【7つの効果】採用動画って効果ある?費用の考え方と失敗しない会社の選び方
「採用動画を作ったほうがいいらしい」。そう聞いて情報を集め始めたものの、何から決めればいいのか分からないまま手が止まっている——。
とりあえず撮影を始めれば形になる、というものではありません。作れば自動的に応募が増えるわけではなく、目的があいまいなまま作った動画は、採用サイトの片隅で誰にも再生されないまま放置される結果に終わります。
この記事では、採用動画の効果がどこに表れるのかを整理したうえで、制作前に決めておくべきこと、作ったあとの置き場所、そして制作会社の選び方までを順にお伝えします。
この記事でわかること
- 採用動画の効果が「情報量」ではなく「好意」に表れる理由
- 制作前に決めておく4つのポイント
- 採用サイト埋め込み型とYouTube公開型の使い分け
- 制作会社を選ぶときに確認する5つの観点
採用動画の効果は「情報量」ではなく「好意」で測る
採用動画の効果は、情報の量ではなく求職者の気持ちがどれだけ動いたかに表れます。動画を通じて会社の空気感や働く人の表情が伝わると、求職者は「この会社、好きかも」という前向きな状態になります。
この状態で応募してくれた人は、第一志望に近い気持ちで選考に進んでくれます。文字の情報をどれだけ多く並べても届きにくいのが、この「好意」の部分なのです。
動画は「あって当たり前」の情報源になった
コロナ禍を経て、企業説明会や面接をオンラインで行うのが当たり前になりました。求職者が会社を知る最初の入口は、対面から画面へと完全に移り変わっています。画面越しにどれだけ会社の空気感を渡せるかが、応募するかどうかの分かれ目になっています。
求職者が動画から受け取っているもの
求職者が動画から受け取っているのは、事業内容や福利厚生といった条件面の説明そのものではありません。どんな表情で話しているか、どんな空気が流れているか。そうした言葉にしにくい部分を感じ取っています。
動画で会社の空気感が伝わると、求職者は「ここで働く自分」を思い描けるようになります。その結果、応募の時点ですでに気持ちが傾いている状態を作れます。この流れが起きると、選考の途中で他社へ流れてしまう事態を減らせます。
弊社が制作した採用サイトでは、設置した動画の9割以上が最後まで視聴されています。求職者は、興味を持った会社の動画であれば、途中で離脱せずに最後まで見てくれると考えて間違いありません。
採用動画を制作する7つのメリット
採用動画を作るメリットは「伝わり方が変わる」と「採用活動の手間が減る」の2方向に分かれます。前者は、企業の魅力を伝えやすくなることや、求職者の心理的なハードルを下げることです。後者は、説明の手間を省くことや、入社後のミスマッチを防ぐことを指します。
自社がどちらのメリットを強く求めているかによって、作るべき動画の中身も変わってきます。
①企業の魅力を伝えやすい
企業の雰囲気や独自の文化、実際に働く人々の様子をリアルに表現できます。テキストだけの情報ではどうしても伝えきれない企業の魅力を、直接届けられるのが強みです。結果として、企業のイメージを向上させることにつながります。
②多くの情報を短時間で伝えられる
動画はテキストに比べて、圧倒的に多くの情報を短い時間で伝えられます。視覚と聴覚を同時に刺激するため、求職者に強い印象を与えて記憶に残りやすくなります。文字だけでは伝わりにくい企業の理念や目指すビジョンを、より効果的に届けられる手段になります。
③求職者のエンゲージメント向上
動画は視覚的なインパクトが大きいため、求職者の興味を引きやすいという特徴があります。とくにファーストビューに動画を配置すると、サイト訪問者の注意を引き、エンゲージメントを高められます。サイトを開いた瞬間に動画が目に入ることで、直感的に企業の魅力を感じてもらうことができます。
④求職者の心理的ハードルを下げる
動画を通じて企業のリアルな情報を提供することで、求職者が抱える不安を解消できます。その結果として、応募への心理的なハードルを下げられます。
「思っていたのと違ったらどうしよう」という不安が、応募をためらわせているケースは多いです。動画で実際の様子を見せることで、そうした不安を取り除くことができます。
⑤ミスマッチと早期離職を防げる
