【事例9選】IT企業の採用サイトデザイン|技術力と働きやすさはどう見せる?
「エンジニアを採りたいので採用サイトを作りたい。ただ、どこの会社を見ても『技術力』『挑戦』ばかりで、自社らしい見せ方が思いつかない」——IT・ソフトウェア業界の採用サイトで手が止まるのは、たいていこの一点だと思います。
特定の技術スキルを持つ人材が慢性的に足りず、求職者の側に選択肢がある市場です。そこへ柔軟な働き方への期待も重なって、採用の難しさをつくっています。
つまり、採用サイトで示すべきは「うちは技術力があります」ではなく「その技術に、あなたがどう関われるか」なんですよね。
この記事でわかること
- IT・ソフトウェア業界の採用サイトデザイン事例10社(うち1社は弊社制作)
- 技術力と働きやすさを見せ分けるための、配色・構成・コンテンツの考え方
- 地方の中小企業が自社サイトに落とし込むときの優先順位
弊社デザイナーが厳選した「地方企業×採用サイト」のデザイン事例は、以下で業種を横断してまとめています。【業種別】地方企業でおしゃれな「求人・採用サイト」のデザイン事例集≪34選≫
IT求職者が見ているのは「技術 × 自分の成長」
IT・ソフトウェア業界の採用サイトで効くのは、技術力の誇示ではなく「その技術に自分が関われるか」「関わり続けられるか」が読み取れる設計です。スキルを持つ人材が足りない市場では、求職者側に選択肢があります。だからこそ、入社後に何が身につくかを先に開示した会社から、比較検討の土俵に乗るというわけです。
技術情報は「実績の羅列」ではなく「関われる範囲」で書く
扱っている言語や開発領域を並べるだけでは、求職者は自分の役割を想像できません。どのフェーズから関わるのか、チームは何人なのか、顧客とどこまで直接やり取りするのか。求職者が知りたいのは、技術そのものより自分の立ち位置です。ここを書き切れている採用サイトは、そう多くありません。
働きやすさは、書かなければ「ない」と判断される
柔軟な働き方への需要が高い業界なので、制度の記載がないだけで候補から外れることがあります。制度として持っているのに書いていない会社は、地方にとくに多い印象です。研修制度、資格取得支援、勤務時間の実態。持っているものを言語化するだけでも、伝わり方は変わってきます。
【事例9選】IT・システム開発企業の採用サイトデザイン
ここからは、Webデザインの観点も踏まえてIT・システム開発企業の採用サイトを10社分ご紹介します。配色・動き・情報量の3点に注目すると、自社に取り入れられる部分が見つけやすいはずです。なお「(制作:地方採用ワークス)」と記載のあるサイトが弊社の制作実績です。
システムメトリックス株式会社 様(IT・インターネット・システム開発)

https://www.systemmetrix.jp/(制作:地方採用ワークス)
モニターもコードも、開発の現場も写っていません。写っているのは、資料を抱えて廊下を歩きながら話す2人だけです。技術の説明を1画面目から外し、社内の移動中の空気に置き換えました。窓から入る光で全体が白く飛び、観葉植物の緑だけが色として残ります。その上に「SystemMetrix」を白のセリフ体で大きく重ね、下に「RECRUIT SITE」を細い英字で添えました。写真を淡くしてあるぶん、白い文字が沈まずに読めます。IT企業の採用サイトは技術情報から入る例が多いので、人の写真だけで始めると並んだときの見え方が変わります。
ネットフォレスト(IT・インターネット)

https://www.netforest.ad.jp/freshers/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
社員の写真をすべてモノクロに落とし、そこへ黄色の細い曲線を何十本も重ねています。線は画面の中央から右へ渦を巻くように広がり、写真の手前も背後も通過します。写真から色を抜いたうえで、装飾の線だけに色を戻したのだと思われます。「DIGITAL ANALOG」の黒い大文字は画面の対角に置かれ、2語の間に黄色の×印が入ります。デジタルとアナログという対の言葉を、モノクロ写真と手描き風の線という2つの質感で受け止めた構成です。左下の「チカラをカケあわせろ!」だけがオレンジの帯で、日本語の一行が英字に埋もれません。
porters(コンサルティング・調査・IT・インターネット)

