電気工事・設備の採用サイトデザイン事例10選|職人の現場を魅せる作り方
「電気工事士の募集を出しても、若い人からの応募がまったくない」——電気工事・設備業の会社から、この相談は年々増えている実感があります。仕事は途切れないのに、現場を担う人が足りない状況が続いていますよね。
若い人が来ないのは、求職者が給与などの条件面しか見ていないからだ、という誤解がありますが、そうではありません。理由のひとつは、この業種が「外から中身の見えない仕事」だからです。きつそう、職人の世界は厳しそうといった先入観だけが先に立ち、資格を取って手に職をつけていく道筋が求職者に届いていないのです。
その見えない中身を見せられるのが、採用サイトです。求職者は求人票を見たあと、必ず社名を検索してから応募を判断します。この記事では、電気工事・設備の採用サイトで伝えるべき3つの要素から、制作実績2社と他社8社の事例、自社に応用するときの作り方や制作ポイントまでを順番に解説します。
この記事でわかること
- 電気工事・設備の採用サイトで伝えるべき3つの要素
- 制作実績2社と他社8社の事例と、ファーストビューに何を置いたか
- 参考サイトを自社に応用するときの作り方・制作ポイント
- おしゃれさより先に決めるべき「誰に来てほしいか」の話
電気工事・設備の採用サイトで伝えるべき3つ
結論からいえば、伝えるべきは「仕事の中身と意義」「未経験から一人前までの道筋」「現場と人の雰囲気」の3つです。求職者が応募をためらうのは、給与などの条件面が合わないからだけではありません。「自分にこの仕事ができるのか」「どんな人たちと一緒に働くのか」が見えないからです。採用サイトの役割は、そうした不安を求職者の目線に立って一つずつ解きほぐすことにあります。
1. 仕事の中身と「インフラを支える」意義を見せる
電気工事や設備業は、扱う領域ごとに現場の環境も働き方もまったく違います。しかし、業界の外から見ると「工事の人」とひとくくりにされがちです。だからこそ、まずは施工の種類別に具体的な仕事内容を紹介してください。そのうえで、その仕事が建物や地域の暮らしをどのように支えているかまで語りましょう。ここまでがコンテンツ構成の土台になります。「仕事が形に残り、まちの機能を支える」という意義は、給与だけでは動かない層に届きます。
参考記事:『電気工事の採用が難しい理由と打ち手|職人不足の会社がやるべきこと』
2. 未経験から電気工事士への道筋を描く
この業種で最も効くコンテンツは、キャリアステップの見える化だと考えています。電気工事士をはじめとした国家資格には、実務経験を積みながら取得していく道が用意されています。「手に職がつく」という過程を、段階を追って具体的に見せられる職種なのです。その道筋が1枚のステップ図になっているだけで、未経験者の不安は大きく和らぎます。
3. 現場と人の雰囲気を写真・ビジュアルで伝える
「職人の世界は怖そう」という先入観は、言葉でいくら否定してもなかなか消えません。ここで効くのは、現場の実際の様子が見える写真やビジュアルです。先輩が若手に丁寧に教える場面や、休憩中のリラックスした表情を見せてください。そうした日常の切り取りが、「ここなら自分もやっていけそうだ」という安心感をつくります。また、整った装備・整理された現場が写っているだけで、安全管理の姿勢まで伝わります。
電気工事・設備の採用サイトデザイン事例10選
ここからは、弊社が制作した電気工事・設備会社の採用サイトを2つ紹介します。この2社は、サイトを開いて最初に目に入る画面(ファーストビュー)に置いたものが正反対です。片方は現場の写真を置き、もう片方は人の写真を置いています。どちらも電気工事の会社ですが、入口の作り方が異なります。自社ならどちらを先に見せたいかを考えながら読み進めてください。後半では、他社が制作した8つの事例も紹介します。
株式会社日発電工 様|現場の暗さをそのまま出す

https://leapy.jp/works/recruit/nippatsu/(制作:地方採用ワークス)
岐阜県関市で、高圧・低圧の電気設備工事と制御・計装設備工事を手がける会社です。サイトのトップに置いたのは、暗い天井裏を見上げて配線している1枚の写真です。明るい集合写真でもなければ、きれいに整えた完成写真でもありません。この業種の採用サイトでいちばん多い迷いは、現場のきつさを見せるかどうかですが、このサイトはあえて見せる側に振り切っています。
そのうえで、「繋げるのは電気じゃない、未来の日常だ。」というコピーを添えました。実際の作業風景と、その作業が何につながっているのかを示す言葉を、1つの画面で組み合わせています。現場の写真だけだときつさが残り、意義の言葉だけだと実感が湧かないからです。両方を同じ画面に置いたのが、この構成の答えだと考えています。縦組みの明朝体を白抜きで重ねているのも、暗い写真に負けない文字組みを選んだ結果です。
株式会社エクソル 様|工事の写真を1枚も出さない

