【事例21選】製造業のイメージを変える採用サイトデザイン|若手にどう見せる?
「うちの仕事、実際はそんなにきつくないんですけどね」
——製造業の採用でご相談をいただくと、この言葉を本当によく伺います。現場には空調が入り、機械化も進んでいるのに、求職者が持つ製造業のイメージだけが何十年も前のまま止まっているというご相談です。
応募が集まらないのは、仕事の中身に魅力がないからではありません。中身が伝わる前に、古いイメージで判断されてしまっていることが原因です。そして、その判断の大部分は、文章を読み始める前の「見た瞬間」で決まります。
この記事では、製造業のイメージが若い世代に届かない理由を整理し、イメージを変えている採用サイトのデザイン事例11社と、印象を切り替える3つの型を順番にお伝えします。
この記事でわかること
- 製造業のイメージが若い世代に届かないまま止まってしまう理由
- イメージを変えている採用サイトのデザイン事例11社
- 事例に共通していた、印象を切り替える3つの型
製造業のイメージが若い世代に届かない理由
求職者が製造業に対して抱くイメージは、実際の職場を見た結果ではなく「なんとなくの連想」でできています。採用サイトが古いままだったり、会社案内をそのまま載せたりしていると、求職者の古い連想を裏付けるだけで終わってしまいます。
逆に言えば、連想を断ち切る材料を先に見せられれば、求職者の印象は動きます。ここが、製造業の採用サイトで最初に押さえておくべきポイントです。
3Kの印象が、職場の実態より先に届いてしまう
いわゆる3K(きつい・汚い・危険)という言葉は、製造業の仕事を語るときに今でもついて回ります。職場の実態とはまったく合っていない企業がほとんどであるにもかかわらず、現場の事実よりも言葉のほうが先に世間へ広まってしまっています。
ここでやっかいなのは、求職者本人が実際の現場を見たことがないため、頭の中にある古い映像がそのまま判断基準として使われてしまうという点です。この古い映像に対して、実際の職場の写真や、そこで働く社員の明るい表情を見せない限り、求職者のイメージが新しく更新されることはありません。
採用サイトは、イメージを上書きできる数少ない接点
一般的な求人媒体の枠のなかでは、企業側が伝えられる情報量にどうしても限りがあります。掲載できる写真の点数はあらかじめ決まっていますし、ページのレイアウトも他社と同じ共通のものが使われるからです。
一方で自社の採用サイトであれば、サイトを開いて最初に目に入る画像から、全体の色使い、社員の声の載せ方まで、すべて自社の裁量で自由に組み立てられます。製造業に対するイメージを動かす余地が一番大きい媒体が、採用サイトです。求人広告が掲載期間だけ露出を買う「掛け捨ての保険」だとすれば、採用サイトは自社の手元にずっと残る資産に近いと言えます。
なお、イメージを変える前の段階として「そもそも応募が来ない」「採用に割ける時間がない」といった構造的な課題を整理したい方は、こちらもあわせてご覧ください。
弊社デザイナーが厳選した「地方企業×採用サイト」のデザイン事例については、業種を横断して以下の記事で網羅しています。
【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に
「採用サイトのデザインを探しはじめると、たいてい途中で手が止まります。ギャラリーサイトを開けば都心の大企業や有名ブランドの事例ばかりが並び、『うちの規模でこれは無理だ』と閉じてしまう」——地方の中小企業で採用を担当している方から、よくお聞きする状況です。 ここで必要なのは、かっこいい採用サイト
製造業のイメージを変えた採用サイトデザイン事例11選
ここからは、実際にイメージを動かしている製造業の採用サイトを11社ご紹介します。金属・鉄鋼、金属加工、木材、窯業と業種はさまざまです。しかし、どの企業も「製造業らしさ」を隠すのではなく、見せ方を変えることで求職者の印象を切り替えています。気になった要素は、自社の要件を整理するときのメモとしてご活用ください。
株式会社アルミック 様(製造業)

https://recruit.almic.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県岐阜市にある製造業、株式会社アルミック様の採用サイトです。インタビュー動画を背景に大きく配置した文字と、繊細なグラデーションの演出が印象に残ります。黒を基調に緑の差し色を使い、落ち着いた信頼感を出しています。サイトのコンテンツは社員のリアルな声に焦点を当てており、デザインと情報がバランスよくまとまった採用サイトです。
ISSダイニチ(製造業・金属・鉄鋼)

https://www.kk-dainichi.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県可児市で精密加工を請け負う、ISSダイニチ様のホームページです。「穴加工に特化」しているという企業の強みが一目でわかるモチーフがサイト全体に散りばめられています。情報量が多いにもかかわらず、イラストやスライド、アニメーションを活用することで、わかりやすくポップにまとめられたサイトデザインになっています。
株式会社TKS 様(製造業・卸売・小売)

