求人キャッチコピーの作り方|4ステップと、そのまま使える5つの型

「求人票のいちばん上の一言が、どうしても埋まらない」——求人原稿で手が止まるのは、たいていこの欄です。給与も仕事内容も書ける。ただ、その上に載せる一言だけは、何度書き直しても他社と同じ言葉に落ち着いてしまう。

そして最後は「アットホームな職場です」に着地する。書いた本人がいちばん、これでは伝わらないと分かっているんですよね。

キャッチコピーが埋まらないのは、文章力の問題ではありません。何を伝えるかが決まらないまま、言い回しを探している——原因はほぼこれです。中身が決まれば、自社の言葉で書けます。

この記事でわかること

  • 求人キャッチコピーが、求職者のどの場面で効いているのか
  • 心に響く一言をつくる4ステップ(ターゲット設定から検証まで)
  • そのまま当てはめられる5つの型と、職種別の例
  • 応募が集まらないNG例と、その直し方

目次

求人キャッチコピーとは|求人票の最初の一言

求人キャッチコピーとは、求人票や求人媒体の一覧に表示される、会社と仕事を一言で言い表した文のことです。媒体によって「見出し」「タイトル」「PRコメント」など呼び方は変わりますが、役割は共通しています。求職者が一覧を眺めているときに、その求人を開くかどうかを決めさせることです。

ここを押さえておくと、書き方の方向が定まります。キャッチコピーの仕事は、応募を決めさせることではありません。あくまで「詳細を読んでみよう」と思わせるところまで。応募の判断は、この後に続く仕事内容や労働条件、そして採用サイトを見たうえで下されます。一言だけで採用を決めようとすると盛った表現に向かってしまうので、ここは切り分けたほうが結果的にうまくいきます。

求職者が求人を見る時間は、思っているより短い

仕事を探している人の動きを想像してみてください。スマートフォンでIndeedやGoogleしごと検索を開き、条件で絞り込んだ一覧をスクロールしていく。画面に並ぶのは、社名と職種と給与、そしてキャッチコピーです。この段階で一件あたりに使われる時間は、ほんの数秒です。

つまりキャッチコピーは、求職者との最初の数秒を担当する一言だということです。ここで引っかからなければ、どれだけ丁寧に書いた仕事内容も読まれません。求人票の中でいちばん短く、いちばん読まれる場所だと考えると、時間をかける価値のある欄だと分かると思います。

条件で負けていても、一言で差はつく

いまの採用は、企業が求職者を選ぶというより、求職者にこちらを選んでもらう「取り合い合戦」になっています。求職者は複数の求人を並べて見比べ、社名で検索し、口コミや採用サイトまで確認したうえで応募先を決めます。

この「並べて見比べる」場面では、条件が近い求人ほど、条件以外の情報で差がついています。同じ商圏の同業他社が同じような給与レンジで募集していれば、数字だけでは選びようがないからです。そこで効いてくるのが、この会社で働くと何が手に入るのかが一言で分かるかどうかです。

採用は、給与や勤務地といった条件はもちろん、会社の魅力の伝わり方まで含めた総合点勝負になっています。キャッチコピーは、その総合点を稼ぐ最初の一手です。条件で並ばれたときに、比較の土俵から降りずに済む。それがこの一言の役割だと考えています。

求人キャッチコピーの作り方|4ステップで書く

上手い言い回しを探す前に、順番に材料を揃えていきます。この4ステップを踏めば、書く材料は自社の中にそろいます。

ステップ1|ターゲットを一人に絞る

最初にやるのは、誰に向けた一言なのかを決めることです。ここが「誰でもいいから人手がほしい」のままだと、コピーは必ずぼやけます。

決めるのは、次の3点くらいで十分です。

  • どんな経験を持つ人か(未経験なのか、同業からの転職なのか)
  • いま何に困っていて転職を考えているか(残業の多さ、通勤距離、評価されない、家庭との両立)
  • その人が求人を見る場面はいつか(仕事終わりのスマートフォン、休日の求人誌)

この3点を書き出すと、「未経験歓迎」と「同業経験者募集」ではまったく違う言葉を選ぶべきだと分かります。ターゲットを絞ると応募が減るのではと不安になるかもしれませんが、実際には逆で、誰にも刺さらない求人こそ応募が来ません。

ステップ2|材料は社内にしかない(現場の声を集める)

次に、伝える中身を集めます。ここは机の上では終わりません。

いちばん確実なのは、いま働いている社員に聞くことです。「なぜこの会社に入ったのか」「入ってみて意外と良かったことは何か」「同業他社の友人と比べて恵まれていると感じるところは」。この3問を数人に聞くだけで、経営側が思ってもみなかった言葉が出てきます。

「残業が少ない」ではなく「子どもの迎えに間に合う時間に帰れる」。「風通しがいい」ではなく「社長に直接相談できる距離感」。求職者に刺さるのは、後者のような具体的な言葉です。この材料集めを飛ばすと、結局は一般的な言葉しか出てきません。