https://leapy.jp/works/recruit/exsol/(制作:地方採用ワークス)
山形県鶴岡市の電気工事会社です(サイト上の現在の社名表記は株式会社エキスパートソゥルブ)。住宅や工場の電気設備工事から、高圧受変電設備、計装・通信・防災設備まで幅広く扱っています。それだけの工事内容がありながら、サイトのトップに工事の写真を1枚も置いていません。写っているのは、事務所でベテラン社員と若手社員が笑いながら話している場面だけです。
コピーは「君のやりたいことが、エクソルの未来です。」とし、英字で「Players 1st」と添えています。仕事の詳しい説明は後ろに回して、まずは人と人との関係性を先に見せる設計です。職人の世界は怖そうという先入観に対して、言葉での説明ではなく写真1枚で答えています。先入観を崩したいなら、崩したい相手が見ている場面を写すのがいちばん確実な方法だと考えています。
この2社を並べてみると、電気工事の採用サイトの入口は、現場を見せて意義で受けるか、人を見せて仕事は後から説明するかの2通りに分かれます。どちらが正しいという話ではありません。いま採用したいターゲットが経験者なのか、それとも未経験の若手なのかによって選ぶべき構成が変わるということです。
ここからは、他社が制作した電気工事・設備会社の採用サイトを8つ紹介します。発電所や鉄道の工事を担う会社から、社員10名ほどの町の電気工事会社までを選びました。「現場を見せるか、人を見せるか」の2択のほかにも、言葉で押す、資格を前に出す、少人数ならではの見せ方をするといった入口があるので、自社に近い規模の会社から見てみてください。
株式会社橋詰電気工業所|目元だけを寄せて切り取る

https://www.hashizume-e.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
画面の大半を、黄色いヘルメットをかぶった若手社員の顔が占めています。大阪市で電気設備・管工事・消防設備を手がける会社です。配線や盤の写真を並べても、未経験の学生には何をしている瞬間なのか読み取れません。そこで手元も設備も写さず、作業に集中する目元だけをぎりぎりまで寄せて切り取っています。
背景を暗く落とし、ヘルメットの黄と作業着の青だけが浮かぶ絵にしたのは、仕事の中身より先に「この顔つきで働く仕事だ」と伝える判断だと思われます。コピーの「電気の未来を変える」は太い斜体で左下に置かれ、右上のENTRYボタンも同じ黄色で拾っています。
嵐電気工事株式会社|呼びかけを筆文字で書き込む

https://www.arashidenki.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
発電所の電気計装工事は、規模が大きすぎて写真1枚では全体が写りません。いわき市のこの会社は、プラントの鉄骨を背景に置いたうえで、「来たれ!プロを目指す未経験者」という呼びかけを筆文字で画面いっぱいに書き込み、黄色の稲妻を斜めに走らせています。現場の大きさは背景に任せ、伝える役目は言葉に渡した構成です。
スライドが切り替わると「デッカい現場」の筆文字とヘルメット姿の社員たちが現れ、未経験の呼びかけと現場のスケールを交互に見せる作りになっています。右上の「新卒ENTRY」「中途ENTRY」をオレンジの2ボタンに分けているのも、応募者を最初から振り分けたいという意図でしょう。
株式会社紺野電設|ベテランごと集合写真に収める

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
若手が少ない会社は、採用サイトから年配の社員を外したくなりがちです。世田谷区と狛江市を拠点とするこの会社は逆で、白髪の職人も含めた20人ほどの集合写真を、そのまま画面の下半分に敷いています。全員が拳を握って同じポーズをとっているので、年齢の幅がそのまま「この人たちに教わる」という安心材料に読み替わります。
上半分は白地にして「電気工事士・施工管理技士になる!」を緑の太字で組み、目指す資格の名前を先に見せています。写真の上に重ねた「皆さん、こんにちは!」から始まるあいさつ文は、求人票では伝わらない社内の口調をそのまま出す工夫だと思われます。
仙台電気工事株式会社|後ろ姿の写真と言葉を上下に分ける