https://www.tanakakinzoku.com/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県岐阜市でシャワーヘッドの製造・販売や金属加工業を手がける、株式会社TKS様のサイトです。水色と白で清潔感を出し、企業情報と採用情報を1つにまとめています。全体的にすっきりと見やすいデザインです。製品のカテゴリごとにボタンが用意されており、サイト内で迷わず目的のページへ移動できるように設計されています。SNSやメディアでの情報発信を活用し、戦略的な運用をされています。
川本鋼材株式会社 様(製造業・金属・鉄鋼・金属製品)

https://recruit.kawamoto-kozai.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作した、愛知県あま市にある川本鋼材株式会社様の採用サイトです。インパクトのあるデザインが、若い世代の目を引きます。「チャレンジャー」というコンセプトで、デザインと文章を貫いているのが特徴です。採用の決め手やポイントを率直に語る「面接官座談会」など、求職者が気にする疑問に答える独自のコンテンツを取り入れている点も大きな魅力です。
株式会社ササキ 様(製造業・金属・鉄鋼・金属製品)

https://sasaki-inc.co.jp/recruit/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作した、山梨県韮崎市にある株式会社ササキ様の採用サイトです。トップ画像の下も広い面積に白と青を使い、差し色に赤を置くことで強い印象を残しています。白黒写真に青と赤を効かせ、職人的でクールな個性を出しています。動きのある自由なレイアウトも現代的で、ターゲットである新卒の学生にしっかりと魅力が伝わる事例です。
株式会社丸徳鉄工 様(製造業・金属・鉄鋼・金属製品)

https://www.marutoku-tk.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作した、岐阜県岐阜市にある株式会社丸徳鉄工様の採用サイトです。トップのキャッチコピーは短い言葉ですが、それゆえに見る人の心を強く揺さぶる魅力を持っています。端的なコピーに、企業の歴史と技術力へのこだわりを込めています。
株式会社協和精機 様(製造業・金属・鉄鋼・金属加工)

https://mold-kyowa.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
宮崎県で金型を製造する、株式会社協和精機様の採用サイトです。トップにあるコピーの主語を私「たち」にすることで、見る人を巻き込むような力強さを持たせています。また、空と海の写真に馴染む青を使い、全体的に爽やかさを感じるスタイリッシュなサイトに仕上げました。製造業のイメージが明るく変わるデザイン事例です。
後藤木材株式会社 様(製造業・木材・木製品)

https://recruit.houscrum.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作した、岐阜県岐阜市にある後藤木材株式会社様の採用サイトです。明るい写真をたくさん使い、清潔感のある印象を作っています。社員インタビューのコンテンツも充実しているため、入社後の雰囲気や働く姿が想像しやすくなります。求職者が応募に踏み切る後押しとなるデザイン事例です。
株式会社アイコットリョーワ 様(製造業・窯業)

https://recruit.ic-ryowa.com/(制作:地方採用ワークス)
弊社で制作した、岐阜市のタイルメーカーである株式会社アイコットリョーワ様の採用サイトです。「数字で見るアイコットリョーワ」というコンテンツで、求職者が知りたい情報を先にまとめています。従業員数や残業時間、福利厚生といったデータを、デザインを使って的確に見せています。知りたい情報がすぐに見つかれば、そのまま最後まで読んでもらいやすくなります。
岐阜ギヤー工業株式会社 様(製造業・金属・鉄鋼・金属加工)

https://recruit.gifu-gear.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県岐阜市にある製造業、岐阜ギヤー工業株式会社様の採用サイトです。トップ画像に社員の笑顔を並べ、明るく親しみやすい雰囲気を作っています。青を基調にしたグラデーションの背景と、白をベースにしたシンプルな配置が清潔感を強調しています。誠実さや挑戦する心を掲げる文字のデザインも、企業の姿勢を力強く伝える印象的なアクセントになっています。
株式会社クロップス・クルー 様(自動車開発支援)

