【事例12選】介護・福祉の採用サイトデザイン|「きつそう」はどう覆す?
介護職員の求人を出しても、応募が数件で止まってしまう。若い世代からの応募がほとんど来ない。地方の介護・福祉施設では、この状態が長く続いているケースが少なくありません。
求職者の頭の中には、検討する前の段階で「きつそう」「人手が足りていなさそう」という像ができあがっています。介護の現場は、文字だけでその像を書き換えるのが難しい仕事です。ここを動かせるのがデザインで、求められているのは、おしゃれさそのものではなく、「この人たちと働いている自分」が浮かぶ状態です。
この記事でわかること
- 介護・福祉で応募が止まる、待遇以外の理由
- 介護の採用サイトデザインで求職者が見ている3つの要素
- 事例12選から読み取れる、「きつそう」を覆す見せ方
弊社デザイナーが厳選した「地方企業×採用サイト」のデザイン事例は、以下で業種を横断して紹介しています。
【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に
採用サイトのデザインを探しはじめると、たいてい途中で手が止まります。ギャラリーサイトを開けば都心の大企業や有名ブランドの事例ばかりが並び、「うちの規模でこれは無理だ」と閉じてしまう。地方の中小企業で採用を担当している方から、いちばんよく聞く話です。 必要なのは、かっこいい採用サイトを100件眺
応募が来ないのは「過重労働」への答えがないから
介護・福祉の応募が伸びない要因は、求職者が抱く「過重労働ではないか」という不安に、募集側が答えを返せていないことです。高齢化の進行で介護職員の求人そのものは増えました。それでも応募が分散しないのは、燃え尽きや人手不足のイメージが先に立ち、そこを解けない募集が読み飛ばされているためだと考えています。
介護の現場は、文字ベースで雰囲気を伝えるのが難しい仕事です。だからこそ「職場環境やキャリアパス、研修制度などの情報を詳しく伝えること」が、求職者にとって何よりの安心・判断材料になります。
ここが埋まると、入職前後のギャップが小さくなります。新しく入った人が職場を理解した状態で働き始められるので、長期的な定着率が上がり、高い離職率を抑えることにもつながるというわけです。採用サイトは応募を集める入口であると同時に、辞める理由を先回りして減らす仕組みでもある、という見方をしています。
介護の求職者が見ている3つの要素
介護・福祉の採用サイトで求職者が見ているのは、配色・写真・情報の3つです。順に「重たい職場ではなさそうか」「一緒に働く人はどんな顔つきか」「入職後に何が起きるか」を判断しています。以下の事例も、この3点を軸に読んでいただくと参考にしやすいはずです。
①「重さ」を消す配色とモチーフ
介護の採用サイトのデザインで最初に効くのは配色です。事例を並べると傾向がはっきり出ます。ミントグリーン、パステルカラー、手描き風のイラスト、丸みのある形。介護・福祉の現場を扱いながら、画面そのものは軽くしている構成が目立ちます。
これは事実を柔らかく粉飾しているのではなく、「重たそう」という先入観を最初の1画面で外しにいっている、と捉えるのが近いです。
②利用者と職員が一緒に写っている写真
介護の仕事の魅力は、職員だけを撮った写真では伝わりません。利用者と職員がやりとりしている場面、笑っている瞬間、日常の一コマ。この「関係が写っている写真」があるかどうかで、伝わる情報量がまるで変わります。
なお、写真は自前で撮ろうとせず、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当だと考えています。介護施設の場合、屋内の光の条件が難しく、素人撮影だと暗く沈んだ印象になりやすいためです。
③入職後に何が起きるかが分かる情報
配色と写真で「良さそう」まで持っていっても、シフトや資格取得支援の情報がなければ応募までは届きません。夜勤の回り方、無資格・未経験からの入職ルート、資格取得のバックアップ、産休・育休からの復帰。求人票の枠に収まりきらない情報こそ、採用サイトが引き受ける領域です。
若い世代を採りたい場合はとくに、「3年後の自分」が描ける情報があるかどうかが効きます。介護福祉士やケアマネジャーへの道筋を、実際に歩いた職員の話として載せられると強いです。
心を掴む介護・福祉の採用サイトデザイン事例12選
ここからは、介護・福祉施設の採用サイト・コーポレートサイトのデザインを12例紹介します。「制作:地方採用ワークス」と記載のあるものが弊社の制作実績です。
株式会社ALTHEA 様(介護・福祉・保育)