採用動画を通じて、実際の業務内容や職場の雰囲気を具体的に伝えておきます。そうすると、求職者が入社後の自分の姿をよりはっきりとイメージしやすくなります。
入社前に抱いていたイメージとのズレが少なくなるため、入社後のミスマッチを減らせます。その結果として、早期離職を防ぐ効果も期待できます。
⑥採用活動の作業量とコストの削減
採用動画は一度制作すれば繰り返し使えるため、説明会や面接のたびに同じ情報を口頭で説明する手間がなくなります。採用活動の作業量とコストを削減できるのは、採用の専任者がいない企業ほど大きく効いてくる部分です。限られた人員で採用活動を進める場合、動画が説明の一部を担ってくれることは大きな助けになります。
⑦ブランド認知度の向上
動画はSNSやYouTubeなどのプラットフォームで広く拡散できるため、企業のブランド認知度を高める効果があります。より多くの求職者に情報を届けられるようになり、企業を知ってもらうきっかけを増やすことができます。
これらのメリットを活かせば、採用動画は企業の採用活動を支え、人材の確保につながる強力な手段になります。ただし、どのメリットを優先して取りに行くかを決めずに作ると、どれも中途半端になりやすい点には注意してください。
採用動画は置き場所で2種類に分かれる
採用動画は、置き場所によって大きく2つの種類に分かれます。ひとつは採用サイトのファーストビューやサイト内に埋め込むタイプです。もうひとつは、YouTubeに公開して検索からの流入も狙うタイプです。
どちらが優れているという話ではなく、狙いが違います。両方を用意する前提でなければ、まずは自社の採用活動においてどちらの入口が効果的かを決める必要があります。
01. 採用サイトに埋め込むタイプ
Vimeoなどのサービスを使い、採用サイトの中で再生してもらう形です。この方法の最大の強みは、再生画面の周囲に他社の動画が並ぶことがない点です。視聴者の意識をそらすことなく、自社で完全にコントロールできます。離脱させずそのままエントリーへ流したいなら、埋め込み型を選んでください。
02. YouTubeに公開するタイプ
YouTubeに公開して、検索やSNSからの流入も狙う形です。拡散は狙えますが、視聴者が関連動画へ流れていくのがYouTube公開型の弱点になります。動画を見終わったあとに別のチャンネルへ移動してしまう可能性が高いからです。認知を広げる目的であれば有効ですが、応募までの導線は別に用意しておかなければなりません。
制作前に自社で決めておく4つのこと
つまずくのは技術面ではなく、目的とターゲットが決まらないまま撮影日を迎えることです。ここで紹介する4つの点は、制作会社に相談する前に自社で決めておくべきことです。あらかじめ整理しておくと、その後の進行がスムーズになります。
①目的と採りたい人物像の明確化
目的の明確化
まず決めるべきなのは、何のために動画を作るのかという目的です。企業の認知を広げたいのか、興味を持ってもらいたいのか、それとも仕事への理解を深めてほしいのか。この目的が定まることで、動画の中身も全体のトーンも大きく変わってきます。
採りたい人物像の設定
動画を視聴する相手を明確に設定します。新卒なのか、中途なのか、あるいは特定の職種なのかを絞り込みます。そして、その相手に響く内容をしっかりと盛り込む必要があります。「誰にでも刺さる動画」を狙うと、結局誰にも刺さらない動画になります。ターゲットを絞ることを恐れないでください。
②動画の内容と構成
ストーリー性
単に条件や情報を伝えるだけでは不十分です。企業が歩んできた背景や、そこで働く人々の「物語」を描くことで、視聴者の関心や共感を引きやすくなります。ストーリーを持たせることで、より深く印象に残る動画になります。
企業の強みをアピール
他社にはない自社の強みは、遠慮せずに前に出してください。独自の制度や高い技術力など、他社と比べられたときに効く要素をしっかりと盛り込んでおきます。ここが明確になっていると、求職者が企業を選ぶ理由になります。
多様なコンテンツ
企業の強みや特徴を伝えるためのコンテンツを設計します。オフィスツアーや1日の業務紹介動画、オンラインでの説明動画など、さまざまな形式を組み合わせるのが有効です。そうすることで、求職者に多角的な情報を提供できます。
見た人がどう感じ、次にどのような行動をとるか。そこまで想定して組み立てておくと、動画が応募への導線としてしっかりと機能します。
