【高卒採用】保護者・先生向けページには何を載せる?押さえたい3つの視点
「高校の推薦で何とかなっていた」──高卒採用について地方企業の担当者から、このような振り返りをよくうかがいます。いざ「生徒に選んでもらう側」に回ったとき、先生や保護者に渡せる判断材料が手元になく、困っている企業は多いです。
兼務で採用活動をしていると、どうしても高校の推薦に頼りきりになり、自社の情報を整理するところまで手が回らなくなります。そのなかでよくあるのが、採用サイトのターゲットを「高校生本人だけ」にしてしまうという誤解です。
高卒採用は学校経由が中心であり、本人よりも先に、先生と保護者がWebで会社を調べることがカギになります。この記事では、高卒採用サイトにおいて、先生・保護者・高校生本人それぞれに向けて何を書くべきかを順番に整理します。
この記事でわかること
- 高卒採用サイトに「保護者・先生向けページ」が必要な理由
- 先生向け・保護者向けに、それぞれ何を書けばいいのか
- 高校生本人に向けたページとの書き分け方
- 実際に「保護者・先生向け」ページを設けている企業の例
高卒採用サイトは、本人より先に先生と保護者が見る
高卒採用では、企業を選ぶ判断に先生と保護者が深く関わります。そして、その2者は本人よりもWebで会社を調べます。採用サイトの読み手を高校生本人だけに設定すると、いちばん熱心に読んでいる相手に何も届かないまま終わってしまいます。「保護者・先生向けページ」は、その取りこぼしを塞ぐためのものです。
高卒の就職活動は「学校経由」が中心
弊社の整理では、高卒採用は学校からの紹介による面談がほとんどです。本人がWeb上で自分から企業を探して動く場面は、大卒や中途採用に比べると多くありません。募集職種も工場系などが中心になりやすく、いわゆる就職サイトを回遊しながら比較する、という行動にはなりにくいところがあります。
では、高卒向けの採用サイトは読まれていないのかというと、そうではありません。本人は「探すため」ではなく「確かめるため」に見に来るからです。
学校で紹介された会社名を、あとから検索して確認します。そしてその隣で、保護者が同じページを開いています。先生も、生徒に薦める前に一度は目を通しています。高卒採用サイトの読まれ方は、この順番で起きているというのが実際のところです。
なお、求人票の提出時期や学校訪問といったスケジュール面の動き方は、別記事で整理しています。高卒採用のスケジュールとルールを見る
先生と保護者が探しているのは「安心できる材料があるか」
膨大な求人情報の中から、生徒に薦める1社を選ぶのは簡単なことではありません。だからこそ先生や保護者は、「卒業生がいる」「採用担当者の顔がわかる」「知名度がある」といった安心材料のある企業を優先しやすくなります。
これは裏を返せば、知名度で劣る地方の中小企業でも、安心材料をWeb上に自分で置いておけば土俵に乗れるということです。求める人物像や仕事内容をわかりやすく伝える。誰が採用を担当しているのかを見せる。紙の高卒採用パンフレットと同じ内容を、Webからも確認できるようにしておく。順番に潰していけば、「よく分からない会社」から抜け出せます。
先生向けに載せるのは「生徒を預ける判断材料」
先生が見ているのは、待遇の良し悪しよりも「生徒を預けて大丈夫か」です。離職率の低さ、育成環境の整備状況、福利厚生の充実度。この3点について、自社の取り組みや実績を具体的に書けているかどうかで、先生の反応はかなり変わります。
生徒を預ける判断材料を、具体的に示す
先生方は生徒の将来を真剣に考えたうえで、慎重に就職先を選びます。そのため、「アットホームな職場です」のような形容では判断材料になりません。
入社後1年目に何を教えるのか、教える担当者は誰なのか、資格取得の支援はあるのか。制度の名前ではなく中身まで書いてあると、先生は生徒に説明しやすくなります。
「推薦しやすさ」までつくり込む
先生が生徒に企業を薦めるとき、先生自身の言葉で説明することになります。ですから、先生が説明しやすい形に整理されているかが、そのまま推薦のされやすさに響きます。
求める人物像と仕事内容は、先生が転記できる粒度まで落としておいてください。専門用語は避けて短く言い切ります。
学校との関係は、単年で終わらない前提で書く
高卒採用は、一度取引ができた高校と長く付き合っていく採用です。今年の募集要項の告知ではなく、会社としてどう人を育てているかの説明に寄せる。
翌年も同じページを見てもらえる、という前提で書く。ここは大卒採用のページ設計と発想が違うところです。
保護者向けに載せるのは「安定性」と「価値観の接点」
保護者が気にしているのは、我が子がその会社で長く働けるかどうかです。会社の安定性と将来性、そして働く人の顔。ここが見せられると、保護者は反対する側から後押しする側に回ります。
