【事例11選】中小企業のイメージは採用サイトで変わる?業種別に4つの手順で解説
「採用サイトを作り直したい。でも、何をどう変えれば『この会社、悪くないな』と思ってもらえるのか分からない」——。
中小企業の採用担当者から、この段階で手が止まっているという声をよく聞きます。給与や休日といった条件の数字だけで並べれば、大企業に見劣りするのは正直なところです。しかし、求職者が見ているのは条件だけではありません。サイトを開いた数秒で受け取る「どんな雰囲気の会社だろう」という印象が、読み進めるか離脱するかを分けています。
この記事では、中小企業が先に手をつけるべき「イメージの設計」について、業種別のデザイン事例と共通する型、自社への落とし込み方を順番にお伝えします。
この記事でわかること
- 中小企業の採用サイトで「イメージ」が効く理由
- 業種別に見る、中小企業の採用サイトデザイン事例11選
- 11事例に共通する「イメージが伝わる型」3つ
- 事例を自社の採用サイトに落とし込む手順
中小企業の採用サイトはイメージで選ばれる
中小企業は条件の比較表では選ばれにくく、求職者は最後に「ここで働く自分を想像できるか」で応募先を絞り込みます。採用サイトのデザインは、その想像するための材料をいちばん早く、いちばん多く渡せる場所です。規模で並ぶのではなくイメージで選ばれる設計にできるかが、中小企業の分かれ目になります。
資金力や福利厚生の充実度で大企業に見劣りするため、優秀な人材を引きつけにくい。この構造そのものは、採用サイトを作り替えても変わりません。変えられるのは、その構造の中で「自社の何が伝わるか」のほうです。
中小企業ならではの距離の近い職場、裁量の大きさ、任される範囲の広さ。こうした魅力は、条件欄には書けません。条件欄に書けない魅力は、写真・色・レイアウトの側で伝えるしかないと考えてください。
求職者が見ているのは「規模」ではなく「顔が見えるかどうか」
大企業の採用サイトは、情報の網羅性と信頼感で作られています。同じ土俵で情報量を競っても勝ち目は薄いです。一方で、社員一人ひとりの顔と仕事まで見せきることは、社員数の多い企業ほど難しくなります。誰と働くのかが具体的に見えることが、入社後のイメージの解像度になるというわけです。
イメージは変えられる。ただし「盛る」ことはできない
デザインで整えられるのは、実際にある魅力の伝わり方だけです。実態と離れたイメージを作れば、面接や入社後にズレが露見して、かえって定着を損ないます。整えるべきは見栄えではなく、実際にある距離の近さや裁量の大きさの伝わり方の精度です。
その意味で、写真だけは費用をかける価値があります。手元のスマホで撮った写真を並べるより、撮影だけはプロに依頼するコスト配分のほうが確実です。人の表情と現場の空気は、写真の質でそのまま印象が変わってしまいます。
中小企業の採用サイトデザイン事例11選【業種別】
ここからは、Webデザインの観点も踏まえて中小企業の採用サイトを業種別に紹介します。金融・コンサルティング・介護福祉・製造業・住宅設計まで、業種の先入観をどう外しているかに注目して見ていくと、自社に転用できる部分が見つかりやすいです。
岐阜商工信用組合 様(金融・保険業)

https://recruit.shoushin.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
視覚的に強いインパクトを与えますが、ベージュを取り入れてバランスをうまく取っているため、強すぎず爽やかな印象にまとまっています。赤色で組合のエネルギッシュな姿勢を象徴しつつも、モダンですっきりとしたデザインにしました。堅い、古いと見られがちな金融の印象を、配色だけで切り替えている一例です。
ジェイエムシー株式会社 様(コンサルティング・調査)

https://www.jmc-ltd.co.jp/company/(制作:地方採用ワークス)
保健福祉と美容決済に関する課題解決を専門としたジェイエムシー株式会社様のサイトです。コーポレートと採用を1つにまとめ、青で信頼性を通しています。人物イラストにも爽やかな若手社員の写真を起用しています。
ALL DIFFERENT株式会社 中途 様(コンサルティング・調査・人材紹介・派遣)

https://career.all-different.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
関東エリアを中心に人材育成・組織開発を手がけるコンサルティング会社、ALL DIFFERENT株式会社(旧・ラーニングエージェンシー)様の中途採用サイトです。爽やかな青色が特徴で、信頼感を与えてくれます。最初に目に入るのは、はたらく社員の写真が流れるファーストビューで、会社の雰囲気が分かりやすくなっています。
ALL DIFFERENT株式会社 新卒 様(コンサルティング・調査・人材紹介・派遣)

