考にし、見やすく魅力の伝わるサイトを構築すれば、同じ効果は規模に関係なく得られます。
一方で、大掛かりなアニメーション、フルスクラッチのイラスト、数十本の社員インタビューといった要素は、制作費と運用体制があって初めて成り立つものです。ここを無理に追いかけると、中途半端な模倣になって逆効果になりかねません。
真似すべきは見た目ではなく、情報の並べ方、と整理していただくのが近いと思います。
業界別・大企業の採用サイトデザイン事例10選
ここからは、Webデザイン的な観点も踏まえながら、業界ごとに大企業の採用サイトを見ていきます。
大日コンサルタント株式会社 様(建設・建築・土木・ゼネコン)

https://dainichi-consul.co.jp/recruit/ (制作:地方採用ワークス)
社名ロゴの「DAINICHI」に使われている赤を、そのまま画面全体の面に広げました。上端の黄からオレンジ、赤へと流れるグラデーションの上に、「CREATE FOR GROW.」を地より濃い赤で重ねています。文字を読ませる要素ではなく、面の模様として扱う置き方です。読ませる役は下の日本語コピーと三角のあしらいに任せ、英字は色の濃淡だけで存在させています。ヘッダーは白地のまま残し、ENTRYだけを赤いボタンに切り出しました。この記事に並ぶ大手と比べると規模は小さい会社ですが、色を1系統に絞る作り方は社員数に関係なく成立します。
日清ヨーク株式会社(製造業・食料品・卸売・小売)

https://nissinyork.com/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
画面の右側にあるのは、人の横顔を巨大なシルエットで抜いた形です。その内側がオレンジに塗られ、中では人々が踊ったり手をつないだりするイラストが動いています。口から喉へ伸びる緑の管の先には、色の付いた粒がいくつか描かれています。乳酸菌という目に見えないものを、体の断面図として見せる判断でしょう。コピー「時代を創る菌となれ」は「菌」だけが赤で、他は黒に落とされています。飲料メーカーの採用サイトで商品パッケージを出さず、体内を舞台にした点が効いています。中小企業でも、扱う物が見えない業種ほど参考になる考え方です。
東急エージェンシー株式会社(広告・メディア・放送)

https://recruit-tokyu-agc.co.jp/2025/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
画面の中央に1枚の絵を置き、その周りを白い枠で囲っています。展示室に額装された作品のような見せ方で、周囲には何も置かれていません。採用サイトの1画面目を、情報の入口ではなく1枚の作品として扱ったのだと思われます。絵は黒と水色の2色に絞った漫画調で、オフィスに詰め込まれた数十人が描かれています。中央の吹き出しに「キミという傑作を、育てよう。」が入り、絵と言葉が同じ層で読めます。左下の「変な研究採用」だけが別の書体で、枠の外にはみ出しています。1枚の絵に予算を集中させる考え方は、写真点数を絞りたい会社にも移せます。
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(広告・メディア・放送)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
職種の説明が並んでいません。代わりに置かれているのは、手がけた広告そのものです。缶チューハイのパッケージ、通信会社のキャンペーン、栄養補助食品の紙面と、実物の写真を3枚並べ、その下に案件名と得意先名だけを添えています。仕事の内容を業務の言葉で説明せず、世に出た成果物の写真で置き換えたのでしょう。見出しの「仕事を知る」には白の下地が敷かれ、灰色の地に沈まないようになっています。リード文は「心を動かしたあの仕事。」から始まる3行だけです。自社の制作物や施工物がある会社なら、規模を問わず使える構成だと言えます。
東急不動産株式会社(不動産)

https://www.tokyu-land.co.jp/recruit/graduate/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
画面の全面が黄緑一色で、写真もイラストもありません。「キミが挑戦の芽になる。」という文字だけが置かれていますが、輪郭は塗りではなく、無数の細かい粒で描かれています。文字を面で塗らず、粒の密度で読ませることで、まだ形になっていない状態を表したのだと思われます。画面の下端には芽が1つだけ、実体のあるイラストとして置かれています。左下の著作権表示と右上のマイページ以外に操作できる箇所がなく、情報量は極端に絞られています。色を1色に決め切れる会社なら、この引き算は規模に関係なく真似できます。粒の密度は画面の下ほど薄くなり、文字が地の色に溶けていく段階が作られています。
株式会社ノジマ(小売・家電量販店)