https://toyota.cropscrew.jp/(制作:地方採用ワークス)
トップ画像に「ミライを駆動させよう! BE TOMORROW’S MOBILITY!」というキャッチコピーを置き、白い背景に複数のイラストを配置しました。写真ではなくイラストを主役にして、製造業の硬さを先に和らげています。
内容は「会社を知る」「仕事を知る」「人を知る」「採用情報」の4つに分け、求職者が確かめたい順番に並べています。
製造業のイメージを切り替える3つの型
ここまで11社をご紹介しました。デザインの方向性は企業ごとに異なりますが、求職者の印象を動かしている仕掛けは、色・人・強みの見せ方の3つに集約できます。順番に解説します。
型1|色と光で「暗い・汚い」の連想を先に断つ
協和精機様の空と海に合わせた青の調整や、TKS様の水色と白による清潔感。後藤木材様の明るい写真や、岐阜ギヤー工業様の青のグラデーション背景。これらはどれも、工場という言葉から連想される薄暗いイメージを、サイトの色の設計だけで見事に打ち消しています。
一方で、アルミック様やササキ様のように、あえて黒やモノクロを主役にしている事例もあります。こちらは「暗い」という印象を与えるのではなく、「職人的でクール」なイメージに振り切った例です。黒を基調としながらも、効果的な差し色を使うことで、求職者に与える印象を大きく分けています。
型2|人の顔と声を主役に置く
アルミック様のインタビュー動画や、川本鋼材様の「面接官座談会」。後藤木材様の社員インタビューや、岐阜ギヤー工業様のトップ画像に並ぶ社員の笑顔。これらの事例に共通しているのは、機械や製品そのものよりも先に、そこで働く「人」が前面に出ていることです。
求職者が本当に知りたいのは、自分がその会社に入って働く姿を想像できるかどうかです。工場の設備の性能を細かく伝えるよりも、入社後に隣の席に座る先輩の顔が見えるほうが、応募を決めるための判断材料になります。
型3|技術の強みを、一目でわかる形に翻訳する
ISSダイニチ様の「穴加工に特化」を表すモチーフや、丸徳鉄工様の歴史と技術力を込めたキャッチコピー。アイコットリョーワ様の「数字で見るアイコットリョーワ」。これらは、企業が持つ専門的な強みを、業界の外にいる求職者にもまっすぐ届く形に置き換えている点が共通しています。
製造業の高度な技術は、専門用語のまま書いても同業者にしか伝わりません。求職者に伝わる言葉や形に翻訳するという一手間が、採用サイトから応募が来るかどうかの成果を大きく分けます。
よくある質問
Q1. 製造業の採用サイトは、何から手をつければいいですか?
まずは、サイト全体の色と写真から手をつけるのがおすすめです。この記事で紹介した11社を見ても、求職者の印象を大きく動かしているのは、色の設計と写真の明るさによるところが大きいです。そのうえで、現場で働く社員の顔と声を前に出し、自社の技術の強みを業界外の人にも伝わる言葉に翻訳していきます。この順番で情報の整理を進めると、迷わずに採用サイトを形にできるはずです。
Q2. 3Kのイメージはデザインだけで払拭できますか?
デザインを整えるだけで、3Kのイメージが完全に払拭できるわけではありません。しかし、職場の実態とは違う先入観で判断されてしまう状態を止める効果は非常に大きいです。実際の職場の写真や、そこで働く社員の声が入るだけで、求職者の頭の中にある古い映像を置き換えることができます。デザインは、自社を「正しく見てもらうための入口」だと考えてください。
Q3. 写真は自社のスマホ撮影で足りますか?
予算の配分に迷う方は多いのですが、写真撮影だけはプロのカメラマンに依頼したほうがいいと考えています。採用サイトの印象の大半は写真の質で決まりますし、暗い工場内の撮影はとくに技術の差が出やすい部分だからです。サイトのページ数を絞ってでも、写真撮影に予算を回したほうが、結果的に求職者へ魅力が伝わります。
Q4. 採用サイトを作れば応募は増えますか?
採用サイトは、興味を持って来てくれた求職者を取りこぼさないための受け皿です。ただし受け皿だけでは応募は増えません。会社を知ってもらう機会をどう作るかは、次の章で詳しくお伝えします。
デザインは受け皿。露出とセットで初めて動き出す
ここまで製造業のイメージとデザインの話をしてきましたが、どれだけ良い採用サイトができても、求職者がその存在を知らなければ一度も開かれることはありません。採用サイトが効果を発揮するのは、求人媒体からの流入や検索、SNS、学校訪問といった露出があってこそです。露出と受け皿は両輪で、片方だけ整えても手応えは出にくいと言えます。
求人媒体の運用や原稿作成など、露出と受け皿の両輪を自社で回すことができれば、応募は確実に動きます。ただ、採用担当が本業と兼務している地方の中小企業では、片手間で回しきれません。サイトを作り、原稿を書き、媒体を運用し、日程を調整し、面接をする。必須作業だけでも40以上あると言われる採用業務を、すべて自社だけで続けるのが難しいと感じたら、外部の力を頼ることもご検討ください。
今日できるのは、現場をスマートフォンで3枚撮ってみることです。手元、作業中の表情、休憩スペース。この3枚が撮れる会社なら、見せ方の材料はもう揃っています。
弊社は全国の地方企業に1,420社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造業をはじめ、建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を数多く見てきました。
最初から全部をお任せいただく必要はありません。「デザインの方向性だけ相談したい」「まず何から手をつけるべきか整理したい」という段階からご相談いただけます。御社の規模や採用の状況をうかがったうえで、無理のない進め方をご提案します。
製造業の採用課題そのものを、地方企業の事情から整理した記事もご用意しています。あわせてご覧ください。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。