https://newgraduates.all-different.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
こちらは同社の新卒採用サイトです。水色をベースに配色をおこなっており、新卒社員の若々しくフレッシュなイメージがとても伝わってきます。「数字で見る」のセクションで青い円が背景に広がるデザインも、実績にインパクトを持たせるための設計に仕上がっています。中途と新卒で配色を変え、届けたい相手ごとにイメージを作り分けている点は、規模を問わず参考になります。
アルテアグループ 様(介護・福祉・保育)

https://recruit.gifualthea.com/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作させていただいた、アルテアグループ様の採用サイトです。ファーストビューには実際の現場での笑顔あふれるスタッフや子どもたちの様子が散りばめられ、温もりと安心感が伝わるデザインです。カラフルなタイポグラフィと大胆なレイアウトで、福祉の堅さを払拭しています。求職者に寄り添う姿勢が視覚的にも伝わる好印象なサイトです。
株式会社リガーマリンエンジニアリング 様(製造業・金属・鉄鋼)

https://recruit.regar.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作させていただいた、株式会社リガーマリンエンジニアリング様の採用サイトです。深いブルーの背景と大胆な白いタイポグラフィで、自立や挑戦を象徴的に表現しています。英語のサブコピーとコンパスアイコンの配置がグローバル感と未来志向を感じさせます。シンプルながらもメッセージ性の強い構成で、志ある若者に響くデザインとなっています。
株式会社ノエル 様(住宅・店舗設計・エクステリア・外構)

https://recruit.noel-garden.jp/(制作:地方採用ワークス)
愛知県一宮市で外構設計・デザインを手がける株式会社ノエル様の採用サイトデザインです。名刺をめくるようなアニメーションで、先輩インタビューを見せています。内容の充実はもちろんですが、こうした演出面で遊び心を凝らしたデザインは、若者の心をくすぐります。
後藤木材株式会社 様(製造業・木材・木製品)

https://recruit.houscrum.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作させていただいた、後藤木材株式会社様の採用サイトデザインです。明度の高い写真をふんだんに使い、明るく清潔感のある現場の印象を作っています。社員インタビューも充実しているため、入社後の雰囲気やイメージがつかみやすく、応募の後押しにもなるデザイン事例です。
ISSダイニチ(製造業・金属・鉄鋼)

https://www.kk-dainichi.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県可児市で精密加工を請け負う企業のホームページです。「穴加工に特化」しているという企業の強みが一目でわかるモチーフが散りばめられています。情報量が多いにも関わらず、イラスト、スライドやアニメーションを使用し、わかりやすくポップにまとめられているサイトデザインとなっています。
株式会社協和精機 様(製造業・金属・鉄鋼・金属加工)

https://mold-kyowa.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
宮崎県にある金型を製造する会社の採用サイトデザインです。トップにあるコピーの主語は私「たち」となっていて、見る人をも巻き込むような力強さがあります。また、空と海の写真に馴染む青で、製造業のイメージを明るくしています。全体的に爽やかさを感じるスタイリッシュなサイトに仕上げました。
株式会社都築産業 様(製造業・機械製造・プラント)

