【事例10選】コンサル業界の採用サイトデザイン|見せ方の最適解は?
同業の採用サイトを並べてみると、どこも似たようなことを書いていて差が見えない。コンサルティング業界の採用でよくうかがう悩みです。製造業なら製品、建設業なら建物という手がかりがありますが、コンサルは成果物が目に見えません。
しかも各社が同じ人材層を取り合うので、比較の土俵に乗らないまま流されてしまいます。
先に解くべきは、デザインの好み以前に「何の会社で、入社後に何をするのか」です。そのうえで、働き方とキャリアパスへの答えを置きます。
この記事でわかること
- コンサルティング業界の採用サイトデザイン事例8社9サイト(うち6サイトは弊社制作)
- 「何の会社か分からない」を解消する情報設計の考え方
- 新卒・中途でサイトを分ける判断基準
弊社デザイナーが厳選した「地方企業×採用サイト」のデザイン事例は、以下で業種を横断してまとめています。【業種別】地方企業でおしゃれな「求人・採用サイト」のデザイン事例集≪34選≫
差がつくのは「働き方とキャリアパスへの答え」
コンサルティング業界の採用サイトで求職者が確かめているのは、専門性の高さより「その専門性を、どんな働き方で身につけるのか」です。プロジェクト単位で動く業界だけに、労働時間や案件の入れ替わりへの不安がついて回ります。労働時間や案件の入れ替わりへの不安に先回りできているかで、離脱するか読み進めるかが分かれます。
「何の会社か」は、業界用語を使わずに書く
コンサルティングという言葉自体が広すぎるため、社名と業種だけでは何も伝わりません。誰の、どんな課題を、どう解決しているのか。この3点を求職者の語彙で書けているかどうかが最初の関門です。社内で当たり前に使っている言葉ほど、外には通じません。
キャリアパスは「何年後にどうなるか」まで具体化する
「成長できる環境」という一文は、どの会社の採用サイトにも書いてあります。差がつくのは、入社何年目に何を任され、何ができるようになるのかを、社員インタビューや数字で示せているかです。後述する事例でも、実績を数字で見える化しているサイトほど、伝わり方が具体的でした。
【事例10選】コンサルティング業界の採用サイトデザイン
ここからは、Webデザインの観点も踏まえてコンサルティング業界の採用サイトを9社10サイト分ご紹介します。建設コンサルタント、ITコンサルティング、経営コンサルティングと領域が幅広い業界なので、自社に近い領域の事例から見ていくのがおすすめです。なお「(制作:地方採用ワークス)」と記載のあるサイトが弊社の制作実績です。
株式会社さかえ経営 様(人事労務コンサルティング・社会保険労務士法人)

https://recruit.sakae-office.com/(制作:地方採用ワークス)
横浜市で人事労務を専門にするコンサルティングファームの採用サイトです。背面に置いた「Expand Your Possibilities.」の欧文だけを、オレンジから紫、青へと変わるグラデーションで塗っています。写真もコピーも青系でまとめてあるなかで、この1行にだけ色相をまたがせました。「可能性を広げよう」という言葉を、文字そのものが持つ色の幅のほうで受けています。人物は正面を向いたカットではなく、斜め上に視線を送っているものを選び、その先に余白を残しました。コンサルティングは成果物が形にならない仕事なので、視線と余白のほうで「この先」を作っています。
システムクリエート株式会社 様(コンサルティング・調査・IT・インターネット・システム開発)

https://www.syscr.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
画面の左下に、白い円を3つ横に並べています。中に入っているのは「ビジネスシステムに特化して40年以上」「開発・導入実績累計5,000件超」「周辺業務までワンストップで対応」という3つの事実です。無形の仕事を説明する代わりに、数字と年数を先に3つ置きました。円の中はアイコンと2行の文字だけで、読む量を最小限にとどめています。上部のコピー「何でも頼めるシステム会社」は、「頼める」の3文字だけ白地に反転させ、1語を拾い読みできる形にしました。右側の3枚の写真はどれも打ち合わせの場面で、青のグラデーションと同じ明度に整えてあります。
大洋画地 様(土木・建設・総合建設・ゼネコン・コンサルティング・調査)

https://recruit.taiyokakuchi.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
三脚に載った3Dレーザースキャナと、端末を手に上を見上げる社員を、同じ大きさで並べて撮っています。測量の現場を引きで写す構図ではありません。扱っている道具と、それを使う人を1対1で並べました。建設コンサルタントは成果物が図面や報告書なので、写真にすると机の上の書類しか残りません。機材を主役の一方に据えることで、外に出て測る仕事だと1枚で伝わります。背景の樹木は大きくぼかし、機材の白と作業服の水色だけが輪郭を持ちます。左下の「挑戦と成長を望むあなたへ。」は白の太字で、その下に3行の説明文を添えました。
ALL DIFFERENT株式会社 様/新卒採用サイト(コンサルティング・調査・人材紹介・派遣)