https://www.porters.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
2枚の写真が、角を大きく丸めた縦長の板として画面に立っています。板の角度はわずかに傾き、奥行きのある向きで置かれています。写真を背景として敷かず、独立した物体のように扱ったのでしょう。地は濃紺一色で、板の外には何も置かれていません。左側の「I’m a Porter. Fighter. Dreamer.」は白の太い書体で4行に分け、板の高さに合わせて組まれています。上部のナビゲーションにある空白のプルダウンが「I’m a」の続きになっており、コピーと操作部分が1つの文としてつながる作りだと読めます。ENTRYのボタンだけが橙色です。
SocioFuture株式会社(IT・インターネット・システム開発)

https://www.scft.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
写真を5枚、大きさを変えて画面に散らしています。中央の1枚が最も大きく、その周囲に打ち合わせ、廊下での立ち話、端末を挟んだ2人と、場面の違うカットが小さく配置されています。代表写真を1枚に決めず、社内で起きている場面を同時に見せる構成だと思われます。すべて白い室内で撮られているため、枚数が増えても画面が散らかりません。中央の「新しい当たり前を創造していく」は明朝体で3行、その上に手書き風の英文を重ねました。左端の水色の縦帯と右下の赤いエントリーボタンだけが強い色で、操作できる箇所がそこだと分かります。
アクトビ(IT・インターネット・システム開発)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
IT企業の画面は、技術を見せようとすると図版や数字が増え、働きやすさを見せようとすると写真が増えます。この画面はどちらも選ばず、左上から右下へ斜めに切った境界線だけで面を2つに分けました。技術の説明も職場の説明も1画面目に置かず、構図そのものを見せているのだと思われます。上側が写真、下側が白地と黒い大文字です。「MAKE PROGRESS」は写真にかかる部分だけ灰色に落とし、下地の明るさに応じて色を変えています。右側の「ブレずに、前へ。」は明朝体で、太いサンセリフの英字と対になる書体を選んだと読めます。
IT系採用サイトに共通する3つの設計ポイント
10社を並べて見ると、業界としての共通項が浮かび上がってきます。清潔感のあるベースカラー+アクセント1色、読ませるための動き、技術情報と人の情報の両立。この3点は、予算規模にかかわらず自社サイトに持ち込めるところだと思います。
システムクリエート株式会社 様(IT・システム開発)

https://www.syscr.co.jp/(制作:地方採用ワークス)
ITの会社は、抽象的なCGや回路のイメージでファーストビューを作りがちです。名古屋市のこの会社は「何でも頼めるシステム会社」という一文を、画面でいちばん大きな文字に据えました。何ができるかを列挙する代わりに、依頼の仕方のほうを書いています。下には「ビジネスシステムに特化して40年以上」「累計5,000件超」と、数字を3つのアイコンに分けて並べました。右側には社員の写真を縦に3枚。技術の説明を1つも置かずに、頼めること・実績・人の3点だけで組んだ構成です。背面には社名の欧文を薄い青で大きく流し、情報が詰まった画面に余白の代わりを作っています。
株式会社システック(エレクトロニクス・組込ソフト)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
静岡県浜松市でエレクトロニクスと組込ソフトを手がける会社の採用サイトです。社員7人を屋外に横一列で並べ、服装も年齢も揃えないまま撮っています。腕を組む人、手を腰に当てる人と立ち方がばらばらで、整列していません。組込ソフトは成果物が製品の内側に入るので、写真では何も見えない業種です。だから人のほうに寄せる判断は自然ですが、そこで服装を統一すると社風が消えます。青い帯を1本だけ通して「つなぐのは、未来だ」を白抜きにしたのは、横一列だと視線が散るためで、水平線で焦点を戻しています。帯を人物の頭より上に置いているので、7人の顔にはひとつも重なりません。
ピコシステム株式会社(ソフトウェア開発)

https://www.picosystem.co.jp/recruit/
弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
岡山市を拠点にソフトウェア開発を手がける会社の採用サイトです。画面の左端を細い縦帯にしてナビゲーションを全部そこへ入れ、残りを写真と黒いパネルに使っています。上部には商談中の2人を大きく置き、その下に「COMPANY」「JOB & PEOPLE」「WORK STYLE」の3枚を黒地で並べました。項目が多い会社ほど階層を深くしたくなりますが、縦帯に逃がすと1画面のまま増やせます。写真の暖色と黒いパネルの明度差で、上下の役割がはっきり分かれている点も効いています。縦帯の幅は画面の1割ほどで、写真の面積を削らずに導線を常時出しておく置き方です。
Any株式会社(ITサービス・事業開発)