https://www.sendaidenki.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
安全帯を背負った3人の後ろ姿が、ぼかした写真で横に並んでいます。仙台市で公共施設や鉄道の電気工事を手がける会社です。顔を見せず、ピントも合わせない撮り方なので、写っているのは個人ではなく「現場に向かうチーム」になります。さらに写真の帯を画面の6割ほどで止め、その下に「あなたの力が、未来をつなぐ」のメッセージを白地で読ませています。
ファーストビューの中で、写真で空気をつくる場所と言葉を読ませる場所を上下に分けた形です。「YOUR POWER. YOUR LEGACY.」の左に置いた黄色の丸は、右上のENTRYボタンと同じ色で、視線の起点と終点をつないでいます。
富士電設株式会社|現場へ向かう途中を撮る

https://fujidensetsu-recruit.com/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
映像は、はしごを上る作業者を真上から見下ろした視点で始まります。四日市市で火力発電所などの電気・機械設備工事を手がける会社です。工具や安全帯のフックが画面の手前に大きく入り、見る人が作業者の頭上にいるような構図になっています。完成した設備ではなく、そこへたどり着くまでの道中を撮ることで、高所の仕事の手ざわりを見せているのでしょう。
重ねたコピー「つくる つなげる つかう。」は、細い手書き文字で斜めに流れ、映像の硬さを和らげています。ヘッダーは明るいグレーの帯にロゴとCONTACTだけを置き、映像を邪魔しない作りです。
シンカ株式会社|写真を丸く切り抜いて白地に浮かべる

https://recruit.shinka-inc.com/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
このサイトのファーストビューには、背景写真がありません。福岡市で通信インフラ工事と電気設備工事を手がける会社で、白地の左側に「センを、つなげ。」と、線と点で組んだロゴタイプだけを置いています。作業写真はすべて丸く切り抜き、右半分にゆっくり浮かび上がらせることで、現場の情報量を白地の中に閉じ込めています。
通信工事は「線をつなぐ仕事」なので、文字そのものを線と点で描き、オレンジの波紋で信号を表しているのは、業種の説明を図案に置き換える判断だと思われます。メニューは右上の緑の四角1つにまとめられ、画面の余白を最後まで守っています。
東邦電気工事株式会社|社員の本音を短冊にして散らす

https://www.toho-kk.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
社員15名ほどの会社が「働きやすさ」を書こうとすると、どうしても抽象的な言葉が並びます。一宮市で工場の電気設備工事を手がけるこの会社は、「倉庫がキレイで使いやすい」「社長との距離が近い」「資格がたくさん取れる」と、社員が実際に口にしそうな理由を8つの短冊にして、中央の「どえりゃ〜!!」の周りに散らしています。
尾張の方言を見出しにしたのは、地元の求職者に向けた合図でしょう。その下には社員の写真を10枚以上、丸や斜めに切り分けて帯状に並べ、少人数でも全員の顔が出せる構成にしています。ヘッダーに電話番号を大きく出しているのも、ネット応募より電話のほうが早い層を想定した作りに見えます。
株式会社山口電気|写真を同じ枠にそろえて掲示する

https://yamaden-nagano-recruit.com/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年10月時点のものです。
長野市の、社員10名ほどの電気工事会社です。ファーストビューは方眼紙のような地に、作業写真を横に流すスライダーを置いた作りで、写真ごとに黄色の板を少しずらして重ね、1枚1枚を掲示物のように見せています。プロのカメラマンでない写真でも、同じ枠に収めれば並びとして整う、という判断でしょう。
左上の「電気工事士は」「やっぱり面白い!」は、黒枠の吹き出しを2段に分けて貼ってあり、現場の声をそのまま書き出した掲示板の体裁です。右下には「新卒の方へ」「中途経験者の方へ」を黄緑と水色のボタンで並べ、入口を最初から2つに分けています。
業種を横断して他の参考サイトも探したい方は、こちらの事例集をご覧ください。
参考記事:『【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に』
参考サイトを自社に活かす作り方と、制作の3ポイント
事例の「雰囲気」から入ると、見た目は整っているのに応募につながらないサイトになりがちです。正しい作り方の順番は、まず採りたい人物像を決め、次にコンテンツ構成を組み、最後にデザインへ落とし込む流れです。この順番を守ることが、制作における最重要ポイントになります。