https://www.nojima.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
手前にいる社員は後ろ姿で大きくぼけ、ピントは奥でカタログを開いて話す社員に合っています。面談や接客の場面を、第三者の位置からではなく会話の当事者の目線から撮ったのだと思われます。上部のヘッダーは白い角丸の帯として写真から浮かせてあり、写真の色が変わっても文字が読めます。右下には別の社員の写真がカードで重なり、ファーストビューの中に2つ目の場面が入る作りです。Entryのボタンだけが青で、白と写真だけの画面に1点だけ色が立ちます。写真1枚とヘッダーの処理だけで成立する構成なので、点数が用意できない会社にも向きます。
ロート製薬株式会社(製造業・化学(薬品・化粧品など)・卸売・小売)

https://www.rohto.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
写真が1枚もありません。紺一色の地にロゴと説明文を置き、その下に「製品を企画・開発する」「品質・安全性設計」「知財・特許・薬事」と書かれた白い楕円が浮かんでいます。職種一覧を表組みではなく、粒として画面に散らす見せ方でしょう。楕円は大きさが不揃いで、下へ行くほど小さくなるため、奥行きが生まれます。左下には目薬の容器が半分だけ入り、製品を主役にせずに1点だけ置く配置です。職種の数が多い会社ほど一覧表が長くなりますが、こうして図に置き換えると、最初の画面で全体像を渡せます。上部のナビゲーションだけは灰色の帯で固定し、紺の面に沈まないよう明度を分けています。
日東電工ベースマテリアル(製造業・化学・卸売・小売)

https://www.nittobase.com/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
街並みを斜め上から見下ろすイラストの中に、粘着テープが建物と同じ大きさで置かれています。テープのロールが公園の池になり、噴水になり、屋台の屋根になっています。製品を使用例として説明せず、街そのものを製品で組み立てて見せた判断だと思われます。「TAPE YOU ALL!」の白い立体文字は街の上に置かれ、影が地面に落ちるので絵と同じ空間にいるように見えます。色は水色の地に赤・黄・緑を散らし、テープの色をそのまま画面の配色に引き写しています。素材メーカーのように用途が広い会社では、この見立ての手が効きます。ENTRYのボタンだけを白い枠で右上に置き、絵の情報量が多くても応募の入口が埋もれません。
コクヨ株式会社(製造業・文具・卸売・小売)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
「誰よりも先に試し、社会の元を拓け。」という文字が、画面の中央に大きく置かれています。よく見ると文字の一部が写真で埋まっていて、「試」の中に人が座り、「元」の中に机が入っています。コピーを読ませる文字と、写真を入れる器の両方として使ったのでしょう。地は白で、世界地図が薄い線だけで敷かれています。文字を斜めに横切る赤い線は1本だけで、有彩色はこれだけです。上部のロゴとMYPAGE、INTERNSHIPの3つしか操作できる箇所がありません。1枚の写真が用意できないときに、文字の中へ小さな写真を分散させる考え方として使えます。
任天堂(製造業・娯楽・レジャー・卸売・小売)

https://www.nintendo-systems.com/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
画面に置かれているのは、行番号の付いたソースコードです。クラス名や変数名は実在のもので、本社の所在地や技術者の在籍がコードの形で書かれています。会社概要を文章ではなく、読み手の職種が最も読み慣れた記法で書いたのだと思われます。中央には社名ロゴが赤い枠で置かれ、コードの上に1点だけ重なります。地は白のままで、赤と黒以外の色がありません。エンジニアだけを募集するサイトだから成立する形ですが、応募者の職種に合わせて表現の様式を選ぶという発想自体は、募集職種の絞られた会社ほど使えます。右側に細かい文字を薄く敷いた帯があり、コードの左右で情報の密度に差を付けています。
10サイトに共通するのは、情報の並べ方だった
10件を並べて見ると、業界も見た目もばらばらですが、設計の部分では同じことをやっています。ここは制作費と関係なく再現できます。
- セクションが明確に分かれている:日清ヨーク、東急不動産、日東電工ベースマテリアル、任天堂——どのサイトも「今どの話を読んでいるか」が常にわかる区切り方をしています。1ページに情報を詰め込む前に、まず区切ることです。
- 募集要項と応募方法が見つけやすい位置にある:日清ヨークの募集要項の置き方、東急不動産のエントリーフォーム、日東電工ベースマテリアルのエントリーボタン。応募の入口を探させないという一点で共通しています。
- 疑問に先回りして答えている:東急エージェンシーのFAQセクションがわかりやすい例です。求職者が抱えたままの不安があると、エントリーは止まります。
- 人と仕事の中身を具体的に見せている:博報堂のインタビュー記事、コクヨの社員インタビューとプロジェクト紹介、ノジマの研修・キャリアパス情報。「入社後の自分」を想像させる材料を置いています。
- 色とキービジュアルで企業の性格を言い切っている:大日コンサルタントの赤、東急不動産の緑、任天堂のブランドカラー。写真を大量に用意できなくても、色の方針を決めるだけで印象は作れます。
このうち、区切り方・応募導線・FAQの3つは、追加費用ほぼゼロで今日から直せる部分です。
予算をかけずに真似できるのは、順番と言葉
優先順位をつけるなら、こうなります。

