【事例10選】白の採用サイトデザイン|誠実さが伝わる余白の使い方
「——無難に白でいきましょうか」
採用サイトの色を決める打ち合わせで、このような結論になる場面をよく見かけます。しかし、白を選んだ会社ほど、その後の制作で行き詰まることが多いのが正直なところです。
白は無難な色だという誤解がありますが、決して簡単な色ではありません。写真の質や原稿の量、情報の整理具合など、ごまかしたい部分が白い画面の上ではすべてそのまま見えてしまうからです。逆にいえば、そこさえしっかりと用意できていれば、白ほど企業の誠実さがまっすぐ伝わる色もありません。
つまり白は、中身が伴っている会社だけが強く見える色なのです。
この記事でわかること
- 白の採用サイトが求職者に何を伝える色なのか
- 白を選んだときに準備が必要になるもの
- 業種ごとの差し色の考え方
- 実際に白を基調にしている採用サイトのデザイン事例10社分
白の採用サイトが伝えるのは「誠実さ」と「透明感」
白は、そのデザインが持つ清潔感や透明感を通じて、企業の誠実さや信頼性を視覚的に伝えてくれます。求職者が採用サイトを開いたとき、最初に受け取るのは文章ではなく画面全体の印象です。そのため、文章を読ませる前に「隠しごとのない会社だ」と感じてもらえる点が、白を選ぶ最大のメリットになります。
『ホワイト企業』という言葉があるように、白色の採用サイトは、応募者にクリーンでオープンな企業文化を直感的に伝えます。入社前にこうした印象を持ってもらうことで、入社後のギャップを防ぐ効果も期待できます。白の持つ「純粋さ」や「信頼感」が、企業の魅力を効果的に引き立ててくれるのです。
業種を選ばないのが白の強み
後ほど紹介する事例を見ていただくとわかりますが、建設、歯科医療、IT、広告、化粧品と、さまざまな業種の企業が白を選んでいます。緑や青のように「この業種に向いている」という縛りがないのが白の特徴です。
その反面、白を選んだだけでは他社と差がつきません。差がつくのは、白い背景の上に何を置くかという点です。
白を選ぶなら、先に用意しておきたい3つのこと
白の採用サイトは、デザインの良し悪しよりも「素材が揃っているか」で仕上がりが決まります。制作に入る前に、この3つを確認しておいてください。
1. 写真の質|白の上では、粗も全部出る
背景が白い画面では、求職者の視線は自然と写真に集まります。そのため、暗い写真や傾いた写真、社内の雑然とした背景が写り込んだ写真は、粗が目立ちやすくなります。
白を基調としたサイトでは、写真の質がそのまま企業の印象に直結します。だからこそ、撮影だけはプロのカメラマンに依頼することをおすすめします。弊社がこう繰り返しお伝えしているのは、白基調のサイトではとくに写真の質が影響するからです。
2. 情報量を絞る勇気|余白は削り代ではない
「せっかくスペースがあるから」と要素をどんどん足していくと、白は途端に「隙間を埋めそこねた画面」に見えてしまいます。
余白は余りではなく、読ませたい一点に視線を集めるための設計です。求職者に伝えたいことを3つ程度に絞り込めるかどうかが、白基調のサイトを美しく見せる分かれ目になります。
3. 差し色1色で「業種の温度」を出す
白だけでは会社の個性は伝わりません。青系を足せば技術的な誠実さが、木のトーンやベージュを足せば人の温かさが伝わります。モノクロで締めれば、ブランドの硬質な雰囲気を出すこともできます。
事例でも、青い葉脈を背景に敷いたシステムメトリックス様と、モノクロで統一したBULK HOMME様では、同じ白基調でも受け取る印象がまったく違います。採りたい人物像を決めてから、差し色を1色だけ選ぶ。これが、遠回りに見えて一番確実な進め方です。

「はたらく人の顔」が見える白のデザイン事例
ここからは、Webデザイン的な観点も踏まえた「白」の採用サイトを紹介していきます。まずは、白の上に働く人の写真を主役として置いたタイプから。「(制作:地方採用ワークス)」と書かれたサイトは弊社の制作実績です。
株式会社岡島ホールディングス 様(住宅建材販売・建具製造)

https://recruit.okajima-h.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
白を背景としてではなく、人物を切り抜いて置くための条件として使いました。地を白1色に決めたので、社員8人を別々に撮って合成しても影の付き方がそろいます。8人はスーツ、事務服、作業着とばらばらの装いで、青い「OKAJIMA」の文字に寄りかかったり、脚立に座ったりしています。白の面積が大きいほど、切り抜きの輪郭のあらが目立つため、髪の毛の際まで処理を通しました。上部の「関ケ原から 建築・建設業界で働く、を新しく。」は黒のまま置き、青と白の2色構成に対して3色目を最小限にとどめています。右上のENTRYだけが黄緑で、白い画面の中で1点だけ強い色になります。
株式会社ノエル 様(外構設計・エクステリア工事)