https://newgraduates.all-different.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
人材育成の会社は、扱っているものが研修や制度なので、写真にすると会議室の風景しか残りません。この画面が選んだのは、3人が笑い合う場面を会話の輪の中から撮った1枚です。事業の説明を1画面目から外し、その場に混ざったような視点だけを置きました。手前の2人は後ろ姿と横顔で、ピントは奥の女性に合っています。上端には白い帯を1本置き、その中にロゴとナビゲーションを収めました。写真がどれだけ明るくても文字が沈みません。コピーは3行の白文字を左に寄せ、最後の1行にだけ水色の筆記体を重ねています。
ALL DIFFERENT株式会社 様/中途採用サイト(コンサルティング・調査・人材紹介・派遣)

https://career.all-different.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
画面が斜めの線で3つに割られ、それぞれに違う職種の社員が入っています。1枚の大きな写真をやめ、面の分割で職種の数を確保しました。中途採用では、応募者が自分の職種に近い人を探すところから読み始めるため、最初の画面に複数の職種を同時に置いています。地の淡い水色は面の色としても写真に重ねる色としても使っており、撮影日や場所が違うカットが1つの画面としてまとまります。分割線はすべて右下がりで角度をそろえました。コピー「学びと成長を止めない、Only1の人材へ。」は左上の1面だけに収め、文字が分割線をまたがないようにしています。
大日コンサルタント株式会社 様(土木・建設・総合建設・ゼネコン・コンサルティング・調査)

https://dainichi-consul.co.jp/recruit/(制作:地方採用ワークス)
建設コンサルタントの画面は、青と灰色でまとめる例が多い業種です。この採用サイトは赤からオレンジへ流れるグラデーションを全面に敷きました。同業と並んだときに、色だけで区別がつく状態を先に作っています。その上に置いた「CREATE FOR GROW.」は地より濃い赤で、読ませる文字ではなく面の模様として扱いました。読ませる役は中央の手書きコピー「夢を一歩前へ。」が引き受け、線の細さで背景との差を作ります。上部のヘッダーだけは白地のまま残し、ナビゲーションとENTRYの機能を色から切り離しました。派手な面を持たせながら、操作する部分は静かなままです。
ジェイエムシー株式会社 様(保健福祉・美容経営コンサルティング)

https://www.jmc-ltd.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
事業内容の説明が1画面目にありません。保健福祉のシステムと美容の経営支援という離れた2分野を持つ会社ですが、画面にあるのはコピーと社員1人の写真だけです。業務の説明を並べる代わりに、キーワードの拾い読みだけで済ませる形にしました。「バックステージ」と「健やかと美しい」の2語に下線を引いてあり、文の中で読ませたい箇所がそこだと分かります。背景は水色のグラデーションに幾何学のパターンを薄く重ね、下端に「BACKSTAGE」の大きな英字を地に近い明度で敷きました。文字を減らすほど、残した語の選び方が効いてきます。
株式会社シェアコープ 様(電力コンサルティング)

https://www.sharecorp.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
電力のコンサルティングを手がける会社のサイトです。白い地に、青・緑・黄の羽のような図形を画面の四隅から散らしています。コンサルティングは成果物が形にならないので、写真の題材が会議室しかありません。図形に置き換えると、少なくとも他社と入れ替えの利かない絵になります。中央には明朝で「誰かの明日を照らす力になる。」。図形の彩度が高いぶん、文字は黒1色で細めに組んで釣り合わせました。図形が動く方向をすべて中央へ向けているので、視線が文字に戻ります。羽の形は3色で塗り分けられていますが、大きさと角度を少しずつ変えるだけで、種類は増やしていません。
株式会社シースリー(採用コンサルティング)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
採用コンサルティングの会社の採用サイトです。画面を斜めに横切る帯を1本引き、その上下で青と黒に塗り分けました。水平でも垂直でもない線が1本入るだけで、静止した画面に速度が出ます。左には「挑戦じゃなか。超戦だ。」を極太のゴシックで2行。方言を残した言い回しなので、書体を装飾せずにそのまま大きくするほうが効きます。右側には両手を挙げた社員を配置し、斜めの帯の角度と腕の角度を揃えました。図形と被写体の向きを合わせておくと、コラージュでも1枚の絵になります。背面に社名の欧文を薄く流しているのも、斜めの帯だけだと余白が広く見えるためです。
STARMINE株式会社