- 募集要項と応募ボタンの位置を見直す:ページの上部と下部の両方から応募に行けるか。スマートフォンで見たときに応募ボタンが埋もれていないか。ここだけで取りこぼしが減ります。
- FAQを3〜5問置く:面接や説明会で実際によく聞かれる質問をそのまま載せるだけで作れます。新しく取材する必要がありません。
- セクションの見出しを整理する:「事業内容」「先輩の声」「募集要項」など、求職者の知りたい単位で区切り直します。
- 写真を撮り直す:ここは費用が発生しますが、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当です。大手のイラストやアニメーションを真似するより、自社の職場をきちんと撮るほうが効きます。
- 動画・凝った演出:ここまで整ってから検討すれば十分です。
逆に、真似しなくていいものもはっきりしています。フルスクラッチのイラスト表現、スクロールに連動した大掛かりな仕掛け、数十本規模のコンテンツ。これらは採用に投じられる予算の桁が違う前提で成立しているものなので、規模の違う会社が形だけ寄せても効果は出にくいというのが正直なところです。
よくある質問
Q1: 大企業の採用サイトのデザインをそのまま真似してもいいですか
見た目の直接的な模倣はおすすめしません。デザインには著作権が発生しますし、そもそも規模の違う会社が同じ見せ方をしても求職者には響きません。取り入れられるのは情報の並べ方や応募導線の設計です。
Q2: 中小企業の採用サイトで、最初に直すべきはどこですか
応募導線です。募集要項までの動線と応募ボタンの位置を見直すのが最も費用対効果が高く、既存サイトの修正で対応できます。
Q3: 大手のようなアニメーションは必要ですか
必須ではありません。スクロールに応じた控えめな動きは印象を締めますが、凝りすぎると読みづらくなり、読み込み速度にも影響します。優先順位は低いと考えてください。
Q4: 社員インタビューは何本必要ですか
本数より、求職者が「自分に近い立場の人」を見つけられるかどうかです。若手が1本、中堅が1本あれば形になります。公開後に少しずつ増やしていく進め方で構いません。
Q5: 地方の中小企業でも参考になる事例はありますか
業種別・地方企業の事例を34件まとめた記事があります。【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別にをご覧ください。
大手と同じ土俵で戦わなくていい
大企業の採用サイトから真似すべきは、見た目ではなく情報の並べ方です。大企業の採用サイトを見て気後れする必要はありません。求職者が採用サイトで確かめたいのは、規模の大きさではなく「自分がここで働く姿を想像できるか」だからです。その一点においては、事業内容も働く人も距離が近い中小企業のほうが、むしろ伝えやすい立場にあります。
まずは応募ボタンの位置を見直し、面接でよく聞かれる質問をFAQとして3〜5問置いてみてください。これだけで、求職者が迷わず情報にたどり着けるようになり、応募の取りこぼしを防げます。
とはいえ、採用サイトを整えただけで応募が増えるわけではありません。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪で、求職者に見つけてもらえなければ結果は動かないからです。大手が広告に大きな予算を割いているのは、この露出の部分でもあります。弊社は全国の地方企業に1,420社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用についても、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けにご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
一式でお願いいただく必要はありません。いまの採用ページのURLを1つ送っていただければ、この記事で紹介した10社と比べてどこが弱いかをお伝えできます。「真似できるところだけ知りたい」という段階のご相談で構いません。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。