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【26卒】就活に対する意識調査から読み解く”中小企業がエントリーを勝ち取る方法”は?

2025年3月。来年の春に卒業する“26卒”の学生さんたちが、いよいよ本格的に就職活動を始める時期になりました。

しかし最近、「求人を出しても、なかなか応募が来ない…」「会社説明会を開いても、学生さんが集まらない…」といったお悩みを、特に地方の中小企業の方々からよく伺います。

このように“新卒の学生さんが集まらない”状況は、学生さんたちの就職活動に対する考え方が変わってきたことと大きく関係しているのです。

この記事では、最近の学生さんたちの調査データをもとに、「今の学生さんたちは、どんな視点で会社を選んでいるのか?」を分かりやすく解説します。そして、中小企業がどうすれば「応募してくれる学生さんを増やせるか」、そのヒントをお伝えします。

【26卒】就活に対する意識調査から読み解く
“中小企業がエントリーを勝ち取る方法”は?

【データ解説】採用市場・求職者側の意識変化は?

採用市場は“学生優位”が続く

大卒求人倍率調査 2024年卒|リクルートワークス研究所

まず、大前提として知っておいていただきたいのは、今の新卒採用市場は、「売り手市場」=学生さんが会社を選ぶ時代が続いている、ということです。

リクルートワークス研究所の調査によると、2025年卒の大卒求人倍率は1.75倍。つまり、企業が採用したい人数よりも、学生さん一人あたりが応募する会社の数が減ってきている、ということなのです。

このような状況ですから、中小企業にとっては、「そもそも応募してくれる学生さんの数が少ない」「早めに動かないと、優秀な学生さんは他社に決まってしまう」といった問題が、よりはっきりしてきています。

参考ページ:『大卒求人倍率調査 2024年卒|リクルートワークス研究所

26卒学生が重視するのは「働きがい」と「WLB」

マイナビ2023年卒 就職意識調査|マイナビ

学生さんたちが会社を選ぶときに、何を大切に考えているのか。ここにも、最近はっきりとした変化が見られます。

マイナビの調査によると、「仕事は楽しくありたい」と考えている学生さんが、3年ぶりに増えました。そして、全体の37.6%もの学生さんが、「楽しく働くこと」を大切に考えていることが分かりました。

参考ページ:『マイナビ2023年卒 就職意識調査|マイナビ

また、ONE CAREERの26卒の学生さんへの調査では、会社を選ぶときに「仕事とプライベートのバランスが取れるか」を一番重視している学生さんが16.0%で最も多いという結果でした。続いて、「会社の雰囲気が良いか」「自分のやりたいことができるか」が重視されています。

つまり、お給料や会社の規模よりも、「自分らしく働けるか」「無理なく働き続けられるか」といったことを重視する学生さんが増えている、ということなのです。

参考ページ:『ワンキャリア 26卒 就活意識調査|ONE CAREER

就職活動の「早期化」も進行中

 

学生さんたちの就職活動のスケジュールも、変わってきています。キャリタス就活の調査によると、26卒の学生さんは、大学3年生の4月には、もう約8割が情報収集を始めているそうです。

参考ページ:『キャリタス就活2024 学生モニター調査レポート|キャリタス

また、ワークス・ジャパンの調査では、文系の学生さんの約3割、理系の学生さんの半分近くが、「大学3年のうちに内定をもらいたい」と考えていて、早めに就職活動を終わらせたいという気持ちが強くなっているようです。

このような流れの中で、3月の採用広報解禁を待ってから動き出すのでは、実はもう遅れをとっている可能性があるのです。

参考ページ:『Works Review|ワークス・ジャパン

エントリー社数は減少、「厳選型」へ

学生さん一人あたりが応募する会社の数も、減ってきています。キャリタスの調査によると、文系の学生さんの平均は、2022年卒で26.7社だったのが、2023年卒では22.7社と、たった1年で4社近くも減っているのです。

