ベージュ・ブラウンの採用サイトデザイン事例10選|配色の考え方
採用サイトの配色を考えていて、「派手な色は自社らしくない。かといって白だけだと素っ気ない」というあたりで、ベージュやブラウンが候補に挙がってくる方は多いと思います。落ち着いていて、どこか温かい。ただ、いざ使うとなると「地味にならないか」「若い人に響くのか」が気になって決めきれないのが実際のところです。
先にお伝えしておくと、ベージュ・ブラウンは採用サイトと相性のいい配色です。ただし「無難だから」ではありません。この色でしか出せない印象があり、それが合う会社とそうでない会社があるからです。
この記事でわかること
- ベージュ・ブラウンが求職者に与える印象(心理効果)
- 採用サイトのデザイン事例10選と、見るべきポイント
- カラーパレットの組み方と「ロゴの色をそのまま使う」落とし穴
- フォント・あしらい・写真の合わせ方と、業種との相性
ベージュ・ブラウンの採用サイトはどんな印象を与えるか|色彩心理から見る
結論から言うと、ベージュ・ブラウンは「安心感・誠実さ・自然体・上質さ」を同時に伝えられる、数少ない配色です。土・木・紙・革といった自然物を連想させる色なので、見る人の警戒心を解き、「飾っていない会社」という印象をつくります。彩度が低く目に穏やかなため、長く読ませる採用サイトとも好相性です。
心理効果の面では、こういった働きがあります。
- ベージュ:柔らかさ・安心感・清潔感。白ほど無機質にならない、肌なじみのいい背景色
- ブラウン:安定・信頼・歴史・上質さ。濃さによって「重厚」から「ナチュラル」まで振り幅がある
- 2色の組み合わせ:暮らしに近い温かみ。「この会社での毎日」を想像させるトーンをつくる
もう一つ、実務的に効く点があります。求人媒体や競合の採用サイトは、青や赤といったはっきりした色が多いんですよね。その並びの中で、ベージュ・ブラウンのサイトは静かなのにかえって目を引きます。強く主張しない色が、比較の場面では差別化になるというわけです。
ベージュ・ブラウンの採用サイトデザイン事例10選
ここからは、ベージュ・ブラウン系の採用サイトでよく機能している10の型を、制作サイドの目線で見ていきます。判断の基準は「色がきれいか」ではなく、採用サイトとして機能しているかです。配色がターゲットに合っているか、写真とトーンが揃っているか、コンテンツが読みやすいか、の3点で見ています。
型1|全面ベージュ×余白の上質型
背景をベージュ一色で通し、余白をたっぷり取って情報を絞る型です。飾らないのに安く見えない、この配色ならではの品が出ます。老舗や士業など、落ち着きと信頼で選ばれたい会社の第一候補です。
型2|ベージュ×深緑の自然派型
ベース色に深緑を差すと、自然・誠実の方向へ印象が締まります。住宅・農業・食品のように、素材や土地と結びついた仕事と好相性です。緑の面積を絞るほど上品にまとまります。
型3|濃いブラウンで締める重厚型
見出しや帯に濃いブラウンを使い、歴史と安定を前に出す型です。創業の長い会社が「古い」ではなく「続いてきた」を見せたいときに機能します。重くなりすぎたら、生成りの余白で抜きます。
型4|テラコッタを差した温かみ・活気型
れんが色のアクセントは、温かみに活気を足します。介護・保育のように人の空気が魅力の職場で、「やさしいだけでなく元気もある」を色で語れる組み合わせです。
型5|生成り×明朝の和モダン型
生成りの背景に明朝体を合わせると、和の上質さに寄ります。旅館・和菓子・伝統工芸など、和の世界観がそのまま職場の魅力になる会社に向いた型です。
型6|木の質感と一体化させる工務店型
木材の写真や木目の質感とブラウンを地続きにする型です。仕事で扱う素材とサイトの色が一致するため、世界観に説得力が出ます。工務店・家具・木工では定番の強さがあります。
型7|紙の質感×手書きあしらい型
紙のようなテクスチャと手書き風の線を重ね、人の手のぬくもりを出す型です。小規模でスタッフの人柄が魅力の会社ほど効きます。作り込みすぎると狙いが透けるので、あしらいは少量に留めます。