https://recruit.gifualthea.com/(制作:地方採用ワークス)
岐阜市で高齢者介護・障がい福祉・保育を手がけるグループの採用サイトです。介護福祉のサイトは、やさしさを淡いピンクやベージュでまとめるのが自然な選び方になります。ここは職員が着ているポロシャツの色をそのまま画面に持ち込み、ターコイズと黄色という強い2色で写真を割りました。事業ごとに制服の色が違うので、写真を並べるだけで守備範囲が見えます。「ALTHEA GROUP RECRUITMENT」の巨大な欧文も、Hを赤、Gを緑、Reを青と1文字ずつ色を変え、そのまわりに社員の切り抜きを小さく貼りました。文字が事業の一覧を兼ねている作りです。
株式会社ファミリア 様(居宅介護・訪問看護・放課後等デイサービス)

https://recruit.familia2017.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
画面の上半分が、雲の浮かぶ空です。人物は下半分に寄せ、利用者の背に手を添えて並んで歩くスタッフの後ろ姿だけを置きました。介護の画面で室内を撮らず、屋外の空の面積を半分取っています。写真の中で強い色はユニフォームのピンク1点だけで、あとは空の水色と、利用者の衣服の紺に限られます。色数が少ないぶん、白いロゴとナビゲーションを写真の上にそのまま重ねても輪郭が消えません。コピー「人と地域を支える。まずは、わたしがわたしらしく。」は左下に2行で置き、支える側の働き方に触れる後半が応募者の関心に近い位置へ落ちています。
社会福祉法人舟伏 様(福祉・地域支援・教育)

https://www.funabuse.or.jp/(制作:地方採用ワークス)
ファーストビューに写真が1枚もありません。施設の外観も、職員の顔も出てこず、代わりに金華山と岐阜城、長良川、公園と、そこを歩く人々を描いた1枚のイラストが置かれています。介護の重さを打ち消すのではなく、そもそも施設の中を見せない選択をしました。描かれた人物は数十人いますが、どれも表情のない小さな姿で、特定の職員の話に読まれません。色は水色と黄緑を軸にし、左右の隅にだけ黄色の面を置いて画面を留めています。「もっと自分らしく輝ける毎日を。」は絵の上ではなく空の余白に組み、文字が風景を隠さないようにしました。
和光会グループ 様(介護事業・福祉事業・医療事業)

https://recruit.wakokai.or.jp/(制作:地方採用ワークス)
画面の中央に立つ介護福祉士の左に、3行の吹き出しが置かれています。「思いをくみとるサービスを」「仲間と考え、実現できる」「やりがいのある仕事をしています」と続く文は、法人からの説明ではなく本人の言葉として書かれたものです。求人の売り文句を、法人の主語から職員の主語に置き換えました。立っている場所も施設の居室ではなく、鉢植えの並ぶウッドデッキです。画面の下端には職員5人の顔を丸く切り抜いて並べ、押すと別のインタビューに切り替わります。職種の広い法人なので、1画面目から人を選んで入れる形にしました。
社会福祉法人岐阜県福祉事業団 様(福祉・介護・採用)

https://recruit.gifu-fukushi.jp/(制作:地方採用ワークス)
介護の求人ページは、利用者に寄り添う場面を選ぶほど、仕事が受け身のものに見えてきます。この採用サイトでは介助の場面を1画面目から外し、職員2人がそれぞれ正面を向いて立つカットを左右に分けて置きました。支える側の姿勢ではなく、働く本人の顔つきを先に見せています。右の職員には「スキルアップできる環境が魅力。」という言葉と、職種・所属・入職年を添え、経歴が読み取れるようにしました。2人の間に空いた斜めの余白には手書きの「Challenge!」を通し、画面下には採用試験の日程を薄い緑の帯で置いています。
瑞鳳会グループ 様(医療・介護・福祉)