https://recruit.tsuduki-ind.com/(制作:地方採用ワークス)
クリーンでモダンなデザインが特徴です。シンプルなレイアウトにより、訪問者は目的の情報に素早くアクセスできます。落ち着いたトーンのカラーを基調とし、信頼感を醸し出しています。情報はセクションごとに明確に区分されており、ナビゲーションも直感的で使いやすいです。そして、製造業界に1人はいる熟練した職人にフォーカスし、「スーパーレジェンドの話」という自社固有のコンテンツを作りました。会社の強みを見つけ出し、それをコンテンツとして打ち出すのも、採りたい人材にマッチさせた戦略と言えます。
業種の幅をもっと広く見比べたい方は、弊社デザイナーが厳選したデザイン事例集もあわせてご覧ください。地方企業の求人・採用サイトを業種別に34サイト分、まとめています。
【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に
「採用サイトのデザインを探しはじめると、たいてい途中で手が止まります。ギャラリーサイトを開けば都心の大企業や有名ブランドの事例ばかりが並び、『うちの規模でこれは無理だ』と閉じてしまう」——地方の中小企業で採用を担当している方から、よくお聞きする状況です。 ここで必要なのは、かっこいい採用サイト
11事例に共通する「イメージが伝わる採用サイト」3つの型
11社を並べて見ると、規模の大小に関係なく効いている作り方は3つに絞られます。効いているのは色・写真・コンテンツ名の3つで、予算の大小では差がつきません。
型1. 色で「業種の先入観」を外す
金融は堅い、福祉は大変そう、製造業は暗い。求職者は業種名だけで勝手にイメージを固めています。まずその先入観を最初の1画面で外しにいく配色が必要です。岐阜商工信用組合様の赤とベージュ、アルテアグループ様のカラフルな文字、協和精機様の爽やかな青は、いずれもその役割を果たしています。
自社で検討するなら、業種名から連想される色を書き出し、その逆側から候補を考えるところから始めてみてください。
型2. 写真で「働く人の顔」を見せる
ALL DIFFERENT株式会社様のファーストビューで流れる社員写真、後藤木材株式会社様の明度の高い現場写真、ノエル様の名刺をめくるような先輩インタビュー。どれも、社名ではなく人から入る導線になっています。
社員数が少ないほど、全員の顔と仕事が見せられます。社員数が少ないことは、顔を見せる型ではむしろ強みになります。全社員の顔と仕事が見える採用サイトは、大企業ほど作りにくいものです。
型3. 自社の強みを、そのままコンテンツの名前にする
ISSダイニチ様の「穴加工に特化」、都築産業様の「スーパーレジェンドの話」。どちらも、社内では当たり前になっている工程・設備・人を、そのままコンテンツの見出しに引き上げています。
一般的な「私たちの強み」「社員紹介」という見出しでは、どの会社のサイトでも成立してしまいます。自社にしか付けられない名前がついているかが、記憶に残るかの分かれ目になります。
事例を自社の採用サイトに落とし込む4つの手順
事例をそのまま真似ても、自社のイメージにはなりません。次の4つの手順で、順番に絞り込んでいくのが進めやすいです。
- 採りたい人物像を1人に絞る:新卒と中途、職種ごとに求職者の関心はまるで違います。ALL DIFFERENT株式会社様が中途と新卒でサイトを分けているのは、この線引きを設計に反映した形です。
- 伝えたいイメージを1つだけ決める:「爽やか」「温かい」「挑戦的」など、まず一語に落とします。複数を同時に狙うと、どれも薄まります。
- 色と写真を、その一語に揃える:配色・タイポグラフィ・写真のトーンがバラバラだと、決めた一語は伝わりません。写真については前述の通り、優先して予算を割いてください。
- 自社にしか付けられないコンテンツ名を決める:社内で当たり前になっている工程・設備・人を洗い出し、そのまま見出しにできないか検討します。
社内だけで1〜2を決めきるのは、意外と難しい作業です。第三者に社員インタビューをしてもらい、外から見た自社の魅力を言語化するところから始めるやり方もあります。
中小企業の採用サイトデザインでよくある質問
Q1. 中小企業の採用サイトは、デザインにどこまでこだわるべきですか?
求職者が最初の数秒で受け取る印象を左右するのがデザインなので、優先度は高いと考えています。ただし装飾を凝ることではなく、「誰に何を伝えるか」を決めてから色と写真を揃えることが本質です。方向性が定まっていれば、要素の少ないシンプルな構成でも十分に伝わります。
Q2. 採用サイトのデザインは、何から決めればいいですか?
配色やレイアウトより先に、採りたい人物像と伝えたいイメージの一語を決めるのが先です。ここが曖昧なままデザインの打ち合わせに入ると、「なんとなくカッコいい」で判断することになり、社内でも意見がまとまりにくくなります。
Q3. 写真はスマホで撮ったものでも大丈夫ですか?
いいえ、写真だけはプロに依頼することをおすすめします。制作費の配分に悩むなら、まずここを優先してください。
Q4. 事例と同じデザインにすれば、応募も同じように来ますか?
デザインが担えるのは、自社の魅力を取りこぼさずに伝える土台を整えるところまでです。同じ見た目にしても、伝える中身が自社のものでなければ求職者には届きません。事例は配色や見せ方の引き出しとして使い、中身は自社の言葉で組み立ててみてください。
Q5. コーポレートサイトと採用サイトは分けるべきですか?
分けるかどうかは、採用の頻度と求職者に伝える情報量で判断が変わります。ジェイエムシー株式会社様のようにコーポレートと採用を一体型にする構成もありますし、ALL DIFFERENT株式会社様のように対象ごとに分ける構成もあります。まずは自社の採用計画を整理したうえで検討してください。
デザインを整えても、見てもらえなければ始まらない
自社でテンプレートを使って作るのと、プロが設計するのとで変わるのは、見栄えよりも「何を捨てて何を残すか」の判断です。伝えるイメージを一語に絞り、そこに合わない要素を落としていく作業は、社内の当事者だけでは進めにくい部分です。
まずは社内で、採りたい人物像と伝えたいイメージの一語を決めることから始めてみてください。ここが定まるだけでも、自社に合う写真や色の方向性が見えてきます。ただし、もう一段引いて見ると、採用サイトはあくまで受け皿です。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪で、片方だけを磨いても回りません。
弊社は全国の地方企業に1,420社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
全部をお任せいただく必要はありません。「デザインの方向性だけ一緒に決めたい」「社内で作った構成を見てほしい」という関わり方でも構いません。何から手をつければいいか分からない段階でも、現状の整理からご一緒します。まずは御社の規模や採用フェーズをうかがったうえで、最適な進め方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。