これは、「手当たり次第に応募する」時代から、今は「本当に行きたい会社をしっかり選んで応募する」というスタイルに変わってきている、ということ。ですから、中小企業が、学生さんたちの候補リストに入るためには、これまで以上に工夫が必要になってきている、と言えるでしょう。

参考ページ:『キャリタス就活2024 学生調査レポート|ディスコ

インターンや早期選考への期待値が高い

インターンシップも、採用活動を考える上で、とても大切な要素になっています。26卒の学生さんへの調査では、なんと、学生さんの8割以上が「インターンに参加したい」と答えているのです。

企業にとっては、早い時期から学生さんと接点を持ち、インターンシップを通じて会社のことをよく知ってもらうことが重要です。最近は、インターンシップの後に、そのまま選考に進む“採用直結型”のインターンシップも増えてきています。こうした流れにうまく対応できるかどうかで、採用の結果に大きな差が出てきています。

参考ページ:『キャリタス就活2024 学生モニター調査|キャリタス

データを元にした学生の意識変化のまとめ

26卒の学生さんの就職活動では、いくつかの大きな変化が見られます。

  • 就活の早期化:大学3年生の春から動き出し、早めに内定をもらいたい学生さんが増えている
  • 価値観の変化:お給料や会社の知名度よりも、「仕事のやりがい」や「仕事とプライベートのバランス」を大切に考えている
  • エントリー数の絞り込み:「本当に働きたい会社を厳選して受ける」傾向が強まり、中小企業は選ばれにくくなっている
  • インターン重視:8割以上の学生さんがインターンシップへの参加を希望。企業との最初の接点として、とても大切な場になっている

こうした学生さんたちの変化を踏まえると、今までと同じような採用活動だけでは、なかなか応募してもらえない、というのが現実です。

次の章では、中小企業がこの状況を乗り越えるために、具体的にどうすれば良いのか、その方法をご紹介していきます。

中小企業がエントリーを得るための具体策

「求職者向けの制度面」について

1. 早期接触:インターン・仕事体験を夏〜秋に

夏のインターンシップや、1日だけの仕事体験などを通じて、大学3年生の早い時期から学生さんと接点を持つことが、非常に大切です。

プログラムは、短い期間でも大丈夫です。「仕事の楽しさ」や「会社の雰囲気の良さ」が伝わるような内容にすることで、学生さんたちの興味を引きつけることができます。

2. オンライン×対面のハイブリッド設計

 

マイナビの調査によると、25卒の学生さんの9割以上が、「選考にオンラインを取り入れてほしい」と希望しているそうです。

会社説明会や最初の面接はオンラインで行い、最終面接や会社見学は実際に会社に来てもらう、というように、オンラインと対面を組み合わせた方法がおすすめです。

参考ページ:『2025年卒 Web面接実施率調査|マイナビ

「企業側の情報発信」について

3. 働き方・制度の見える化

「残業が少ない」「有給休暇が取りやすい」「地元で長く働ける」といった点は、実は中小企業だからこその強みです。

求人票や採用サイト、会社説明会などで、こうした働きやすさを、はっきりとアピールしましょう。

4. 情報発信力の強化

学生さんたちは、「よく知らない会社は選べない」と考えがちです。

採用ページやSNSなどを活用して、会社の雰囲気や、実際に働いている社員の皆さんの生の声を発信することが、応募してくれる学生さんを増やすための第一歩になります。

5. “地元らしさ”という独自価値の訴求

地域に密着した事業を行っていること、地元とのつながりが深いこと、社員同士の距離が近いことなど、大手企業にはない「地元らしさ」は、中小企業の大きな武器になります。

あえて、この「地元らしさ」を前面に打ち出すことで、「この会社で働くことの価値」が、学生さんたちに伝わりやすくなるでしょう。

採用は「マーケティング」として考える時代

新卒採用市場は、年々複雑になってきており、「とりあえず求人を出して待っていれば良い」という時代ではなくなってきています。

今の採用活動は、商品やサービスを売るのと同じように、「どんな人に、どんな魅力を、どのように伝えれば良いのか」を、しっかりと考える必要がある時代なのです。

 

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