ステップ3|抽象語を具体に置き換える

集めた材料を、そのまま使える言葉に加工します。ここでの基準は具体性の一点です。

抽象的な言葉 具体に置き換えた例
アットホームな職場 全員の顔と名前が分かる、社員12名の会社です
風通しがいい 提案から実行までの決裁が、社長と2人で決まります
未経験歓迎 入社時、社員の7割が業界未経験からのスタートでした
働きやすい環境 残業は月平均5時間。定時で帰る人が多数派です
やりがいのある仕事 自分が担当した建物が、地元の地図に残ります

左側の言葉は、どの会社の求人にも書いてあります。つまり書いても差になりません。右側は、その会社にしか書けない一言です。数字が使える場合は数字を、使えない場合は場面が浮かぶ描写を選びます。

ステップ4|同じ商圏の競合と並べて読む

最後に検証です。作ったコピーを、同じ商圏で募集している他社の求人と並べて読んでみてください。

判定はシンプルで、他社の求人にそのまま貼り付けても違和感がなければ、その一言は差になっていません。逆に、自社にしか書けない内容になっていれば合格です。求職者は比較の中でこの一言を読むので、検証も比較の中でやるのが理にかなっています。

心に響く求人キャッチコピーの型と例文

材料が揃ったら、型に当てはめると早く形になります。ここに挙げるのは記事内で使う見本で、どれも自社の言葉に置き換えて使うものです。そのまま流用すると、他社と同じ求人に戻ってしまうのでご注意ください。

型1|変化提示型(入社後に何が変わるか)

「〇〇だった毎日が、△△に変わります」

  • 例:「片道1時間の通勤が、15分に変わります」(地元Uターン向け)
  • 例:「一人で抱えていた現場が、3人で回せるようになります」

求職者がいま抱えている不満を、そのまま裏返す型です。ステップ1で「何に困って転職を考えているか」を決めておくと書きやすくなります。

型2|数字提示型(具体性で信じてもらう)

「〇〇な会社です(数字)」

  • 例:「残業月5時間。定時で帰るのが普通の会社です」
  • 例:「社員12名中、8名が業界未経験からのスタートです」

数字は具体性そのものなので、一言で信頼を作れます。ただし実際の数字だけを使ってください。盛った数字は入社後のギャップになり、早期離職につながります。

型3|対象限定型(呼びかける相手を名指しする)

「〇〇な方へ」「〇〇したい人を探しています」

  • 例:「工場勤務から、手に職をつけたい方へ」
  • 例:「子育てと両立しながら働きたい人を探しています」

一覧の中で「自分のことだ」と感じてもらえる型です。ターゲットが明確な求人ほど効きます。

型4|正直提示型(できないことも書く)

「〇〇はできません。ただ、△△はお約束します」

  • 例:「大手ほどの給与は出せません。ただ、任される範囲は段違いです」

条件で勝てない会社ほど効く型です。良い話だけで固めた求人より、正直に線を引いた求人のほうが信用されますし、入社後のギャップも起きにくくなります。

型5|仕事の意味提示型(何が残るか)

「あなたの仕事が、〇〇に残ります」

  • 例:「あなたが手がけた建物が、地元の地図に残ります」

給与では測れない部分を伝える型です。地域に根ざした仕事ほど書きやすくなります。

型より前に、「淡白に書かない」こと

5つの型を挙げてきましたが、支援の現場で最初に直すのは、実はコピーそのものではありません。求人票全体が淡白すぎるという状態です。

求人票を端的な箇条書きだけで埋めている会社は、かなりあります。読みやすくはあるのですが、淡白に書けば書くほど、他社との比較になります。 求職者の目に留まるのが労働条件の数字だけになり、条件で見劣りした瞬間に「やっぱりやめよう」と離脱していきます。条件で勝てない会社にとって、これは最も不利な土俵です。

ここで順番を間違えないでください。先にやるのは、同じ商圏の競合を調べ、条件で勝てる部分を作ることです。 これは企業側の努力でしか動きません。書き方の工夫は、その努力をした後に効くものです。

そのうえで、同じ条件でも伝わり方は変わります。 求人票には法律で決まっている記載事項こそありますが、それ以外に「こう書かなければいけない」という決まりはありません。決まった欄を埋めるだけで終わらせず、補足を足していいのです。

たとえば年間休日が少ないとします。「年間休日105日」とだけ書けば、並んだ数字の比較で終わります。そこに「現在この水準を目標に改善を進めています」と一行添えるだけで、読み手が受け取るものが変わる。数字は同じでも、会社の姿勢が見えるからです。