https://recruit.noel-garden.jp/(制作:地方採用ワークス)
左半分に置かれているのは、純白ではなく生成りに寄せた地の色です。その上に「Design for living」をセリフ体で大きく組み、日本語のコピーを小さく添えるだけにとどめています。白を白のまま使わず、わずかに色みを残すことで、右側の写真の色と地の色を近づけました。右半分には高さの違う写真を6枚並べ、図面を指す手元、モニターを囲む3人と、打ち合わせの場面ばかりを選んでいます。完成した外構が写っているのは6枚のうち1枚だけです。写真の密度と余白の差が画面を左右に分けるので、線で区切らずに構造が伝わります。
株式会社市川工務店 様(土木・建設・ゼネコン)

https://www.ic-group.co.jp/recruitment/(制作:地方採用ワークス)
画面の白は、地の色ではなく写真の中の空です。造成現場を後ろから撮り、上半分を晴天の空に譲ってあります。余白を紙の側で作らず、被写体の中に見つけて使いました。4人の作業員は全員が後ろを向いていて、顔は1つも写っていません。視線の先にはクレーンと重機が並び、現場の広さがそのまま奥行きになります。縦組みの「暮らしをイチから」は白抜きで、空の明るい部分に置いても読める太さに調整しました。上部のナビゲーションは細い線で左右に振り分け、中央にはロゴだけを残しています。写真の中心を空けたまま機能を成立させる置き方です。
佐藤歯科医院 様(歯科医療サービス・矯正歯科・訪問歯科診療)

https://recruit.dentist-sato.com/(制作:地方採用ワークス)
白衣ではなく、淡い桃色とグレーのスクラブで7人をそろえています。背景の診療室も白く飛ばしてあり、画面の中でいちばん濃い色は袖の紺です。白の中に白を重ねる構成なので、明度差ではなく人の輪郭だけで画面を持たせました。手前の床のグレーがわずかに沈み、7人が立っている位置が分かります。左側の「いい笑顔をつくる仕事」は黒の明朝で、その上に水色の筆記体「Make a Good Smile」を重ねました。白の上では線の細い書体が飛びやすいのですが、黒と水色の2段構えにすることで読みを確保しています。右上のENTRYは橙色で、唯一の暖色です。
おしゃれさを打ち出す白のデザイン事例
続いて、白を「洗練」の方向に振り切ったタイプです。人物写真よりも、余白とタイポグラフィで世界観を作っているのが共通点になります。
システムメトリックス株式会社 様(ソフトウェア開発・販売)

https://www.systemmetrix.jp/(制作:地方採用ワークス)
IT企業の採用サイトは白を使う例が多く、それだけでは他社と並んだときに区別がつきません。この画面は白を地に敷かず、街路樹の並ぶ大通りの写真を青一色に沈めてから、その上に社名を黒で置きました。白を余白ではなく、文字が乗る面としてだけ残しています。「SystemMetrix」はセリフ体で、その下の「RECRUIT SITE」は白抜きの細い英字です。写真は名古屋の街並みで、地方に本社を置く会社であることが背景から読み取れます。色数を青と黒と白の3つに絞っているぶん、社名の書体の選び方が画面の性格を決めています。
BULK HOMME(メンズスキンケアブランド)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
白い地の中央にあるのは、無数の黒い点で描かれた地球です。粒は輪郭に近いほど密で、内側は抜けています。面で塗った図形ではなく、点の密度だけで球体を作ったのだと思われます。その上に「GLOBAL No.1 BRAND」の黒い太字が重なり、文字と図形が同じ層で読めます。日本語は「メンズスキンケアブランド世界シェアNo1」の1行だけです。商品の写真もモデルも出てきません。化粧品のブランドが自社の採用ページで製品を見せない選択は珍しく、扱う物より事業の規模を先に置く判断だと読めます。左右の端に細い線と数字を配し、白が空きすぎないよう支えています。
株式会社 ALL CONNECT(販売代理業・MVNO事業・EC/メディア事業)

https://www.all-connect.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
社員の写真を長方形の板に入れ、斜め45度に傾けて階段状に並べています。板の中には氏名のイニシャルと入社年、職種が縦組みで入り、白い地の上を右上へ向かって流れていきます。人物紹介の一覧を、名簿ではなく斜めのタイルとして画面に敷いたのでしょう。それぞれの板の背景も白なので、写真と地の境目がほとんど分かりません。左側のコピー「切り拓く未来を、あなたらしくにぎやかに。」は黒の太い書体で3行に組み、傾いたタイルに対して水平の線を作っています。右下の3つの円形ボタンだけが青で、白の中で操作できる箇所を示しています。
株式会社HA-RU(ダクト工事・保温工事)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
ダクトも配管も、施工中の建物も出てきません。写っているのは灯台の立つ岬と、そこにダクトの筒を1本だけ持ち込んで空へ向けている作業員です。工事の説明を全部外し、扱う物を1本だけ屋外に持ち出したのだと思われます。白は地の色ではなく、灯台と雲の色として写真の中にあります。「CREATE GOOD AIR」の白い太字は空と海に重なる位置に置かれ、背後には同じ語を輪郭線だけで薄く敷いてあります。日本語は「いい空気を創る」の小さな1行だけです。空気という見えないものを扱う会社が、風景の抜けの良さで事業を言い換えた構成になっています。
NPO法人HELLOlife(就労支援・人材支援)