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
白い空間に、多面体のかたまりがいくつも浮いています。大きさも角度もばらばらで、面ごとに青緑や紺、灰色が塗り分けられています。組織や人事という形のないものを、鉱物の断面に見立てて置いたのだと思われます。中央のロゴも同じ多面体を円形に組んだ形で、背景の図形とつながって見えます。地の白にはうっすらと影が落ち、図形が浮いている高さの違いが分かります。コピー「変革を求める経営と人事のパートナー」は明朝体で2行、図形の隙間に置かれました。文字は黒1色で、図形の色数が多いぶん読ませる側の色を絞ったと読めます。
コンサル採用サイトに共通する3つの設計ポイント
並べて見ると、コンサルティング業界の採用サイトには共通した打ち手がありました。ブルー系での信頼感づくり、手書き・グラデーションでの温度の足し方、実績の数値化。無形のサービスを扱うからこそ、視覚で信頼を担保しつつ、人の温度を足すという二段構えになっているわけです。
01. 信頼はブルー、親しみは手書きやグラデーションで足す
システムクリエート様、大洋画地様、ジェイエムシー様はいずれもブルー系を軸に信頼感を出しています。一方で大日コンサルタント様やALL DIFFERENT様の新卒サイトは、手書き文字やグラデーションで温度を足している。この足し引きが、堅すぎず軽すぎない印象をつくります。
02. 無形の仕事は「数字」と「人」で輪郭をつける
ALL DIFFERENT様のように実績を数字で見える化する、NTTデータ経営研究所様のようにプロジェクト事例と社員インタビューを厚く置く。成果物が目に見えない業界ほど、数字と人が仕事の輪郭を代わりに描いてくれます。
03. 新卒と中途は、伝えるべきことが違う
ALL DIFFERENT様が新卒と中途で別サイトを持っているのは、伝える内容が根本から違うためです。新卒には成長環境と人、中途には任される裁量と案件の質。同じサイトで両方を語ろうとすると、どちらにも刺さらない文章になります。
コンサル業界の採用サイト制作でよくある質問
Q1. 「何の会社か分からない」と言われたら、どこから直しますか?
ファーストビューの一文からです。社名と業種ではなく、「誰の、どんな課題を解決しているか」を求職者の言葉に置き換えて書きます。社内で通じる言い回しは、いったん全部疑ってかかったほうがいいと思います。
Q2. 新卒用と中途用でサイトを分けるべきですか?
伝えたい内容が大きく違うなら分けたほうが伝わりますが、いきなり2サイト作る必要はありません。まずは1サイトの中で導線を分け、応募の内訳を見てから判断する形でも十分です。ALL DIFFERENT様のように分けるのは、両方の採用を継続的に動かしている場合の選択肢だと考えています。
Q3. 守秘義務があると、事例は書けませんか?
顧客名や案件名を出さなくても、課題の型・関わった期間・チーム構成・担当範囲は書けます。求職者が知りたいのは顧客が誰かではなく、自分がどう働くことになるかです。書ける粒度まで落とせば、守秘義務を守ったまま具体性は出せます。
Q4. 建設コンサルタントも同じ考え方でいいですか?
基本の設計は同じですが、建設コンサルタントの場合は成果物が地図や構造物として残るぶん、仕事の写真が使えます。大洋画地様や大日コンサルタント様のように、現場やプロジェクトのビジュアルを前に出せるのは強みです。持っている素材から逆算するのが早いと思います。
Q5. 採用サイトを作れば応募は増えますか?
ただ、どれだけ見せ方を整えても、それは受け皿の話です。コンサル業界は転職市場での競合が多く、まず候補に入るところまで届いていないケースが少なくありません。見せ方と同じだけ、届け方(母集団形成)を考えておきたいところです。
採用サイトは「載せない判断」で質が決まる
コンサルティング業界の採用サイトを何本も作ってきて感じるのは、プロが入って変わるのは、見た目の完成度よりも「何を載せて、何を載せないか」の判断だということです。自社だけで作ると、実績も理念も制度も全部載せたくなり、結果として何も残らないサイトになりがちなんですよね。
そして、サイトを整えたあとは、見てもらう手立てとセットにするとぐっと動きやすくなります。求人媒体や自社の発信で露出をつくって、はじめて受け皿が働きます。採用サイトのご相談をいただいたとき、弊社が母集団形成の話から始めることが多いのはこのためです。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
一式でお任せいただく必要はありません。「事業の説明が硬すぎないか見てほしい」といった部分的なご相談でも大丈夫です。いまの採用ページを拝見するところから、ご一緒できます。
※ご紹介しているサイトの中で、「(制作:地方採用ワークス)」と書かれたサイトは弊社の制作実績です。その他のサイトは弊社の制作実績ではございませんが、本記事の切り口に沿う事例としてご紹介させていただきました。制作をされた制作会社様で、掲載の取り消しをご希望の場合は速やかに対処させていただきますので、弊社までご連絡くださいませ。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。