会社の安定性と将来性は、抽象論にしない
財務状況や事業計画、社員教育への取り組みを、書ける範囲で具体的に示します。すべての数字を公開する必要はありませんが、何の事業で、誰を相手に、どうやって利益を出しているのかは読み取れる状態にしておくことが大切です。
保護者は業界に詳しくないぶん、事業の説明が地に足のついた言葉かを見ています。
家庭の価値観と重なる部分を、言葉にしておく
保護者は、家庭の教育方針と企業の考え方が合っているかを確かめようとします。会社が何を大事にしているのか、地域に対してどう関わっているのか。
このあたりは経営者本人の言葉で語られると強く効きます。代表メッセージのページと連動させてください。心に響く代表メッセージの書き方
先輩社員の姿が、いちばんの安心材料になる
制度の説明を10行書くより、先輩の写真とコメントが1つあるほうが安心されます。同じ高校の出身者が在籍しているなら、その人に登場してもらう。
保護者にとっても先生にとっても、これ以上分かりやすい材料はそうありません。
高校生本人に見せるのは「働く自分の姿」
高校生本人向けのページは、保護者・先生向けとは目的が違います。本人が知りたいのは、安定性や制度ではなく「自分がそこで働く姿」です。
保護者・先生向けと本人向けを1ページにまとめようとすると、どちらにも刺さらない中途半端な文章になります。
一日の流れ、若手の声、職場の写真
高校生が関心を持つのは、実際の仕事内容と職場の雰囲気、そして人間関係です。
1日の仕事の流れ、入社2〜3年目の社員の声、職場の様子が伝わる写真。この3点で「想像できる会社」に変わります。求人票では伝えきれない部分を、Webで補うイメージです。
待遇と休日は、ぼかさずに書く
待遇と休日は、高校生が最も気にしているのに、企業側が曖昧に書きがちな部分です。ぼかすと保護者からも「よく分からない」と受け取られます。
書ける範囲で具体的に書く。それだけで信頼の量が変わります。
高卒採用パンフレットとWebの役割分担を決める
高卒採用では、学校訪問や説明会で高卒採用パンフレットを渡す場面が今も残ります。紙とWebはどちらかを選ぶ話ではなく、役割を分けるのが現実的です。
- 高卒採用パンフレット:その場で手渡し、持ち帰って家庭で共有してもらうためのもの。要点を絞る
- 採用サイト:あとから検索して確かめられ、更新もできるもの。写真・社員の声・保護者向けの説明まで載せる
紙は情報を絞り、Webで深さを担保します。パンフレットに採用サイトへの導線を載せておけば、家庭に持ち帰られた紙が、そのままWebへの入口になります。
高卒の就職情報をWeb上で提供する意味は、この「あとから何度でも確認できる」点にあると考えています。
「保護者・先生向け」ページを設けている採用サイトの例
実際にページを設けている企業の例です。構成の粒度や見せ方の参考にしてください。
株式会社どき 様
https://recruit.doki.co.jp/parent/ (制作:地方採用ワークス)
日本通運株式会社
https://www.nittsu.co.jp/jinji/senko_g/pat.html
山崎製パン株式会社
https://www.yamazakipan.co.jp/recruit/high_school/parents/
いずれも、本人向けのページとは別に保護者向けの入口を用意し、使う言葉づかいそのものを保護者側に寄せている点が共通しています。
つまずくのは、ページを作ったあとの運用
保護者・先生向けページで手が止まりやすいのは、実は文章の中身ではありません。作ったページに、誰も辿り着かないというところです。
高卒採用は学校経由が中心なので、ページを公開しただけでは先生の目に触れません。学校訪問のときに一緒に開いてもらう、求人票や高卒採用パンフレットに採用サイトの案内を載せる、面談後に生徒へURLを渡す。こうした運用とセットにして、はじめてページが働きます。露出(人が来る仕組み)と受け皿(採用サイト)は両輪で、どちらかだけでは動きません。
そしてもう一つ。採用サイトのコンテンツは、保護者・先生向けページだけで完結しません。職種紹介、数字で見る自社、社員インタビュー、よくある質問──載せるべきものを一通り把握したうえで、高卒向けにどれを厚くするかを決めたほうが早いです。全体像は別記事に整理しています。採用サイトに用意すべき10のコンテンツ
とはいえ、これを兼務の担当者が一人で回すのは相当に厳しいのが正直なところです。地方企業では採用担当者の約9割が本業と兼務しており、ページを作る時間も、学校を回る時間も、同じ人の中から捻出することになります。
「高卒採用サイト」に関するよくある質問
Q1. 学校の推薦で採れているのに、高卒採用サイトは必要ですか?