https://zuihokai-group.org/(制作:地方採用ワークス)
職員2人が手にしているのは、手作りの数字カードとピンクの風船です。介助の道具でも医療機器でもなく、レクリエーションの小道具が画面の中心に来ています。仕事の内容を説明する物ではなく、その日の場面に実際にあった物を持たせました。2人とも笑っていますが、カメラを意識した並び方ではなく、作業の途中で振り向いた姿勢です。コピー「つながりを力に、地域に寄り添う。」は白い文字で下部に置き、その後ろに「Opening In Through」の筆記体を水色で重ねています。医療から介護までを持つグループなので、職種を限定しない言葉を選びました。
リニエ(介護・福祉・訪問看護)

https://recruitment.linie-group.jp/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
人物の撮り方が、この画面の要になっています。車いすを押す職員、走る子ども、腕を大きく伸ばす看護師と、6人全員が動いている瞬間で切り抜かれています。静止した集合写真をやめ、動作の途中だけを集めることで、介護の画面にありがちな静けさを外したのだと思われます。切り抜きは「Be Professional」の白い大文字の前後に配置され、文字と人が重なる奥行きが生まれています。地は明度を下げた深緑一色で、黄色の帯が1本だけ横切ります。色数を絞ったまま動きを足しているため、明るくしても軽くは見えません。右下には就職説明会の告知を白いカードで置き、募集の実務情報だけを装飾から切り離しています。
P.P. Corporation(放課後等デイサービス・福祉関連事業)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
職員が1人も写っていません。画面にいるのは、紙で作った白鳥を抱えて笑う子ども1人だけです。放課後等デイサービスは支援の内容を説明しようとすると硬い文面になりますが、支援者を消して子どもだけを残すことで、事業の説明を1枚の写真に肩代わりさせたのでしょう。背景はコンクリートの壁で、余計な情報が入りません。「We are all Wonders」の手書き文字は白鳥の首に重なる位置に置かれ、写真と文字が別々の層に見えないよう調整されています。左上の赤い正方形にロゴを収め、白の多い画面に1点だけ濃い色を置く構成です。
医療法人社団創生会(介護・福祉・採用)

http://i-souseikai.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
手前に写っているのは利用者の後ろ姿で、大きくぼかされています。ピントが合っているのは奥で手を振る若い職員のほうです。利用者と職員を同じ画面に入れながら、主役の位置を職員に置き換えたのだと思われます。撮影場所は施設内ではなく、玄関先とみられる屋外です。右側には黄緑と水色の円を重ね、写真の暗さに対する明るい面を作っています。コピーは「ご自宅へ戻られるそのときの笑顔が最幸の瞬間」の3行で、最後の一語だけを大きくしました。訪問系の仕事がどこで終わるかを、写真と文の両方で示す組み立てです。上部のナビゲーションを「創生会で働くということ」から始めているのも、法人紹介より先に働き方を置く並びだと読めます。
社会福祉法人あいのわ福祉会(福祉・介護・採用)