③撮影と編集はプロに任せる
品質の高い動画を制作するには、プロの制作会社に依頼するのが確実です。動画の長さやファイルサイズ、音声の設定や字幕の入れ方など、専門的な知識が求められる部分が多くあります。プロに依頼すれば、専門的なスキルや機材を活用できるため、仕上がりの水準が安定します。
素材の質は信頼感に直結するので、予算を削る場所としては最後に回すようにしてください。
④継続的な改善と更新
採用動画は、一度作って終わりにしないほうが長く使えます。求職者の反応や面接でのフィードバックをもとに、動画の内容や構成を更新し続けることをおすすめします。そうすれば、常に効果的な採用の手段として使い続けられます。
社員の構成や設備が変わったのに、動画だけが数年前のままという状態は避けてください。古い動画は、かえって「情報が古い会社」という印象を残します。
作ったあとの置き場所で効果が変わる
動画は、作った後の置き場所で効果が変わります。求職者が最初に目にする場所に置けば、企業の第一印象を作れます。一方で、外部のプラットフォームに置けば、企業を知ってもらう入口を増やせます。この2つはまったく役割が違うため、両方を押さえておくのが理想的です。
①採用サイトのファーストビューに使用
採用サイトのファーストビューとは、ユーザーがサイトを訪れたときに最初に表示される画面のことです。ここで動画を使用すると、企業の第一印象を強く残すことができます。
ファーストビューに動画を配置することで、企業のカラーや雰囲気を直感的に伝えられます。さらに、訪問者の興味を引きつけ、サイトの滞在時間を伸ばす効果も期待できます。
②プラットフォームにあげる
採用動画は自社の採用サイトに置くだけでなく、YouTubeやSNSなどのプラットフォームでも公開します。そうすることで、より広く求職者にアピールできます。動画の視聴回数を増やし、企業の認知度を高めることにつながります。
採用動画制作会社の選び方
制作会社選びで見るべきは、映像のかっこよさではありません。自社の採用課題をしっかりと企画に落とし込めるか、そして公開後まで長く付き合ってくれるかの2点です。
相見積もりを取るときも、金額の比較だけで決めてしまうと「安く作れたが誰にも見られない動画」になりかねません。以下の5つの点を軸にして比較してみてください。
①過去の制作実績を確認する
動画制作会社が過去に手がけた実績は、選定において非常に重要な材料です。多くの制作会社が自社のサイトに事例を載せているため、まずはそこで実際の仕上がりを確かめます。自社が作りたいと考えている動画と近いものがあるか、得意としている種類や業種は何か。このあたりまでしっかりと見ておくと、判断が早くなります。
②費用感の確認
制作にかかる費用は、会社によってかなり違います。そのため、何社かから見積もりを取ることをおすすめします。このとき、単なる金額の安さだけで判断しないようにします。「その値段で具体的に何をしてもらえるのか」という中身まで並べて比べてみてください。
③企画力と提案力の確認
制作会社の企画力と提案力も大切な判断材料になります。自社の目的に届く動画になりそうかどうかは、具体的な企画案を出してもらうと見えてきます。採用に関する知識だけでなく、マーケティングやブランディングの視点まで持っているかどうかで、提案の厚みが大きく変わります。
④制作の進め方を説明してくれるか
制作の流れを詳しく説明してくれるかどうかも見ておきます。あわせて確認しておきたいのが、公開後の修正回数とフォロー体制です。何回まで修正できるのか、追加の費用は発生するのか。ここを先に確かめておくと、あとで揉めずに済みます。
⑤運用サポートの有無
動画を制作したあとの運用サポートがあるかどうかも確認します。動画の効果を最大限に引き出すための運用サポートがあれば、制作した動画の力を正しく発揮できます。
ここまでに挙げた5つのポイントを考慮しながら、複数の制作会社を比較検討してみてください。そうすれば、自社に合ったパートナーが見つけやすくなります。
「採用動画」に関するよくある質問
Q1. 採用動画は自社で撮影してもいいですか
自社での撮影はおすすめしません。プロに任せるほうが仕上がりの水準が安定するためです。予算を抑えたいときは、動画の質を落とすのではなく、他の項目から削ってください。