- ①採りたい人物像を先に決める:未経験の若手なら育成とキャリアの見える化が主役になります。一方で、経験者や有資格者を狙うなら、任される裁量や待遇の開示を前に出してください。
- ②コンテンツ構成を不安の順に組む:仕事紹介(施工種類別)から始まり、キャリアステップ、1日の流れ、社員の声、そして募集要項へとつなぎます。求職者が抱く不安を一つずつ順番に解いていく構成にしてください。
- ③撮影だけはプロに任せる:現場のディテールや装備の質感は、写真の技術で写り方がまるで変わります。全体の予算を抑える場合でも、撮影だけはプロのカメラマンに依頼するコスト配分をおすすめします。
参考記事:『【事例11選】製造業のイメージを変える採用サイトデザイン|若手にどう見せる?』
電気工事・設備の採用サイトについてよくある質問
Q1. おしゃれなデザインにすれば若手の応募は増えますか?
おしゃれさ単体では動きにくい、というのが正直なところです。若手の求職者に効くのは、見た目の今っぽさではありません。「しっかりと育ててもらえる道筋」と「実際に働く人の顔」が具体的に見えることのほうが重要です。
Q2. 事例のデザインをそのまま真似してもいいですか?
構成や切り口の考え方を参考にするのは有効ですが、写真の構図や言葉選びまで似せるのはおすすめしません。求職者が採用サイトで確かめたいのは「この会社の実際の姿」だからです。骨組みだけを借りて、中身は自社の現場と社員のリアルな情報で埋めるのが基本になります。
Q3. 採用サイトに最低限必要なコンテンツ構成は何ですか?
施工種類別の仕事紹介、資格取得から続くキャリアステップ、社員インタビュー、1日の流れ、そして募集要項と応募導線の5つが土台になります。もし余力があれば、「数字で見る会社紹介」や「よくある質問」を足してください。
Q4. 制作費用はどのくらいかかりますか?
デザインの作り方によって、大きく3つの価格帯に分かれます。テンプレート活用型が75万〜100万円、必要最低限のオリジナル型が90万〜120万円、完全オリジナルデザイン型が150万〜300万円です。これが弊社の実績ベースの目安になります。現場の撮影を何箇所で行うか、職種をいくつ立てるかでコンテンツ量が変わるため、そのぶん費用が上に寄る場合もあります。なお、どのパッケージであっても、サイト制作のベースとなる「戦略設計」はしっかりと実施したうえでプランを展開しています。
内訳となる4つの工程や、価格差がどこで生まれるかについては、費用相場の記事で詳しく解説しています。
参考記事:『【Q&A】採用サイト制作の費用相場は?価格帯3タイプと内訳4工程をまとめて解説』
Q5. 職人の高齢化が進んでいて、載せられる若手がいません
若手がいない場合は、在籍しているベテラン社員の入社当時の話や、育成に対する考え方を語る形でも十分代わりになります。「若手がいない」という事実を隠すよりも、「だからこそ次の担い手を本気で育てたい」という文脈に変えて見せる方が、求職者に誠実さが伝わることが多いです。
「見せる技術」と「見つけてもらう露出」は両輪
紹介した10社に共通するのは、デザインの奇抜さではなく「求職者の不安に、どの順番で答えるか」という設計の丁寧さです。同じ制作費をかけても、この設計があるかどうかで採用サイトの働きはまるで変わります。また、受け皿となるサイトをどれだけ磨いても、求人が求職者に見つけてもらえなければ応募は生まれません。露出(応募者の母数を増やす取り組み)と受け皿(採用サイト)は両輪です。職人の採用が難しい今だからこそ、この2つを一緒に設計する必要があります。
まずは、サイトのトップに置く1枚の写真を決めてみてください。現場で作業している写真にするか、事務所で話している写真にするか。弊社が制作した2社も、入口が分かれていたのはこの一点でした。いま自社の手元にある写真で、どちらの方向性が用意できるかを確かめるだけでも、どのような人物像を求めているのか整理できるはずです。
それでも見せ方の設計が難しいと感じたら、ご相談ください。弊社・地方採用ワークスは、1,430社以上のウェブ制作・マーケティング支援で培った制作の知見と、採用活動の代行(リープ・リクルーティング)の両輪で、地方企業の採用を支援しています。
いきなりサイトを作り直す前提でなくて構いません。「まずは自社の見せ方にどんな課題があるのか整理したい」といった段階でもお受けしています。御社の現場や採用の状況をうかがったうえで、最適な進め方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。