キャッチコピーが効くのは、この土台があってこそです。淡白な求人票の先頭に良い一言だけ載せても、本文まで読まれずに終わります。

応募が集まらない求人キャッチコピーのNG例

書けない原因の多くは、避けるべき型を知らないことにあります。よく見かける4つを挙げます。

NG例1|どの会社にも当てはまる言葉だけで埋める

「アットホームな職場です」「風通しの良い社風」「やりがいのある仕事」。この3つが並ぶ求人は、地方でも都市部でもよく見かけます。求職者側から見ると、これらの言葉は情報量がゼロで、書いていないのと同じ状態です。直し方はステップ3の置き換え表のとおりで、その言葉が事実であることを示す具体を一つ添えるだけで変わります。

NG例2|会社目線の言葉で埋める

「創業50年の安定企業」「業界トップクラスの技術力」。会社としては誇りたい部分ですが、求職者が知りたいのは「自分がそこで働くとどうなるか」です。「創業50年」なら「50年続いてきたので、繁忙期の波が読めます」。ここまで訳すと、働く側の話になります。

NG例3|労働条件と食い違っている

「未経験歓迎!」と大きく書いてあるのに、応募資格の欄には「実務経験3年以上」。こうした食い違いは、求職者にすぐ見抜かれます。キャッチコピーは求人票の一部なので、労働条件の記載と矛盾していないか公開前に突き合わせてください。なお労働条件は2024年4月から明示すべき項目が追加され、将来的に業務内容や勤務地が変わる可能性の範囲まで示す必要があります。古い雛形を使い回している場合は、ここも合わせて確認しておくと安心です。

NG例4|煽り表現に頼る

「稼げます」「誰でもすぐ活躍できます」といった断言は、短期的に応募を集めても、入社後のギャップで辞められる原因になります。採用のゴールは内定ではなく定着です。書けない事実は書かない、というのは守ったほうがいい線だと思います。

求人キャッチコピーに関するよくある質問

Q1. キャッチコピーは何文字くらいが適切ですか

媒体によって表示できる文字数が違うので、出稿先の仕様を先に確認してください。そのうえで、スマートフォンの一覧で切れずに読み切れる長さを目安にすると外しにくくなります。長く書けるからといって説明を詰め込むと、数秒で読まれる場面では届きません。

Q2. 職種ごとにコピーを変えたほうがいいですか

変えたほうがいいです。同じ会社でも、営業職と製造職では求職者の悩みも比較対象も違います。ステップ1のターゲット設定を職種ごとにやり直すと、自然に別の言葉になります。

Q3. コピーのテンプレートや例文集はどこかで配布していますか

配布はしていません。この記事に挙げた5つの型を、自社の材料に当てはめて使っていただくのが確実だと思います。既成の例文をそのまま使うと、同じ媒体に並ぶ他社の求人と似た一言になってしまい、差がつきにくくなります。

Q4. キャッチコピーを変えたら、応募は増えますか

増えると断言はできません。そもそも求人が求職者の目に触れていなければ、どれだけ良い一言でも読まれないからです。露出が足りている前提で、比較の中で選ばれる確率を上げる打ち手だと捉えるのが実態に近いと思います。

一言で決まるのは「読んでもらえるかどうか」まで

求人キャッチコピーは、上手い言い回しを探す作業ではなく、伝える中身を決める作業です。ターゲットを一人に絞り、現場の声から材料を集め、抽象語を具体に置き換え、同じ商圏の他社と並べて検証する。この4ステップを踏めば、条件で勝てない会社でも比較の土俵に上がれます。

ただ、この一言が担当するのは「詳細を読んでもらえるかどうか」までです。開いた先の仕事内容や労働条件が薄ければ、そこで離脱します。求人票全体の組み立て方は、こちらで一通り整理しています。

参考記事:『【保存版】求人票の書き方は?テンプレ代わりに使える3つの型と具体例を解説

条件で並ばれたときにどう見せ方で差をつけるかという、もう一段踏み込んだ話はこちらです。

そして求人票を読んだ求職者は、次に社名で検索して採用サイトを見に来ます。募集要項の書き方まで含めて受け皿を整えておくと、せっかく引き寄せた関心を取りこぼさずに済みます。

参考記事:『【保存版】募集要項とは?必須9項目の書き方と、求人票との違いをまとめて解説

キャッチコピーを含む求人原稿づくりは、同じ商圏の競合がどんな条件をどう見せているかを調べるところから始まります。ここは本業と兼務しながら回すには、正直かなり手間のかかる領域です。全部を自社で抱える必要はなく、競合の求人条件の調査や原稿づくりだけを外から補うという進め方もできます。まずは御社の職種や商圏の状況をうかがったうえで、最適な構成をご提案します。「いまの求人票を見てほしい」という段階でも大丈夫です。

採用活動の代行(リープ・リクルーティング)はこちら

この記事を書いた人
求人キャッチコピーの作り方|4ステップと、そのまま使える5つの型 | 求人票・募集要項
たまちゃん

マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。

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