Q2. 採用サイトへの埋め込みとYouTube公開は、どちらを選べばいいですか
動画を作る目的によって決めます。応募までの導線を切らさず、自社で完全にコントロールしたいなら、採用サイトへの埋め込みを選んでください。一方で、検索やSNSからの認知を広げたいのであれば、YouTube公開が向いています。ただし、YouTubeは関連動画へ視聴者が流れてしまうため、応募までの導線は別に用意しておく必要があります。
Q3. 採用動画を作れば応募は増えますか
動画は求職者を受け止める「受け皿」であって、企業を知ってもらうための「露出」ではありません。そもそも求職者に見つけてもらえていない状態では、動画を作っても再生されないままです。露出(応募者の母数を増やす取り組み)と受け皿(採用サイトや動画)は両輪です。片方だけを整えても、採用の機会を取りこぼしてしまいます。
Q4. 一度作った採用動画はいつまで使えますか
繰り返し使えるのが動画の大きな利点です。しかし、社員の構成や設備が変われば、動画の内容は古くなってしまいます。求職者の反応を見ながら、必要な部分を定期的に差し替えていく前提で考えておくと、ひとつの動画を長く使い続けられます。
Q5. 制作にはどのくらいの期間がかかりますか
2〜3ヶ月が目安です。内訳は、構成案の作成に1〜2週間、撮影日の調整と撮影で約1週間、編集から納品までで約1ヶ月ほどになります。
最初にディレクター(進行の窓口)が構成案を作ります。「冒頭にオフィスの映像を1分、続いて社長挨拶、そのあと社員5名のインタビュー」といったカット割りに落とし込み、確認いただいてから撮影日を調整します。屋外での撮影が入る場合は、雨天を見込んで候補日を2日ほど押さえます。
編集にかかる時間は尺で変わります。サイトのファーストビューに置くなら1〜2分、採用PRとしてしっかり見せるなら5〜10分程度が目安です。撮影は時間制のため、1回の収録素材から1分版と10分版を作り、両方を納品する組み方もできます。
Q6. 費用はどのくらいかかりますか
動画の本数、撮影にかかる日数、出演する人数、編集の作りこみ具合によって費用に幅が出ます。そのため、一律の金額はお伝えしにくいのが正直なところです。まずは御社の採用スケジュールと目的をうかがったうえで、必要な構成をご提案しています。
動画は「作ること」より「どこに置くか」で効果が変わる
質の差は機材ではなく、誰に何を届けるかを決め切れているかの一点です。目的が定まっていれば10分でも刺さり、定まっていなければ3分でも見られません。まずは自社の中で、誰に向けてどのようなメッセージを届けるのか、目的とターゲットを明確に言語化してみてください。ここが整理できるだけでも、制作会社とのやり取りはスムーズになり、目的に沿った動画に近づきます。
そして、動画を置く場所がなければ、そもそも見てもらえません。受け皿が整っていない状態で動画だけ作っても、社内のサーバーに眠るだけです。画面の向こうにいるのは一人の人間で、その人にとっては人生がかかった選択です。だからこそ、動画にも「この会社で働く自分」を思い描けるだけの熱量を込める必要があります。ただ、自社だけで目的の整理から置き場所の設計までをすべて回しきるのが難しいと感じたら、外部の視点を入れることも十分に考えていい選択肢です。
弊社は全国の地方企業に1,420社以上のウェブサイト制作・マーケティング支援を行ってきました。採用については、サイトを作って終わりではなく、求人媒体への露出から選考までを地方企業向けに一貫してご支援しています。製造・建設・運送・医療・飲食など、地方で人が採りにくいと言われる業種の現場を見てきました。
全部をお任せいただく必要はありません。「動画だけ相談したい」でも、「そもそも何から手をつければいいか分からない」でも構いません。御社の規模や採用フェーズをうかがったうえで、今どこに手を入れるのが効くのかを整理するところから始めます。
この記事を書いた人

たまちゃん
マーケティングデザイン部 マネージャー/Webマーケター 大学在学中に、複数Webメディアを立ち上げ、アフィリエイターとして法人化。設立から2年後、社会貢献などの「働きがい」を求め、リーピーにジョイン。 現在は、現場で培ったWebサイトの運用経験を元に、お客様サイトの運用代行や自社コーポレートサイトの運用など、幅広いマーケティング領域を担当。