型8|白×ベージュのナチュラル清潔型
白を多めに残してベージュを柔らかさの補助に使う型です。白単色の無機質さを避けつつ清潔感は保てるため、医療・福祉系でも使えます。ベージュの面積調整だけで印象を操作できる、応用の効く構成です。
型9|写真が主役でベージュは脇役型
トーンを揃えた日常写真を大きく使い、ベージュは写真を邪魔しない背景に徹する型です。配色より写真の質で勝負する分、撮影への投資が前提になります。人の表情が最大の魅力の会社向きです。
型10|ブラウン×ネイビーのきちんと型
ブラウンにネイビーを合わせると、温かみときちんと感が両立します。士業・医療・金融まわりなど、信頼が第一条件の業種で「堅苦しくない誠実さ」を出したいときの選択肢です。
実在のサイトを見るときは、次の3点に注目してみてください。後の章の解説が、実例と結びついて読めるはずです。
- ベージュがどこに使われているか:背景全面か、セクションの区切りか
- アクセント色に何を合わせているか:深緑・テラコッタ・ネイビーなど、少量の差し色
- 写真のトーン:写真そのものが世界観に揃えられているか
カラーパレットの組み方|「ロゴの色をそのまま使う」が一番の落とし穴
うまくいっているサイトは色数が少なく、配分が整理されています。カラーパレットを組むときは、ベース色を広く敷き、メイン色を要所に置き、アクセント色はごく狭い面積に留めるのが定石です。ベース7・メイン2〜3・アクセント1弱くらいの面積比が、実務でよく使われる経験則としての目安になります。ベージュを背景のベース色に、ブラウンを見出しまわりのメイン色に、残り5%に何を差すかで印象が決まります。相性のいいアクセント色は、たとえばこのあたりです。
- 深緑:自然・誠実の印象を強める。製造・農業・住宅と好相性
- テラコッタ(れんが色):温かみと活気を足す。人の雰囲気を打ち出したいときに
- ネイビー:締まりと信頼感を足す。士業・医療など、きちんと感が要る業種に
- 白・生成り:余白と組み合わせて、抜け感と上質さに寄せる
そして、ここで一番お伝えしたい落とし穴が「ロゴの色をそのまま使いましょう」という決め方です。ロゴの色は会社の顔として設計されたものであって、採用ターゲットの感性に合わせて選ばれた色ではありません。20代の求職者に届けたいのに、創業時に決めた原色のコーポレートカラーで採用サイトを塗ると、届けたい相手とトーンがずれてしまう。採用サイトの色は、会社側の事情ではなく「誰に届けるか」から逆算して決めるものだと考えています。
ちなみに弊社では、配色をキックオフでの擦り合わせ→ターゲット設定→コンセプト策定→色彩心理に基づく色の選定、という順序で決めています。色決めが最初ではなく最後に来るのは、この逆算のためです。
フォント・あしらい・写真の合わせ方|この配色は「質感」で差がつく
ベージュ・ブラウンは色の主張が控えめな分、フォント・あしらい・写真といった質感の要素が仕上がりを左右します。
- フォント:明朝体なら上質・和の方向へ、丸みのあるゴシック体なら柔らかく親しみやすい方向へ。どちらに寄せるかはターゲット次第です
- あしらい:紙や布のような質感、手書き風の線、たっぷりした余白。作り込みすぎない飾りが「自然体」を引き立てます
- 写真:ここが一番重要です。彩度の高い写真を置くと世界観が崩れるため、自然光を活かした落ち着いたトーンでサイト全体を揃える必要があります
とくに写真は、配色を設計しても素材の質で台無しになりやすいところです。ベージュ・ブラウン系のサイトは「本当の日常が見えている感じ」が命なので、撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当だと考えています。ちなみに弊社では撮影前に、欲しい場面・構図・雰囲気を言語化した撮影指示書を作ってカメラマンに渡し、世界観のずれを防いでいます。
業種との相性|ベージュ・ブラウンが効く会社、効きにくい会社
この配色が効きやすいのは、「人柄」「暮らし」「手仕事」「歴史」が魅力の中心にある会社です。