A:推薦で採れている会社ほど、作る価値があります。推薦は「学校が薦めてくれる」状態に依存していて、担当の先生が代わったり、他社が熱心に動いたりすると崩れます。先生と保護者が自分で確認できる情報をWeb上に置いておくことは、その関係を単年で終わらせないための保険になります。
Q2. 保護者・先生向けページは、どのくらいのボリュームが必要ですか?
A:長さより、判断材料が揃っているかどうかです。育成体制・定着状況・事業の安定性・働いている人の顔。この4点に一言ずつでも答えがあれば、ページとして成立します。中身のない長文より、短くても具体的なほうが読まれます。
Q3. 保護者向けのページに、給与や離職率まで書いたほうがいいですか?
A:書ける範囲で具体的に書くほうが信頼されます。数字が良くない場合でも、改善のために何をしているかまで書けば、隠すより印象は良くなります。ぼかした表現は「言えない事情があるのだろう」と受け取られやすいところがあります。
Q4. 高卒採用パンフレットがあれば、Webページは不要ですか?
A:役割が違うので、両方あるのが理想です。パンフレットは手渡した瞬間に強く、Webはあとから何度でも確認できる点で強い。家庭に持ち帰られた紙から検索されることを想定して、両方の内容が矛盾しないように揃えておいてください。
Q5. 高校生向けの採用サイトは、いつまでに公開すればいいですか?
A:学校への求人票提出や学校訪問が始まる前には公開しておきたいところです。先生が生徒に紹介する段階で「見られる状態」になっていないと、そのシーズンは機能しません。スケジュールの詳細は高卒採用のスケジュールとルールで解説しています。
先生と保護者に説明できる状態をWeb上に用意する
高卒採用の採用サイトは、高校生本人を口説くためだけのものではありません。生徒に薦める先生と、それを家庭で受け止める保護者に、説明の材料を渡すためのものです。
書くべき内容は、この4点に絞れます。育成体制・定着状況・事業の安定性・働く人の顔。ここまでであれば、自社でも書けるはずです。
まずは兼務の担当者お一人でも、この4点に絞って自社でページを書き起こしてみてください。
ただし、それを言葉にして構成に落とし込むところで多くの会社が手が止まります。弊社が採用サイト制作で「文章が先、デザインが後」という進め方をとっているのも、ここが最初にして最大の関門だからです。地方採用ワークスは、運営元がこれまで1,420社以上のWeb制作・マーケティング支援で積み上げた進め方を、そのまま高卒採用支援にも当てています。
前提として、弊社は採用支援を行う立場です。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。そこで積み上げてきた手法を、そのままお伝えすることはできます。
すべてをお任せいただく必要はありません。まずは自社でできる範囲から進めてみてください。それでも兼務のまま、ページ制作と学校訪問の両方を一人でこなすのが厳しい場合の逃げ道として、弊社をご利用ください。
文章を先に作る進め方で採用サイトを制作している弊社に、構成から相談していただくこともできます。あるいは、採用サイト制作は自社で進めるので、学校まわりの動き方だけ相談したいという入り方でも構いません。まずは御社の規模と、いま高卒採用のどこで止まっているかをうかがったうえで、確実な進め方をご提案します。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。