弊社の制作実績ではありません。掲載内容は2026年8月時点のものです。
ITサービスと事業開発を手がける会社の採用サイトです。写真を角丸の大きな面で切り抜き、その周りにオレンジと黄色の円を配置しています。四角い写真が1枚もないので、画面から直角が消えました。ITの採用サイトは直線と等幅のグリッドで組むことが多く、そのぶん硬く見えます。角を丸めるだけで受け取る温度が変わる、という分かりやすい例です。写真の下には手書き風の文字で一言を添え、円の色とつなげました。円は塗りだけで輪郭線を持たないので、写真の角丸と同じ「面」として読めます。図形の種類を1つに絞ると、要素が増えても画面が散らかりません。
1. 配色は「白ベース + アクセント1色」が基本形
システムメトリックス様の白×青、smart HR様の青×黄、SocioFuture様のダークテーマ。いずれも色数を絞り、企業の印象を1色で背負わせています。色数を増やすほど「何の会社か」がぼやけるので、迷ったら1色に絞るところから始めるのが手堅いやり方です。
2. 動きは「見せるため」ではなく「読ませるため」に使う
GA TECHNOLOGIES様やsmart HR様のようにスクロールに合わせた演出を入れる場合でも、効いているのは動き自体ではなく、動きによって情報が段階的に出てくる点です。全部を同時に見せず、順番に読ませる。この設計ができていると、情報量が多くても最後まで読まれます。
3. 技術情報と人の情報を、同じ深さで載せる
ネットフォレスト様のように、プロジェクトの詳細と社員インタビューが同じ密度で置かれているサイトは、求職者が「技術」と「人」の両面から自分を重ねられます。片方だけ厚いサイトは、採用パンフレットの焼き直しに見えてしまうんですよね。
IT企業の採用サイト制作でよくある質問
Q1. 新卒採用と中途採用で、サイトは分けるべきですか?
伝えたい内容が大きく違うなら、分けたほうが伝わります。新卒は成長環境や研修、中途は任される範囲や技術スタックが焦点になるためです。ただ、いきなり2サイト作る必要はありません。まずは1サイトの中で導線を分け、応募数の内訳を見てから判断する形でも十分だと思います。
Q2. 自社にエンジニアの写真がない場合はどうしますか?
イラストや図解で構成しているサイトもあるので、写真ゼロでも成立はします。ただ、働く人の様子が見えるかどうかは応募の判断に効いてきます。撮影だけはプロに依頼するコスト配分が妥当です。数カットでも、あるとないとでは印象がまるで変わります。
Q3. デザインと文章、どちらから決めるべきですか?
弊社は文章が先、デザインが後という順番で進めています。何を伝えるかが決まっていない状態でデザインから入ると、「かっこいいけれど中身が薄いサイト」になりやすいためです。まず伝えたいことを言語化し、それを最も伝わる形に落とすのがデザインの役割というわけです。
Q4. 採用サイトを作れば応募は増えますか?
ただ、採用サイトは受け皿にすぎません。エンジニア職はとくに、求職者が自分から検索して回ってくる前に、こちらから見つけてもらう入口が要ります。作り込みと同じだけ、露出(母集団形成)に手をかける必要があります。
Q5. 地方の中小企業でも、事例のようなサイトは作れますか?
作れます。ここで挙げた設計ポイントは、色数を絞る・情報の順番を整える・人と技術を両方載せる、といずれも規模に依存しないものです。予算配分の優先順位さえ間違えなければ、地方の中小企業でも十分に戦える採用サイトになります。
採用サイトは「作って終わり」にしないほうがいい
プロが入るかどうかで変わるのは「何を載せて、何を載せないか」の判断です。見た目の完成度そのものではありません。自社だけで作ると、どうしても言いたいことを全部詰め込んでしまい、結果として何も残らないサイトになりがちです。
そして、先ほど触れたとおり、サイトは受け皿の側です。求人媒体や自社の発信で露出をつくって、はじめて受け皿まで来てもらえます。採用サイトの相談をいただいたとき、弊社が母集団形成の話から始めることが多いのはこのためです。
弊社は全国の地方企業に1,400社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
全部をまとめて頼まなくても構いません。「うちの技術スタックをどう見せれば伝わるか、意見だけ聞きたい」という段階でも大丈夫です。募集職種と採用の規模をうかがったうえで、必要な範囲だけをご提案します。
※ご紹介しているサイトの中で、「(制作:地方採用ワークス)」と書かれたサイトは弊社の制作実績です。その他のサイトは弊社の制作実績ではございませんが、本記事の切り口に沿う事例としてご紹介させていただきました。制作をされた制作会社様で、掲載の取り消しをご希望の場合は速やかに対処させていただきますので、弊社までご連絡くださいませ。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。