http://www.ainowa.or.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
川と町並みを描いたイラストの上に、写真のフレームを4つ立てています。フレームの中には職員が立ち、枠からはみ出した手や足が絵の側へ出ています。イラストと写真を上下に分けず、同じ奥行きの中に混ぜて置く判断でしょう。吹き出しには「憧れていた福祉業界で経験を積める楽しさ。」「姉妹で入職!」と、職員本人の一言が入っています。手前にはインタビューへ進む2つの導線を、スナップ写真を斜めに置いたような形で並べました。淡い水色と黄緑を基調に、フレームの色だけを桃・緑・青に変えて、人ごとの入口を色で分けています。画面下部のメニューもメッセージ・人・働き方・制度の4つに絞り、迷わせない数に留めた並びでしょう。
社会福祉法人慈楽福祉会(介護・福祉・採用)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
介護の現場写真は、屋内で撮ると生活感が強くなり、屋外で撮ると何の仕事か分からなくなります。この画面が選んだのは、草の生い茂る土手で車いすを押す職員と利用者を、緑に埋もれるくらいの距離から撮った1枚です。施設も設備も入れず、季節の分かる風景の中に2人だけを置いたのだと思われます。縦組みのコピー「心が通じ合い、人と人とが手を取り合う未来へ。」は右側に細く組まれ、写真の緑の面に沈まない位置に来ています。右半分は白地にして、居宅・施設・相談・採用の4つの入口をアイコン付きで並べました。写真と情報の面を左右できっぱり分ける作りなので、風景に寄せても用件が読み取れます。
社会福祉法人愛和会(高齢者・障がい者・児童サービス)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
高齢者、障がい者、児童と対象の異なる3事業を、縦長の写真4枚に割り当てて横に並べています。1枚ずつに「高齢サービス」「障がい者サービス」「児童サービス」と縦組みのラベルが入り、代表写真を1枚に決めず、事業の数だけ写真を立てる構成を取ったのでしょう。左から2番目の余白には「地域とわたしたちを世界と未来につなぐ」を縦組みで置き、背後に日本地図をオレンジの薄い面で敷いています。人物はどれも横顔か手元で、正面から撮ったカットがありません。事業ごとに求職者が分かれる法人で、入口を先に分けておく作りだと思われます。
参考記事:『【事例11選】病院・クリニックの採用サイトデザイン|看護師に選ばれるには?』
介護・福祉の採用サイトについて、よくいただく質問
Q1: ハローワークと求人媒体だけでは足りませんか
媒体は「見つけてもらう」ための枠で、採用サイトは「決めてもらう」ための場所です。役割が違うので、どちらかで代替できるものではありません。実際、媒体で興味を持った求職者はたいてい法人名で検索します。そこで出てくるのがサービス案内だけだと、働く場所としての判断がつかないまま離脱していきます。
Q2: 職員の顔出しに抵抗があります。写真なしでも作れますか
作れますが、伝わる量は確実に落ちます。全員の顔出しが難しい場合は、承諾いただける方だけに絞る、後ろ姿や手元のカットを混ぜる、といった調整で成立させることが多いです。少なくとも「人が写っていないサイト」だけは避けたほうがいいと考えています。
Q3: 若い世代からの応募を増やしたいのですが、どこを変えるべきですか
まずスマートフォンでの見え方です。若い層はほぼスマホで見ているので、パソコン向けの構成のままだと読まれません。そのうえで、無資格・未経験からの入職ルートと、資格取得のバックアップを分かりやすい位置に置く。この2つで反応が変わってくるケースが少なくありません。
Q4: おしゃれなデザインにすると、かえって信用されませんか
「おしゃれ」を目的にすると、そうなることがあります。装飾を増やすのではなく、余白を取り、情報を整理し、写真を良くする。この方向で整えたサイトは、軽やかに見えて信用も落ちません。事例を見ていただくと、派手さより整理のほうが効いているのが分かるはずです。
Q5: 施設が複数あります。法人でまとめるか、施設ごとに分けるか迷っています
採用の窓口としては、法人で1つにまとめたほうが動かしやすいです。求職者は法人単位ではなく通える範囲で探すので、法人サイトの中で施設ごとの情報にすぐ辿り着ける構成にしておく。この形が、運用の手間と分かりやすさの両立という点で現実的です。
デザインの前に、見られているかを確認する
デザインの話をしてきましたが、最後にひとつ、順番の話をさせてください。
介護の採用サイトで差が出るのは、写真の枚数ではありません。未経験の人が「自分にもできそうだ」と思える順番で並んでいるかです。制度の説明から始まるサイトは、情報が多くても読み手の不安を解いてくれません。
そして受け皿をどれだけ整えても、求職者の目に触れていなければ応募は起きません。露出(母集団形成)と受け皿(採用サイト)は両輪だ、というのが弊社の考え方です。とくに介護・福祉は通勤圏の制約が強く、片道1時間/25〜30km圏内がひとつの目安になります。この狭い範囲の中で選んでもらう以上、条件だけの勝負ではなく総合点勝負になります。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
施設まるごとで頼む必要はありません。いまの採用ページと求人票を並べて見せていただければ、「きつそう」で止まっている箇所がどこかをお伝えできます。施設が複数ある場合の分け方から、というご相談でも構いません。
※ご紹介しているサイトの中で、「(制作:地方採用ワークス)」と書かれたサイトは弊社の制作実績です。その他のサイトは弊社の制作実績ではございませんが、本記事の切り口に沿う事例としてご紹介させていただきました。制作をされた制作会社様で、掲載の取り消しをご希望の場合は速やかに対処させていただきますので、弊社までご連絡くださいませ。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。