https://co.hellolife.jp/about/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
大阪の就労支援を手がけるNPOのサイトです。画面の中央に黄色い人型のロゴを1つだけ置き、それ以外を全部白で空けています。写真もイラストも罫線もありません。空けた白の下に添えてあるのは、雨のなかで踊ることを学ぶ、という短い引用文だけです。情報量を減らすほど1つの要素が強くなるという単純な理屈ですが、実際にここまで空けられる組織は多くありません。白を「背景」ではなく「置かなかった場所」として扱うと、こういう画面になります。ロゴの黄色だけが唯一の色なので、スクロールする前に組織の名前とマークが確実に残ります。
STAR MAIN株式会社(経営・人事コンサルティング)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
経営と人事のコンサルティング会社のサイトです。白い地に、青と灰色の多面体を散らしたCGを1つ置いています。無形のサービスを扱う会社は、写真の題材が会議室と握手しかなく、どこも同じ画面になります。図形に切り替えると、少なくとも他社と入れ替えの利かない絵にはなる。多面体を選んだのは、面の数だけ角度があるという読み方ができるからでしょう。白の面積を7割ほど残して、明朝の「変革を求める経営と人事のパートナー」を図形の下に置き、文字が図形に負けないようにしています。図形に落とす影をごく薄くしているのも、白の地を濁らせないための処理です。
※ご紹介しているサイトの中で、「(制作:地方採用ワークス)」と書かれたサイトは弊社の制作実績です。その他のサイトは弊社の制作実績ではございませんが、本記事の切り口に沿う事例としてご紹介させていただきました。制作をされた制作会社様で、掲載の取り消しをご希望の場合は速やかに対処させていただきますので、弊社までご連絡くださいませ。
色を絞らず、業種ごとに幅広く採用サイトのデザインを見比べたい場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【保存版】採用サイトのデザイン事例32選|参考にしたい地方企業を業種別に
「採用サイトのデザインを探しはじめると、たいてい途中で手が止まります。ギャラリーサイトを開けば都心の大企業や有名ブランドの事例ばかりが並び、『うちの規模でこれは無理だ』と閉じてしまう」——地方の中小企業で採用を担当している方から、よくお聞きする状況です。 ここで必要なのは、かっこいい採用サイト
白の採用サイトについて、よくある質問
Q1: 白の採用サイトは、地味に見えてしまいませんか
情報をしっかりと絞り込めていれば、地味にはなりません。地味に見えてしまうのは、白の面積が広いからではありません。白の上に置いた写真と文章が弱いときです。逆にいえば、質の高い写真と言葉さえ用意できれば、白は過度な装飾に頼らなくても力強く見せられます。
Q2: コーポレートサイトが白なら、採用サイトも白で揃えるべきですか
必ずしも揃える必要はありませんが、揃えておくと求職者が入社後に感じるギャップは減ります。採用サイトはコーポレートサイトとは役割が違うため、求職者に持ってほしい印象を優先して構いません。ロゴや会社案内との共通点をどこかに残しておけば、印象がバラバラになることは防げます。
Q3: 白基調にすると、写真の撮り直しは必須ですか
今ある写真で十分なケースもありますが、暗い写真や背景が雑然としている写真が多い場合は、撮り直しをおすすめします。白い画面はごまかしが効かないため、写真の質がそのまま企業の印象になってしまいます。制作費のなかで、撮影に予算を多く割り振るのは良い判断だと考えています。
Q4: 差し色は何色まで使っていいですか
基本は1色、多くても2色に留めてください。事例で紹介した印象に残るサイトは、どれも差し色を絞っています。使う色数が増えるほど白の効果は薄れてしまい、「白を基調にした意味」がなくなってしまいます。
色より先に決まっていないと、白は活きない
白の採用サイトは、質の高い写真と整理された情報が揃っている会社だけが、力強く見える色です。
裏を返せば、サイトの色を決める前に「誰に来てほしいのか」「その人に何を伝えるのか」が明確になっているかのほうが、はるかに重要です。まずは社内で、採用したい人物像と、その人に伝えたい自社の強みを3つほど書き出してみてください。そこが決まっていれば、白でも青でも、求職者にしっかりと伝わるサイトの土台ができあがります。
弊社、株式会社リーピーは、全国の地方企業に1,420社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用においては、求人媒体への露出から選考の過程まで、地方企業向けに一貫した支援を提供しています。製造、建設、運送、医療、飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を数多く見てきました。
「写真から見直したい」「今のサイトのどこが弱いのか分からない」といった段階でも構いません。まずは御社の業種や規模、採用の状況をお聞きしたうえで、最適な進め方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。