- 食品・菓子製造:素材感・安心感がそのまま伝わる
- 住宅・工務店・家具・木工:木の色との親和性が高く、仕事の世界観と直結する
- 介護・福祉・保育:威圧感のない温かさが、職場の空気を伝える
- 旅館・カフェなどの接客業/創業の長い会社・士業:上質さと誠実さを、堅苦しくなく見せられる
一方で、スピード感や革新性を前面に出したい会社だと、この配色は狙いとずれることがあります。その場合はネイビーやモノトーン系のほうが噛み合うかもしれません。ただし「業種で機械的に決める」のは、ロゴ色の話と同じ落とし穴です。あくまで、採りたい人物像がどんなトーンに惹かれるかから逆算して選んでください。
弊社がこの配色を提案するかどうかを判断するとき、見ているのは業種名ではなく3つの条件です。①採りたい人の転職動機が「安心して長く働きたい」寄りか、②会社の魅力の中心が事業の派手さではなく人と日常にあるか、③その日常を撮った写真素材でトーンを揃えられるか。この3つが揃う会社には、業種を問わずベージュ・ブラウンを候補に入れます。逆に、採りたい人の動機が「成長したい・挑戦したい」寄りで、実際の社風もそちらに振れているなら、温かみより勢いの出る配色を選びます。色の提案理由を「業種がこうだから」ではなく「採りたい人がこう感じるから」で説明できるか。これが配色決定の最終チェックだと考えています。
ベージュ・ブラウンの採用サイトに関するよくある質問
Q1. ベージュ・ブラウンだと地味で、他社に埋もれませんか
むしろ逆のケースが多いです。求人媒体や競合サイトには彩度の高い色が多く、その並びでは落ち着いた配色のほうが目に留まります。埋もれるとすれば色ではなく、写真やコンテンツが弱い場合です。
Q2. ロゴが原色なのですが、ベージュ・ブラウンの採用サイトにできますか
できます。ロゴの色とサイトの配色は分けて考えて問題ありません。ロゴはアクセント的に置き、サイト全体はターゲットに合わせたトーンで設計する形が現実的です。
Q3. ベージュ系は流行で、数年で古くなりませんか
自然物由来の色は流行の影響を受けにくく、むしろ長持ちしやすい部類です。古びるのは色よりも写真と情報の鮮度なので、公開後の更新体制のほうが寿命を決めると思います。
色は「会社の顔」ではなく「求職者に届ける設計」──配色から先の話
ベージュ・ブラウンの採用サイトは、安心感・誠実さ・自然体という、地方の中小企業が本来持っている魅力と噛み合いやすい配色です。ただ、効くかどうかを決めるのは色そのものではなく、誰に届けるかという設計と、写真・フォント・あしらいまで揃える一貫性です。
他の色やテイストの事例も見比べたい方は、業種別に34サイトをまとめたこちらから入るのが早いと思います。
【業種別】地方企業でおしゃれな「求人・採用サイト」のデザイン事例集≪34選≫
求職者は、数多の企業から応募を検討するわけですから、第一印象に直結する「サイトデザイン」は非常に重要です。 しかし、漠然と「カッコよくしたい!」「オシャレにしたい!」というイメージだけで、「具体的なイメージまで落とし込めていない…」という方も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、弊社がご
ベージュ・ブラウンと迷いやすい、近い色味・印象の記事もあわせてどうぞ。
参考記事:『【事例10選】白の採用サイトデザイン|誠実さが伝わる余白の使い方』
参考記事:『【事例9選】灰色(グレー)の採用サイトデザイン|落ち着きと信頼はどう出す?』
参考記事:『【事例10選】アットホームな採用サイトのデザイン|「らしさ」はどう伝える?』
配色は採用サイトづくりの一部で、その手前にはターゲット設定とコンセプトの整理があります。「自社に合う色が分からない」という段階でも大丈夫です。まずは御社がどんな人を採りたいのかをうかがったうえで、配色を含めた見せ方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。
